スペイン・サッカー1部リーグのバルセロナを今季限りで退団した同代表MFのアンドレス・イニエスタ選手（34）が24日、J1のヴィッセル神戸に完全移籍し、都内で行われた記者会見に出席した。211社348人で、うち海外メディアは14社約20人という国内外のメディアが多数集結するなか、背番号8のユニホームを手にしたが、現在はJリーグの規程で使用できないため、チーム関係者は「決定ではない」と説明した。

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　「コンニチハ、イニエスタデス」開口一番、日本語であいさつしたイニエスタ選手。今回の移籍について「自分にとって重要なチャレンジ」と語ると「このプロジェクトの中でもう一歩前進したいと思っている。Jリーグがアジア全体に広まるように私も力を貸したいと思ってる」と、日本サッカーへの尽力を誓った。

　移籍に関して「いろんなオファーがありました。私に関心をもってくれた他のクラブにも感謝したい」。神戸を選択した理由を問われると「提示されたプロジェクトが非常に興味深かった。そして私に対して“人”として信頼を持ってくれた。それが大きかった」と明かした。

　また「私のチームメイトの人たちと一緒にプレーすることを心から楽しみにしてます。私の大好きな国です。私も、私の家族も日本の文化に慣れて、日本で過ごしていきたい」と意欲。報道陣から「日本の好きな部分は？」と質問を受けると「全部です」と白い歯をみせ「日本人もとても好きですし、一番重要なのは文化に溶け込むこと。皆さんと同じくらい国民の一員になりたい」と話すと、チームを運営する楽天・三木谷浩史会長兼社長と固い握手を交わし、最大限のパフォーマンスを約束した。

　フォトセッションでは、イニエスタ選手にバルセロナ時代から愛用する背番号8のユニホームが三木谷氏から手渡された。ただ現在、神戸では今季加入したばかりのMF三田啓貴選手が背番号8を着用する。Jリーグの『ユニホーム要項』の6条には「選手番号は事前にJリーグに登録しなければならず、シーズン途中の変更は認めないものとする」という決まりがあるため、イニエスタ選手は今シーズン8番を使用できず、チーム関係者は「（背番号8は）決定ではない」と説明した。

　ただ「特例になるのかは分からない。仮にそう（背番号8に）なったとして、それが特例になるのか、今後そう（シーズン中の背番号変更可能に）なるのかは分からない。ただ、やっぱり影響力はあるので」と今季中の“背番号8・イニエスタ”の誕生を期待していた。

■アンドレス・イニエスタ・ルハン（Andres Iniesta Lujan）
　1984年5月11日、スペイン・アルバセテ生まれ。12歳からバルセロナの下部組織「カンテラ」に所属。2002年にトップチームデビューし、16年にわたってプレー。2015年からはキャプテンを務め、昨年11月にはクラブ史上初の生涯契約を結ぶ。2010年のFIFAワールドカップ南アフリカ大会決勝では延長線で決勝点となるゴールを決め、母国を初優勝に導いた。