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【脱力タイムズ・リレーインタビューVol.7】総合演出が語る4年目の挑戦 コント番組“不作”の時代を切り開くアイデア

 お笑いコンビ・くりぃむしちゅー有田哲平がMCを務めるフジテレビ系バラエティー『全力!脱力タイムズ』(毎週金曜 後11:00)が、今春から4年目に突入している。メインMCのアリタ哲平(有田)を筆頭に、同局の小澤陽子アナウンサー、全力解説員、ゲストコメンテーターが“報道番組”という枠組みを使って見せるドタバタ劇。お笑いファンから熱視線を集める人気番組の魅力を探るため、ORICON NEWSでは出演者やスタッフへインタビューを行い、リレー形式で毎週掲載していく。

 第7回は、番組の総合演出を手がける名城ラリータ氏。有田をはじめ、破壊力抜群のナレーションで魅了している滝沢カレン、名うての全力解説員たちを演出する一方で、ゲストでやってくる芸人たちを毎回欺き、金曜の夜に笑いを届けているラリータ氏が、4年目を迎えたことへの思い、MCとしての有田の魅力、今後の課題などを語った。

■番宣パートへのこだわり 1年以上にわたる“河本だまし”の内容とは?

 金曜日の23時台というのは、様々なソフトを試せる枠なので、いろんな意味で1年か1年半くらいかなということは僕らも覚悟をしていたんですけど、それがもう4年目に突入したっていうことですごく感慨深いですね。本当に、続けさせてくれているフジテレビさんに感謝ですよ。有田さんを筆頭に、滝沢カレンさん、全力解説員の先生方たちのお力はもちろんあるのですが、広瀬すずさんやオダギリジョーさんは3回もゲスト出演してくださって、そういった方々のファンのみなさんが「私も見ていいんだ」っていうことで広がっていく部分もあるので、それもすごくありがたいです。だから、広瀬さんとオダギリさんにお会いする時には「準レギュラーということで…」とお迎えしています(笑)。

 ドラマや映画の告知をするところもいろいろと考えていて、先週放送された榮倉奈々さんの時も有田さんのアイデアで新しい形を試してみました。いろんな人が“すりガラス”の中に入って話をするという企画だったので、それだったらということで、榮倉さんにもそこに入ってもらってボイスチェンジャーを使って映画を宣伝してもらうという、効果があるのかわからない謎の告知をやりました(笑)。告知も企画に織り交ぜて…というのはこだわっていて、当初は先生方の「といえば解説」に乗っかって告知をしてもらう形にしていたんですけど、最近はゲストのみなさんもこの番組のことを理解してくださっているので。こちらも愛を持って返したいという気持ちはあって、毎回やり方を変えるという訳にはいきませんが、何となく楽しみながら見てもらえるようにということを考えています。

 芸人さんたちも何度か出演されている方が増えてきたので、もちろんその対策もいろいろと考えています。次長課長河本準一さんの前回出演時に「脱力子ども相談室」という企画をやったのですが、子どもたちから「河本さんは、何でテレビに出なくなったの?」と聞かれた時の反応がめちゃくちゃ面白かったんです。これはもう1度やりたいと思って、そこから有田さん、他局の番組もやっているスタッフを巻き込んで、河本さんをだますという計画がスタートしました。例えば、他局ですが有田さんが『くりぃむナンチャラ』で河本さんに会った時に「あの企画、面白かったんだけど、上がダメって言っているらしくて」と言ってもらう…みたいなことを1年以上かけてやって、河本さんが「もうないだろう」と思ったところで、脱力に来ていただいて「子ども相談室」をやる…というオンエアとは全く関係ないところでの取り組みもしています(笑)。

 新しいことを試していくために、解説員の先生も新たな方を迎えてということもありますが、やっぱりウチのゴレンジャー(吉川美代子氏、岸博幸氏、出口保行氏、五箇公一氏、齋藤孝氏)は強力ですから(笑)。僕らもゴレンジャーに頼っていて、最近では台本を作る時に、当て書きをするようになっていますね(笑)。もともとは、台本にあるせりふから、これを出口先生、これは岸先生という風に振り分けていっていたのですが、今では「出口先生はこんなこと言わないよね」という感じでやるようになっていますから。解説員にご興味ある方はぜひ来ていただいて、そこで影の内閣みたいなものも作りたいんですけど、広いのか狭いのかわからないこの日本で、あの5人を倒す方がいるのかという(笑)。あの5人のフリースタイルダンジョンのラップに勝つのは、なかなか厳しいですよね。

■クリアすべき“課題” お笑い×報道の可能性の模索「ウチの使命だと思って…」

 変わっていくという意味では、有田さんもそうですね。最初はなんとなく有田さんもコントの中のひとりという感じだったんですけど、一緒に考えたりアイデアを出し合うことによって、明らかに座長感が増していますし、『しゃべくり007』の姿とはまた違った、有田さんが本来持っている“憑依(ひょうい)のうまさ”が出ているなと感じています。有田さんがキャスターに憑依している感じが番組にとっても大事なことだと思っていて、要は連続したコントをずっとやっているので、結局この番組はキャスターのアリタ哲平というコントキャラクターの成長物語なんですよ。だから、悪い言い方をすると有田さんだけがおいしい(笑)。あの人が司令塔になって、出口先生にブルゾンをやらせたりするから、番組の進化という意味で、今後は有田さんにも汗かくやつをやってもらおうと思います。番組はみんなに見てほしいので、これからどうやって裾野を広げていくかをやっていかないといけない。「(自分たちだけが理解できる)こんなお笑いやっているから、見なくていいよ」というのはダサいと思うので、どの世代にもわかりやすくするように、なるべく時事のものや興味深いものにアプローチできればなと思っています。

 そこでジレンマになってくるのが、番組ができあがるまでのスケジュールなんです。だいたい、企画・収録・放送まで短くて1ヶ月、長くて2ヶ月弱くらいかかるので、そこのスピード感が『バイキング』とか『ワイドナショー』には圧倒的に負けてしまう。多少の期間は興味が続くであろう話題に、付加の情報をつけて放送するということにチャレンジしたいと思っていますけど、オンエアされる頃の温度感がわからないので、結果的に軽いパロディで終わってしまうのは悲しいところではあります。40分丸々コントを1本作るので、1週間前に録ったものを出すことが、いろんな意味で難しいところがあって。やりたいこととオンエアまでの期間のギャップをどう埋めていくのかというのは、実は2年くらい前から苦しんでいる部分ではあります。これまでは報道番組のフレームだけに乗っかってやるということで良かったと思うんですけど、そこから進化していかないといけないので、次はニュースを真面目に解説してタメになるところと、笑いのステップとの波長を合わせるがウチの使命だと思っています。最初から最後までただ笑えるっていうのもいいんですけど、「あれ、このニュースってどうなったんだっけ?」ということを振り返られるようなものにもしたいなという気持ちはあります。

 やっぱり自分の地場がお笑いなので、それをどう見てもらえるのかにチャレンジしたいという思いがあり、それは今の番組でもやっているつもりです。毎回フレームが違うように作っているので、たまには有田さんがいなくて、相方の上田晋也さんが来てみるっていうのもいいと思っています(笑)。今まで見たことないものをやるということに、僕らはちょっと足を踏み入れている気がするんですけど、それプラス何かをこの40分で伝えられるようにやっていきたいです。NHKさんは定期的にコント番組をやってくれているので、それはステキだなと思いますが、なかなか民放でコントをやる勇気がない中、できるだけ僕らが長くやって、同じシチュエーションでもアイデア次第ではいろいろできるんだっていうことを訴え続けたいです。『水曜日のダウンタウン』とか『ゴッドタン』などのように、ずっと面白いということで牽引されている番組に負けずに頑張っていきたいと思っています。

 (『脱力タイムズ』で27時間テレビをやってみたいという気持ちはない?)あーそれはいいですね。もしやるとなれば、まず、スタートで有田さんがいないみたいなことをやっちゃうんでしょうね(笑)。実は、前に有田さんと話したことがあるんですよ。「27時間テレビのどこかのパートでやってください」という話がきたらどうしようということで、その時のコンセプトは考えているので、お話をいただけたらいつでもやります。なかなか難しい部分もあると思いますけど、うちはいつでもやります、しかも面白いです(笑)。

◆名城ラリータ(なしろ・らりーた)フジクリエイティブコーポレーション(FCC)制作部副部長。これまでに『笑っていいとも!』『SMAP×SMAP』『ココリコミラクルタイプ』『もしもツアーズ』などといったフジテレビ系の人気番組を担当してきた。プライベートでは、2011年にタレントのギャル曽根と結婚した。



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