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ネオ四天王・的場浩司が語るVシネマ復権の展望

 2018年に芸能生活30周年を迎える俳優・的場浩司。俳優業のほか、スイーツ番長、バラエティー番組での活躍も知られているが、近年はVシネマ作品で的場原案の作品が作られるなど、精力的に活動をしている。現在、本宮泰風山口祥行中野英雄に並び“ネオ・Vシネマ四天王”とも呼ばれる的場浩司が、「これからの時代はより盛り上がる」と語るVシネマ“復権”の展望について、そして30年続けてきた芸能生活について語ってくれた。

Vシネマ文化の盛り上がりについて語った俳優・的場浩司 撮影/近藤誠司 (C)oricon ME inc.

Vシネマ文化の盛り上がりについて語った俳優・的場浩司 撮影/近藤誠司 (C)oricon ME inc.

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■役者から見て“あったらいいな”というアクション作品を作りたかった

 的場は、現在Vシネマ作品として展開している『YOKOHAMA BLACK』シリーズの生みの親。作品は、表向きは暴力団の末端組織「黒剣一家」でありながら、裏の顔はヤクザを粛清・暗殺する特殊チーム「特別高等粛清班」の人間ドラマを描く。的場は、主人公である黒剣一家の組長・龍司を演じる。このシリーズは的場が原案を作り、作品化されたものだという。

――発案のきっかけは?どういう想いで作品を作ったのでしょうか
【的場浩司】自分達が見ていて爽快なもの、若い頃見て夢中になったものをずっと作りたいと思っていたんです。従来作品とは一線を画したものを作りたい。まずはアクションがたくさんあるもの。単純なアウトロー作品ではなく、アウトローの中でもさらに暗部にいる人間を描いたら面白いんじゃないかなって思ったのがきっかけですね。

――具体的には原案としてどこまで的場さんが手掛けているのでしょうか。
【的場浩司】シノプシス(骨組み)の段階までですね。大筋を紙にまとめて、制作会社のアングルの藤原さんっていう方に間に入っていただいて、Vシネのメーカー、オールインエンタテインメントさんに話をして「じゃあやりましょう」とお返事をいただきました。その先は脚本家の方にお願いをしています。脚本も何度も何度も細かくしつこいくらいに確認して作り上げています。やっぱり、見ていただいた方に喜んでもらいたいんですよ。そこに恐ろしく時間をかけています。

――元々物語を考えたりするのはお好きだった?
【的場浩司】本は結構書いていましたし、今でも実現したい作品は沢山あります。人間には寿命があって、自分があと何本素敵な作品に巡りあえるか分からない。じゃあ、自分たちが素敵だと思う作品を自分たちで発信できたらって思うんです。その点、Vシネマは自分が発案して、面白いと思ってくださる制作陣の方々がいるので…Vシネマは演じる側と制作する側が信頼関係で結ばれていると感じますね。

■Vシネマはハリウッドと闘える、“挑戦”できるステージ

――Vシネの文化が現在のバイプレイヤーを育成してきた面もあると思います。現在、ネオ・Vシネマ四天王といわれている的場さんから見てVシネマはどのような存在でしょうか?
【的場浩司】四天王…それ、かっこいいですね(笑)。僕の中では、芝居をするうえではドラマも映画も舞台も変わらないわけです。でも僕の中では、Vシネは絶対に外せないもの。必ず、年に2本〜3本は絶対に関わりたい。ライフワークに近いですね。

――何故Vシネマに惹かれるのでしょうか?
【的場浩司】Vシネは、レンタルショップで、製作費10億かけるような大作と並べられるわけです。でも、見る方にとって、感動した、気持ちが動いた…そこに作品規模は関係ないですよね。Vシネは1本に10億なんて到底かけられない。じゃあ、ハリウッドの大作にどうやって勝つの?と、演者もスタッフも全員が知恵を絞って作っている。内容も、映像も“負けてらんねえ”って思うんですよ。Vシネはそういう“挑戦”ができるステージなんです。

■地上波では難しい過激描写ができる、自由度の高さが視聴者だけでなく、俳優側も引き付ける

――俳優の立場で見るVシネマのすごさとは?
【的場浩司】過激な描写ができることでしょうね。『YOKOHAMA BLACK』をテレビで放送できますか?ってね(笑)。映像技術も進んでいます。刀で切りつけて、血が噴き出るなんて演出は自分でもすげえなーって思いながら観ています。もうひとつ、やっぱりVシネは急いで撮らないといけないんですが、時間をかけるところはしっかり時間をかけるんです。撮影が始まる前に、黒剣一家のシーンは7〜8回、1週間くらいリハーサルをとことんやっています。

―― Vシネマの撮影では、“一発勝負(一発撮り)”の緊張感で役者の“現場力”が磨かれていくとも言われています
【的場浩司】一発勝負の緊張感もありますね。実際に現場に行ってみないと、どういう演出をするのか分からないことも。でも、僕の場合は、感情をむき出しにしてお芝居をするところは考えないですね。キャラクターと、台本と、状況が頭に入っていればおのずとできるものです。

――的場さんは「Vシネはこれから盛り上がってくる」とおっしゃっていました。地上波の規制が厳しくなってきていることと関係がありますか?
【的場浩司】演出側のやりたいことができるのがVシネマなんです。それは「すごいだろ」って技術を売りにする映像ではなくて、アウトロー作品、アクション作品…“こういう絵がほしい”っていうことが自由にできる作品がVシネマ。テレビがダメということではなく、ただ、現在はテレビでは過激な作品は作りづらい状況にあることは間違いないですよね。アクションを見たい、日本刀を振り回して戦っているものが見たい、リアルな銃撃戦が見たいってなったら、Vシネマは「できる」んですよ。

――演出の自由度の高さでネット番組の認知度が高まっている動きと似ていますね。元々Vシネはスクリーンでできないこともできる自由度が高いものでした。現在のネット動画文化とも親和性が高いと思います。
【的場浩司】そういう意味でも、Vシネマは絶対これから盛り上がると思っています。Vシネじゃないと観られない物語やシーンは本当に沢山ある。今までVシネに手を伸ばさなかった女性や若い世代の方に届けたいですね。

■人にどう思われても構わない、30年の活躍は「自分が面白いと思ったことの積み重ね」

――芸能生活30周年になりますね。役者として、スイーツ番長として、バラエティー番組など、的場さんは人によってイメージが異なると思います。どんな30年間でしたか?
【的場浩司】30年って考えると長いものですが、あっという間だったなっていうのが率直な気持ち
です。当初は、意固地になるくらいバラエティー番組は出たくないと思っていましたが、今はまったく抵抗はないですね。たぶん、意識が変わったんです。芝居だけでなく、バラエティーも独自の面白さがある。興味を持ったものすべてに絡んでいきたいんです。

――意識が変わるきっかけがあったんでしょうか?
【的場浩司】バラエティーやトーク番組に出ることによって、“自分の考え”を発信できると思ったんです。旅番組など、僕発信で実現した番組もありましたし、バラエティーは企画から絡んでいるものもいくつかありました。なんとなく発信したいことがあるとき、そういう巡り合いが重なった結果、“垣根”を作るのは辞めようと思ったんです。

――硬派なイメージに固執しているわけではないんですね
【的場浩司】僕は、人にどう思われても構わない。自分のことをかっこ悪いと思う生き方をしたくないだけ。バラエティーでどこまで素の自分が見えているのかは分かりませんが、見ている人に楽しんでもらいたいっていう気持ちでやっています。

――30年続けてきた秘訣は何でしょうか?
【的場浩司】難しいですね…。僕は、雲の外は青い空、“雲外蒼天”っていう言葉が大好きで。僕は作品に入るまでは結構苦しむタイプなんです。突き詰めて役作りをして苦しんで、すごくもがいているんです。いつかそこから出た時に、青い空が広がっているなって思いたい。そう思って続けて来ました。そしてこれからも、映画、舞台、ドラマ、Vシネ…芝居を愛してくださる方がもっともっと世に増えてくれればいいなと思っています。

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