昭和を代表する俳優である故・石原裕次郎さんの“歌の後継者”の金児憲史（かねこ・のりひと／39）が26日、都内で歌手デビューお披露目ライブを開催。目に熱いものがこみ上げながらも、裕次郎さんの名曲を歌い上げた。

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　『21世紀の石原裕次郎を探せ！』で選ばれた金児が、裕次郎さんの命日である7月17日にシングル「夜霧よ今夜も有難う」で歌手デビューする。ミュージックビデオは同曲にゆかりのある横浜の山手教会や赤レンガ倉庫で撮影されたほか、『西部警察』時代に裕次郎さんが着ていたベージュのコートを借りて撮影に臨んだ。

　この日のお披露目ライブも金児は、裕次郎さんが「クロスオーバー・ラブ」のジャケットで着用していたジャケットを着用。「どうですか、似合いますか？」と見せると「心強いですね」と衣装に感謝し、そして「恐れ多くて汗もかけないって思うと余計、汗をかく。後で謝ろうと思います」と笑わせた。

　ライブ途中、石原まき子さん、渡哲也らから激励のメッセージが送られた。まき子さんから歌声について「金児くんの歌声が遠くから流れてきたとき、どことなく裕さんの声に似ていて驚かされました」と伝えられると、金児は「本当にこみ上げて来るものがある。あまり、しゃべらない方がいいかもしれない…」と感無量の表情。「石原裕次郎さんというお名前をお借りした。その責任の大きさに潰されそうになるんですけど、育てていただいたものをお返ししようかなと思います」と力を込めていた。お披露目ライブでは2度、「夜霧よ今夜も有難う」を歌唱。2度目は裕次郎さんが歌う映像が流され、金児は思わず感涙し、歌い上げると頬をぬぐっていた。

　ライブ終了後には「ホッとしております。緊張しておりました」と安堵の笑顔。半年ほど前に歌唱することを告げられたという。裕次郎さんの歌を歌うことについては「歌の後継者と言われているが僕の中では、ちょっと違う。つないでいく者でありたい。僕が歌ったことで、もしかしたら知らない10代、20代の方たちに、こういう歌があるんだと（伝わる）。石原裕次郎さんのすてきな名曲がたくさんありますから、そういうことでつながっていけば。僕の目指しているところ、目標だと思いますね」と胸のうちを明かした。

　デビューにあたり、まき子さんと渡に手紙を書いたところ、渡から電話があったそうで「金児は金児でやれば大丈夫。自分を信じて頑張ってください」と激励されたという。兄のように慕う舘ひろし、神田正輝にも報告し、舘からは「今度、バックコーラスしてやるよ」と茶目っ気たっぷりに祝われ、神田は「楽しみにしてるよ」と告げられたそう。金児は「本当にありがたい。温かさをあらためて感じた。石原プロに入社して、軍団に入団してよかった」としみじみ語った。

　裕次郎さんがどんな表情をしていると思うか問われると「すごく穏やかに笑って、うなずいてくださるんじゃないか。そういう絵は浮かびますね。それで全てOKのような」。裕次郎さんの名曲は金児を通して、次世代へつながり続ける。

■石原プロのコメント

【石原まき子さん】
　この度、石原プロの金児憲史が石原裕次郎の歌の後継者としてCDデビューさせていただくことになりました。金児くんの歌声が遠くから流れてきたとき、どことなく裕さんの声に似ていて驚かされました。

　裕さんの歌い方は、どこか語りかけるような雰囲気で、心で歌っていたと思います。金児くんは、男っぽさと優しさがあるので、素直な心で歌ってくれたら、金児くんらしい裕次郎ソングになるのではないかと思っております。

　歌手としては新人で、あらけずりではありますが、応援していただけましたら誠に幸いでございます。

【渡哲也】
　金児憲史がテイチクさんよりCDデビューさせていただけること、大変うれしく思っております。

　裕次郎さんの歌い方は、色っぽく、心の奥で歌っていたと思います。裕次郎さんの曲を歌うのは難しいことだと思いますが、金児くんにも心で歌ってほしいですね。頑張ってください。

【舘ひろし】
　石原さんの曲は難しいので、金児も苦労したと思います。私も石原さんのカヴァー曲をレコーディングしたことがあり、そのとき石原さんと会話できた感覚を持ちました。

　きっと金児も今回、石原さんと曲を通じて会話ができたのなら、素晴らしいことだと思います。活躍を楽しみにしております。

【神田正輝】
　石原さんの歌で金児がデビューするとのこと、大変素晴らしいと思います。実際に歌声を聴いてみると石原さんの声に似ており、その姿がよみがえるような気持ちになりました。

　真面目な金児のことですから、きっと石原さんの歌声を繰り返し聞いて練習したのでしょう。石原さん独特の語るようなメロディー、金児の声を生かして、「金児流の石原裕次郎」をもっと聴きたいと思っております。

　改めまして、デビュー本当におめでとう！ より一層のご活躍を祈念しております。