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超特急、春のアリーナツアー東京公演を2日間にわたり開催

 6人組メインダンサー&バックボーカルグループの超特急が、26・27日に東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナにて『BULLET TRAIN ARENA TOUR 2018「Sweetest Battlefield」』の東京公演を開催した。ツアーでは初の360度ステージにカラーガードによるパフォーマンスにも初挑戦し、全29曲を休みなく贈ったライブは超特急史上最長。前回ツアーに続いて総合演出を務めたユーキも、タイトルに反して「メチャクチャ激しくてエキサイティング」と開演前に評したほどの限界突破なステージで、詰めかけた1万5000人の8号車(超特急ファンの呼称)を熱狂させた。加えてニューシングルの発売と主催イベントを告知した26日に続き、27日には恒例の年末ライブとレギュラー番組の放送も発表。歓喜に包まれた2日間で、東西アリーナツアーを最高の形で幕開けてみせた。

『BULLET TRAIN ARENA TOUR 2018「Sweetest Battlefield」』の東京公演で360度全方位の8号車にアピールした超特急

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 アリーナツアーを春に行うのは今回が初めてということで、「1年の早いうちから8号車に会えて幸せ」とライブ前の囲み取材でカイは語ったが、それは8号車の側も同じこと。東京、神戸を回る5万人動員の全4公演はチケット発売開始直後に完売し、8号車で埋めつくされたアリーナの真っただ中に設置された四角いステージは、まさしく“Battlefield”といった趣だ。

 お馴染みの発車ベルに続いてダイナミックな新SEが流れ、そのステージから円柱型の巨大モニターが浮かび上がると、それぞれにイメージカラーのスポットライトを浴びた6人が登場。“ダサかっこいい”を身上とする彼らだが、冒頭の「超ネバギDANCE」からグッと“かっこいい”比率の上がったパフォーマンスと、真っ白な衣装を身にまとった王子のような凛々しい姿で、ツアータイトル通り“Sweetest”=最上級に甘い世界へと誘ってゆく。

 しかし、リーダー・リョウガの「東京、行くぜ!」という号令からは、「超えてアバンチュール」でエキセントリックに振り切れて、360度全方位のオーディエンスにアピール。さらに6台のトロッコに乗ってアリーナを8の字に回り、「俺たちと一緒に甘い1日を過ごすんだろ? だったら声出していこうぜ!」というユーキにあおられた8号車の間近に迫って黄色い悲鳴をあげさせる。特殊なステージ形態を思う存分に駆使して駆け回る6人は、序盤で既に汗びっしょり。しかし、モニターに映し出されるその表情は、実に活き活きと楽しそうだ。

 新体制となって初のワンマンツアーということで、新たな進化を遂げた楽曲で楽しませてくれたのも注目すべきポイント。センターステージから伸びるスタンド席正面のエンドステージへと駆け、アクロバティックな動きとキュートな笑顔が共存させた「Pretty Girl」等、曲が続きイントロが鳴るたびに歓声が湧く。さらに最新シングル「a kind of love」のカップリング3曲も今ツアーで初披露。ひたすらに8号車の声をあおり、“男をあげろ”と曲中で腕立て伏せする「SAY NO」では、取材時のユースケいわく「遊びで推したら採用された」というサビのコンニャクダンスで場内を沸騰させた。

 「僕たちには全方位が前ですから。全ての角度の8号車に向けて最高のパフォーマンスをします」とのリョウガの宣言からは、春にピッタリの柔らかで切ないナンバーが次々に。ホッコリと温かい「One Life」のあとは、3層のステージが6分割されて順にせり上がり、見る見る形を変えて、その上でエモーショナルに歌い踊るメンバーと共に8号車の目を奪う。ステージが回転することにより、客席からもメンバーの表情や動きを360度堪能することができたのは特筆すべき点で、中でもダンサー陣による「Starlight」のソロダンスや、「Billion Beats」でタカシが聴かせたフェイクは胸震わせるもの。普段と異なる見せ方は楽曲の旨味をより引き出して、ダンスパートでタクヤが「これからも8号車と一緒に大切な時間を作りましょう。大好きです!」と告げた後者は、「改めて曲の良さを感じられた」とユーキも囲み取材で語っていた。

 そんなスペクタクルな演出の力を借りつつ、「360度ステージで、どれだけ8号車を楽しませることができるのか、みんなで考え抜いた」とタカシが話していた通り、自らの歌と踊りで魅了するための趣向が随所に仕込まれたパフォーマンス特化型のステージで、その後も8号車を圧倒してゆく。超特急の歌を一手に担うタカシがソロステージで満場のクラップを呼び、「やっぱ大好き!」と破顔した「Clap Our Hands!」を挟んで始まったメドレーは、その筆頭。

 笑顔あふれる「My Buddy」から、カイ・リョウガ・タカシが大人びた表情でコール&レスポンスを招く「DJ Dominator」、スモークの中からタクヤ、ユーキ、ユースケが挑発的に飛び出すEDM曲「Turn Up」と、目まぐるしく変わる空気感にひと時も目が離せない。一人残ったタカシが透明感たっぷりの歌声を響かせた「Yell」に続き、コミカルな「Rush Hour」に8号車のコールが自然発生する「HOPE STEP JUMP」も久々のライブ登板。メインダンサー&バックボーカルという唯一無二なグループ構成と楽曲の振り幅の広さを活かし、緩急硬軟自在に楽曲を繰り出して観る者を翻弄するメドレーは、今や超特急の大きな武器となりつつある。

 また、ツアーのたびに新しいチャレンジを見せてくれるのも超特急の大きな魅力。今回はメドレー直後に「fanfare」の曲中でカラーガードのパフォーマンスを披露して、8号車の度肝を抜いた。ステージ脇から突如放たれた6本の巨大フラッグを掴んで、宙高く飛ばし合い、キャッチし合い、ユーキの連続バク転も交えつつ、バトンのようにフラッグを自由に操る様は実にダイナミック。一瞬のミスも許されない技に集中する真摯な表情も印象的で、「『fanfare』という背中を押せる応援歌に、より映えるパフォーマンスになった」と取材時にタクヤも太鼓判を押していた。

 朗らかなオフショット映像を挟んでは、本業の歌と踊りでも新境地を見せることに。妖しいダンスビートに乗って躍動するダンサー5人に、スモークの中からゆっくりと現れたタカシが合流して、ステージに差し込む光のなか歌い出されたのは初披露となるカップリング曲「Fell the light」。タカシの美しいファルセットに操られるかのごとく、彼を取り巻く5人は恍惚(こうこつ)とうごめき、光と闇をテーマにした詞世界と相まって神秘的な情景を作り上げる。ここまでディープな世界観に貫かれた表現は、今までの超特急にはなかったもので、開演前にタカシも見どころの一つにあげていた。

 そしてセクシーな動きと仕草に大音量で悲鳴があがる「We Can Do It!」に、ステージ中央から色とりどりの炎が噴き上がる「Kura☆Kura」と、待ちに待っていたナンバーで8号車を悩殺。かと思えば、まっさらな笑顔がモニター上に広がる「Synchronism」では観る者の胸を切なく締めつけて、8号車の感情を迷子にしてしまう。しかし、だからこそ超特急のステージは見逃せない。「ここでみんなの声を聞かせてくれ!」(ユースケ)と言いつつ、メンバーも雄叫びを響き渡らせた「バッタマン」に、6人も変顔を炸裂させる「BREAK OFF」と、お馴染みのライブチューンでかき回せば、場内のテンションは瞬間沸騰。さらに「タオルぶん回す準備できてるか!」(カイ)と、「浮つきWAVES」でトロッコに乗り込み、再び客席へと出陣する。「いやぁ、みんなの顔が近くで見えて最高の旅だな!」と思わず漏らしたリョウガの「準備はいい?」という問いかけに、察しの良い8号車が「E!」と返してのラストチューン「a kind of love」では、会場中の全員がサビで大きく“E”のポーズ。この意思疎通ぶり、さすが超特急と8号車の絆は太い。

 そんな1万5000人の熱い想いに応えるべく、アンコールではカップリング曲「Party Maker」を待望の初披露。意味不明なストーリーで着ているTシャツを破く奇想天外なMVで話題を呼んでいたが、その映像をタカシの大ジャンプや腹筋ボーカルも含めて忠実に再現するのだから8号車も大興奮だ。開演前にカイが「全部出しきる曲なので気合入れて踊っている」と推していた曲だけあり、疲労度も超特急史上最高レベルのはずだが、ユーキは「感無量。みなさんと一緒に過ごせて超スイートな1日でした」と満面の笑顔。リョウガも「“キツイ”の3文字で締めくくれるくらいですが、そのぶん楽しいというのがライブの不思議なところ。身を削るほど、魂を削るほど楽しいんです」と伝え、なるほど、それが『Sweetest Battlefield』というツアータイトルの真の意味だったのだと気づかされる。新たな道を切り拓くのは困難がつきもの。しかし、そこを戦い抜くのも8号車と一緒なら、きっと極上の甘さとなるに違いない。

 ラストは「最後まで走る準備、できてますか?」と「走れ!!!!超特急」で締めくくり。メンバーと共に“超特急”ポーズを決め、隣のファンと電車ごっこで繋がる1万5000人の姿に、初日を終えて「360度8号車がいて気が抜けないステージだったけど、それが楽しくて今までにない一体感を作り出せた」と語っていたタクヤの言葉を実感させられる。終演後には10月にレギュラー番組『超特急の食べ鉄 タイ編』が放送されること、12月7日にさいたまスーパーアリーナ、12月26・27日に大阪城ホールで『GOLDEN EPOCH』(=黄金時代)と題した年末アリーナ公演が開催されることが映像告知されると、割れんばかりの大歓声が! 特にさいたまスーパーアリーナは、メンバーが以前より“2018年の目標”として掲げていた場所でもあり、気合みなぎるステージになることは確実だ。

 とはいえ、囲み取材でユースケも「何が起こるかわからないから、12月まで健康体でいよう!」と誓った通り、それまでにも超特急のスケジュールは目白押し。8月8日の8号車の日に発売される15thシングル「Jesus」については、カイいわく「カッコいいかわいい曲」で、カップリングにはメンバーで作詞した曲が収録されているとのこと。また、発売当日と翌9日の2デイズに東京国際フォーラム・ホールAで開催される主催イベント『“超”超フェス』については、「去年行った『超フェス』5デイズを凝縮して“超”の字を重ねました。今までにない超特急の姿を見せて、最高に熱い夏の思い出にしたい」と意気込みを聞かせてくれた。

 6月9日、10日の神戸ワールド記念ホールへと続く今回のツアー。神戸公演は、なんと東京公演とは全く異なるメニューとなることが予告されており、また最終日の6月10日はCDデビュー6周年の記念日ということで、大きな盛り上がりが期待できそうだ。念願かなった年末に目標を定め、今年も超特急は走り続ける。

(文/清水素子 撮影/米山三郎、冨田望、西村廣起、山下陽子)

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