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髭男爵・山田ルイ53世の一発屋ルポ本、発売前から重版決定 大注目の一冊の魅力を紹介

 お笑いコンビ・髭男爵山田ルイ53世が“一発屋芸人”たちを対象に取材を行ったルポルタージュ形式の書籍『一発屋芸人列伝』(新潮社)が、きょう5月31日に発売される。月刊誌『新潮45』の連載では「第24回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」の作品賞に輝き、発売前から重版が決定するなど、大注目の一冊となっている。

 レイザーラモンHG、コウメ太夫テツandトモジョイマンムーディ勝山天津・木村、波田陽区ハローケイスケとにかく明るい安村キンタロー。、そして髭男爵…。自らの境遇をも題材にして「一発屋」と呼ばれる芸人たちを追った本作。その内容は、一発屋たちが活躍した時代の「ルネッサ〜ンス!」を期待するようなものではなく、テレビ番組に出演した時の“あるある”のひとつである「最高月収○万円」という暴露を載せたものでもない。

 これまで世間が右から左に受け流してきた「一発屋芸人が売れたのはなんでだろう」という根本の部分に触れて、その人気は決してフライングゲットではなかったと分析しつつも、ちょっぴり「残念!」な部分も軽快なタッチで描かれている。「雑誌ジャーナリズム賞」の授賞式後に、山田にインタビューを行った際、これまで心の中にためていたであろう「チクショー!」という思いがこもったコメントをいい声で残してくれた。

 「マネージャーさんから(受賞の)メールをいただいて、僕の方に来ましたけど、何かわからないですけど『売れた』と思いました。心のどこかで、なんか『ざまぁみろ』というか『それ見たことか』というか。普通の芸人さんが何か賞をいただくよりも、一発屋とレッテルを貼られた人間がこういう別ジャンルの賞をいただけるのが何かちょっと『どや』という気持ちになりましたね。その時は、ほかの一発屋たちの顔が脳裏によぎりました。みなさんのおかげで受賞できました」。

 緻密に張り巡らされた伏線、テンポ感のある文体も魅力的。細かい言い回しまでこだわっていることがわかるほどの読後感の良さに「フォー!」という賛辞を送り、これまで見えてこなかった一発屋芸人たちの一面を浮かび上がらせた取材力には「ありがとう、オリゴ糖」と読者として感謝したくもなる。今作をきっかけに、今後はフィクションの小説も「いけそうな気がする〜」と思わず吟じてしまいそうだが、先日インタビューした時点では「安心してください、空いてますよ」状態で「みなさん、小説ってどんな感じで書き始めているんですか? オファーを受けるのか、それともまず自分で書いているのか…」と記者に逆質問していた。とはいえ、それもこれが発売されるきょうまでのことだろう。

 ここまで書いてきたが、最後にひとつだけ。「該当する者は手を挙げるように うまいことをやろうとして、本に登場するそれぞれの芸人のネタやせりふを文章に入れようとしたものの、ハローケイスケだけがあぶれてしまった」。こんな下手くそなこじつけでなく、貴族ならではの上品なフリとオチがついた“お文章”はぜひ『一発屋芸人列伝』でご堪能あれ。



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