マツコ・デラックスを輩出したTOKYO MXの看板番組『5時に夢中!』のネームバリューに追いつく勢いで話題性を高めている番組がある。強烈な個性のMCやコメンテーターが揃う同局の『バラいろダンディ』だ。タイプの異なる出演者が集結して様々な視点からもの申すスタイルは、生放送ならではのギリギリ感が楽しめる。どの視聴者にもフィットする“奥行き”が感じられるが、生放送でそれを叶えるのは出演者のとっさの“瞬発力”があってこそだろう。そんな同番組の裏側を総合演出・プロデューサーの中嶋雄介氏に聞いた。
■“何が起こるかわからない”生放送はYou Tubeなどに勝つ唯一のもの
――『バラいろダンディ』は、月曜から木曜はプロレスラー・蝶野正洋さん、金曜はお笑い芸人・島田洋七さんがMCを務める夜9時からの“オトナの夜のワイドショー”。度々、コメンテーター方々の発言が注目されていますが、ふかわりょうさんMCで同じく話題になる夕方の『5時に夢中!』とは、どのように差別化されていますか?
【中嶋雄介P】 『5時に夢中!』は基本的に、コメンテーターは2人なのでコンビプレーが重要視されます。ニュースを入り口に、2人の丁々発止が重用されるところではあるんですけど、『バラいろダンディ』は4人いて、席の並びが対面。ネタ的にも“議論”に向いたネタが多く選ばれています。2人を4人にすることで、一つのものに対して、4目線の議論ができる。例えば野球界、サッカー界、俳優会、作家界と、それぞれの業界のプロフェッショナルの目線で切れるというのが、『バラいろダンディ』の売りかと思っています。
――他局のワイドショーでは見られないような過激な発言やコメントも多く見られます。
【中嶋P】 僕たちは、コメンテーターの方々に議論する場所とテーマを提供しているに過ぎないです。ですがご出演される方々は誰もが百戦錬磨の先鋭たちです。どこがギリギリのラインか把握されていて、人を傷つけること、差別すること、言っていいこと悪いこと、そのラインは守ってくださっている。僕たちもみなさんを信頼しているので「絶対にダメなこと以外は、基本的にすべてお話してください」とお願いしています。
――“すべて”?
【中嶋P】 例えば「こちらの番組の演出でこれやってください」といった時に、「どうしてもやりたくない」といったら「OKです。その代わり、それを番組でそのまま言っちゃってください」とお願いしたりしています。人間性や生き様など、その人自身をスタジオで表現していただきたいからです。
――そういった生放送の“リスク”も魅力と言うことですね。
【中嶋P】 生放送の面白さはそこにこそ、あると思います。今はYou Tubeもありますし、テレビじゃなくても面白い映像はどこでも見られる。そんな中、生放送はそこに勝つ、唯一のものだと僕らは思っています。何が起こるかわからないっていうのが強味だと思うんです。そういったものを視聴者が期待してくださっているのではないかと思います。
■ネットニュースでも話題!コメントの放送コードギリギリ感は番組を愛しているからこそ
――『バラいろダンディ』を見て思うのは、そのテンポ感の良さ。内容がぎゅっと詰まってみなさんの瞬発力が発揮されている印象があります。
【中嶋P】 『バラいろダンディ』はワイドショーの形式をとっているトークショーなんです。だから、テンポ感は重視しています。ダラダラとやるより、「もうちょっと見たいかな」ぐらいのタイミングで、次に行く。また、見終わって「得した」と感じてもらえるよう、できるだけ多くの “情報”を紹介していこうという形でやっています。一方で、せっかくコメンテーターが4人いらっしゃるので、長く尺を取って喧々諤々やる部分も作っていこうと。短いものもあり、長いものもあり、それは番組内のメリハリです。テンポ良く見せた結果、ランキングの1位まで紹介できなくても、それはそれでいいか、という部分もあるにはあります。
――番組内でのコメンテーターの方々のコメントが毎日のようにネットニュースに上がっています。
【中嶋P】 みなさん、ギリギリのラインでお話をしてくださいますので、ネットニュースに取り上げていただくことが増えました。僕たちも他局では聞けない様なセンセーショナルな発言が飛び出しそうなネタを選ぶようにしています。出演者の方々も番組を愛してくださって「バラダンだから、ここまで言います!」という愛情からの発言で、とても感謝しています。ネットニュースは東京以外の方にも番組を知ってもらう良い機会なので、大変ありがたく思っています。
――例えば、梅沢富美男さんや武井壮さん、内山信二さんなど、他の番組では見せないような顔も見ることができます。コメンテーターをキャスティングするときに重要視していることは?
【中嶋P】 “発信力”です。例えば1つのニュースに「困った問題ですね」なんて当たり障りない発言は「つまらない」と思うのです。それは普通の感想に過ぎず、誰でもいえること。それよりも僕は「だったらこうした方がいい」とか「こうしたら変わるかもしれない」とか、それが真剣であれ、冗談であれ、感想からの“発信力”がある方々にご出演いただいています。
■出演したら“怪我をするかも”!? 出演NGがあっても「それでもいい」
――今後、どのような番組にしていきたいですか?
【中嶋P】 僕は『5時に夢中!』を担当していた頃から「くだらないネタをまじめに、まじめなネタをくだらなく」と思ってやってきました。くだらないネタを、バカ話じゃなく、大人が真剣に議論すると面白いじゃないですか。また、以前『5時に夢中!』で「おママ対抗歌合戦」というコーナーを担当していた際、スナックのママ達の涙なしには語れない波乱万丈な人生を、逆に笑いに昇華させたことで、彼女たちの「生きる力」「たくましさ」「カッコよさ」が際立ちました。『バラダン』もそんな人間の生き様が垣間見れる番組にしていけたらと思っています。ちなみにたまに下ネタを扱う事もあるのですが、単に下品な下ネタじゃなく、「オシャレで、そして優雅で品のある下ネタ」としてやっていきたいのです。
――それこそ“ダンディ”ですね!
【中嶋P】 ええ(笑)。まだまだ発展途上ですから、今後も決してぬるくならずに、ギリギリを攻めていく番組作りをしていきたいと思っています。おかげさまで最近はネットニュースで話題になることも増えました。なので最近、ご出演のオファーをすると、たまに「すごく影響力のある番組。怪我をしたくないので申し訳ありません」と断られたりもします。でもそれでもいい。これからも『バラいろダンディ』は“出たら怪我するかもしれない番組”であり続けたいと思います(笑)。
(インタビュー・文/衣輪晋一)
■“何が起こるかわからない”生放送はYou Tubeなどに勝つ唯一のもの
――『バラいろダンディ』は、月曜から木曜はプロレスラー・蝶野正洋さん、金曜はお笑い芸人・島田洋七さんがMCを務める夜9時からの“オトナの夜のワイドショー”。度々、コメンテーター方々の発言が注目されていますが、ふかわりょうさんMCで同じく話題になる夕方の『5時に夢中!』とは、どのように差別化されていますか?
【中嶋雄介P】 『5時に夢中!』は基本的に、コメンテーターは2人なのでコンビプレーが重要視されます。ニュースを入り口に、2人の丁々発止が重用されるところではあるんですけど、『バラいろダンディ』は4人いて、席の並びが対面。ネタ的にも“議論”に向いたネタが多く選ばれています。2人を4人にすることで、一つのものに対して、4目線の議論ができる。例えば野球界、サッカー界、俳優会、作家界と、それぞれの業界のプロフェッショナルの目線で切れるというのが、『バラいろダンディ』の売りかと思っています。
――他局のワイドショーでは見られないような過激な発言やコメントも多く見られます。
【中嶋P】 僕たちは、コメンテーターの方々に議論する場所とテーマを提供しているに過ぎないです。ですがご出演される方々は誰もが百戦錬磨の先鋭たちです。どこがギリギリのラインか把握されていて、人を傷つけること、差別すること、言っていいこと悪いこと、そのラインは守ってくださっている。僕たちもみなさんを信頼しているので「絶対にダメなこと以外は、基本的にすべてお話してください」とお願いしています。
――“すべて”?
【中嶋P】 例えば「こちらの番組の演出でこれやってください」といった時に、「どうしてもやりたくない」といったら「OKです。その代わり、それを番組でそのまま言っちゃってください」とお願いしたりしています。人間性や生き様など、その人自身をスタジオで表現していただきたいからです。
――そういった生放送の“リスク”も魅力と言うことですね。
【中嶋P】 生放送の面白さはそこにこそ、あると思います。今はYou Tubeもありますし、テレビじゃなくても面白い映像はどこでも見られる。そんな中、生放送はそこに勝つ、唯一のものだと僕らは思っています。何が起こるかわからないっていうのが強味だと思うんです。そういったものを視聴者が期待してくださっているのではないかと思います。
■ネットニュースでも話題!コメントの放送コードギリギリ感は番組を愛しているからこそ
――『バラいろダンディ』を見て思うのは、そのテンポ感の良さ。内容がぎゅっと詰まってみなさんの瞬発力が発揮されている印象があります。
【中嶋P】 『バラいろダンディ』はワイドショーの形式をとっているトークショーなんです。だから、テンポ感は重視しています。ダラダラとやるより、「もうちょっと見たいかな」ぐらいのタイミングで、次に行く。また、見終わって「得した」と感じてもらえるよう、できるだけ多くの “情報”を紹介していこうという形でやっています。一方で、せっかくコメンテーターが4人いらっしゃるので、長く尺を取って喧々諤々やる部分も作っていこうと。短いものもあり、長いものもあり、それは番組内のメリハリです。テンポ良く見せた結果、ランキングの1位まで紹介できなくても、それはそれでいいか、という部分もあるにはあります。
――番組内でのコメンテーターの方々のコメントが毎日のようにネットニュースに上がっています。
【中嶋P】 みなさん、ギリギリのラインでお話をしてくださいますので、ネットニュースに取り上げていただくことが増えました。僕たちも他局では聞けない様なセンセーショナルな発言が飛び出しそうなネタを選ぶようにしています。出演者の方々も番組を愛してくださって「バラダンだから、ここまで言います!」という愛情からの発言で、とても感謝しています。ネットニュースは東京以外の方にも番組を知ってもらう良い機会なので、大変ありがたく思っています。
――例えば、梅沢富美男さんや武井壮さん、内山信二さんなど、他の番組では見せないような顔も見ることができます。コメンテーターをキャスティングするときに重要視していることは?
【中嶋P】 “発信力”です。例えば1つのニュースに「困った問題ですね」なんて当たり障りない発言は「つまらない」と思うのです。それは普通の感想に過ぎず、誰でもいえること。それよりも僕は「だったらこうした方がいい」とか「こうしたら変わるかもしれない」とか、それが真剣であれ、冗談であれ、感想からの“発信力”がある方々にご出演いただいています。
■出演したら“怪我をするかも”!? 出演NGがあっても「それでもいい」
――今後、どのような番組にしていきたいですか?
【中嶋P】 僕は『5時に夢中!』を担当していた頃から「くだらないネタをまじめに、まじめなネタをくだらなく」と思ってやってきました。くだらないネタを、バカ話じゃなく、大人が真剣に議論すると面白いじゃないですか。また、以前『5時に夢中!』で「おママ対抗歌合戦」というコーナーを担当していた際、スナックのママ達の涙なしには語れない波乱万丈な人生を、逆に笑いに昇華させたことで、彼女たちの「生きる力」「たくましさ」「カッコよさ」が際立ちました。『バラダン』もそんな人間の生き様が垣間見れる番組にしていけたらと思っています。ちなみにたまに下ネタを扱う事もあるのですが、単に下品な下ネタじゃなく、「オシャレで、そして優雅で品のある下ネタ」としてやっていきたいのです。
――それこそ“ダンディ”ですね!
【中嶋P】 ええ(笑)。まだまだ発展途上ですから、今後も決してぬるくならずに、ギリギリを攻めていく番組作りをしていきたいと思っています。おかげさまで最近はネットニュースで話題になることも増えました。なので最近、ご出演のオファーをすると、たまに「すごく影響力のある番組。怪我をしたくないので申し訳ありません」と断られたりもします。でもそれでもいい。これからも『バラいろダンディ』は“出たら怪我するかもしれない番組”であり続けたいと思います(笑)。
(インタビュー・文/衣輪晋一)
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2018/06/14