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真剣ゆえにぶつかり合うことも、DVDが急上昇・関ジャニ∞ライブの魅力

 15日、渋谷すばるが脱退することを発表した関ジャニ∞。その最新ライブDVD&Blu-ray『関ジャニ’sエイターテインメント ジャム』が、それぞれ4月15日付オリコンデイリーDVDならびにBlu-ray Discランキングで5位に。さらに翌16日付では、デイリー1位に急上昇した。これまでも歴代記録を樹立するなど、関ジャニ∞はライブ映像作品の人気が高かった。それほどまでに「観たい」と思わせる、彼らのライブの魅力はどこにあるのだろうか?

5大ドームツアー『関ジャニ'sエイターテインメント GR8EST』は7月15日にスタート

5大ドームツアー『関ジャニ'sエイターテインメント GR8EST』は7月15日にスタート

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◆総売上380万枚超え、最新ライブ映像作品がデイリー1位に

 DVD&Blu-ray『関ジャニ’sエイターテインメント ジャム』は、2017年の5大ドームツアー最終日、福岡ヤフオク!ドーム公演を映像化した作品。3月7日に発売された本作は、4月15日付のオリコンデイリーDVDならびにBlu-rayランキングで各0.1万枚を売り上げ、それぞれ5位にランクアップ。翌日の16日付ではついにデイリー1位に急上昇。会見前日の14日付ではDVDは40位、Blu-ray は61位だった。渋谷の脱退報道を受け、“7人の関ジャニ∞”による最後のライブ映像を手元に残しておきたい、あらためて観てみたい、という人が多かったのではないかと思われる。

 関ジャニ∞のDVD&Blu-ray作品(音楽作品)の総売上は380万枚を超えており、もともと人気が高かった。ほかにも「Blu-ray Disc首位連続獲得作品数」歴代1位(10作)、「DVD&Blu-ray Disc同時首位連続獲得作品数」歴代1位(10作)、「ミュージックDVD&Blu-ray Disc首位通算獲得作品数」歴代1位タイ(Perfumeと並びの8作)、「DVD首位通算獲得作品数」歴代2位(16作。1位はの18作)と、そうそうたる記録を保持している。

◆1,000席ほどの松竹座公演の経験が生んだ、関ジャニ∞のライブの魅力とは?

 もちろん映像作品だけでなく、6年連続で5大ドームツアーを行うなど動員も好調。なぜ彼らのライブはこれほどまでに「観たい」、「参加したい」と思われるのだろうか。

 それは、昔から関ジャニ∞がライブを大切にしてきたからこそといえる。関西ジャニーズJr.時代からデビュー後の2005年にかけて、1,000席ほどの劇場・大阪松竹座で公演を続けていた時期は、なかなか埋まらない客席を埋めるために考え抜き、ライブの重要性を身に染みて知った。2007年には47都道府県すべてを回る全国ツアーを決行。これはジャニーズでも初の試みであり、関ジャニ∞がいかにファンとの触れ合いを大切にしてきたかを物語っている。

 そんな彼らは、様々な要素をライブに取り込んできた。今回、脱退を表明した渋谷も以前、「関ジャニ∞はバンドが武器やけど、バンドだけじゃないことが一番の武器。バンドやるわ、コントやるわ、踊るわ。いろんな見せ方ができる」(エンタメ誌『オリ★スタ』より)と、自信をみなぎらせていた。

◆「バンド部分を柱にして決める」、さらに笑いの要素も

 関ジャニ∞らしい要素のひとつに、バンド演奏がある。横山裕が、「ツアーのセットリストはいつもバンド部分を柱にして決める」(同)と語っていたように、バンドは関ジャニ∞のライブの核。デビュー前からバンドを組んでいた渋谷らを中心に、練習を重ねて楽器演奏ができるようになった村上信五や横山裕、全員ががむしゃらに音楽に向き合う。その姿を生でじっくり観られるのも、ライブならではの醍醐味だ。

 「無責任ヒーロー」や「ズッコケ男道」など、ノリが良く、観客も振りや掛け声で参加できる楽曲も多い。ドームなどの広大な会場でも、それらの曲が流れれば会場は一気にひとつに。その勢いと一体感はメンバーの煽りもあいまってヒートアップし、観客が忘れられない興奮を作る。一方、テレビではなかなか観られないクールなダンス、渋谷をはじめとしたメンバーの歌唱力、趣向を凝らしたユニット曲など、音楽面だけでもライブでしか味わえない魅力が多い。

 さらに、彼らのライブの魅力は音楽だけではない。戦隊モノをパロディ化した“エイトレンジャー”は、松竹座時代にお客さんを盛り上げようと考えたコント。横山を中心に自ら構成を考えた寸劇は、デビュー後も続き、ツアーごとにストーリーも変えながら笑いと感動を呼んできた。そんなエイトレンジャーは、堤幸彦監督の手により二度の映画化がされている。最近のライブで観ることはなかなかできないが、それがなくとも、自由で気取らない7人のMCはつねに爆笑を生み、観客を楽しませてきた。

◆真剣に話し合うからこそ、「意見が分かれて若干ピリついた」

 関ジャニ∞のライブの成り立ちを安田章大は、「松竹座時代に他の人の曲をいっぱいやらせてもらいながら、コントもやりつつ、ジャニーズやからダンスも一生懸命やらないと。音楽が好きだからバンドもやるようになって。それがいつの間にか定着して、こういう形にたどりついたんです」(同)と語っている。

 音楽も笑いも、持てる力をすべて注ぎ込み、いかに観客を楽しませ盛り上げるか。そんなふうに向き合うむき出しの感情を見ることができるのも、関ジャニ∞のライブ。錦戸亮は、以前こう語っている。「セットリスト選定で意見が分かれて若干ピリついたりしながら、進めています。真剣に話し合いつつ、終わったときには大体みんなで笑っていますから」(同)と。真剣だからぶつかり合う。関ジャニ∞自身もまた、ライブをやるほどに絆を深めてきたのだろう。

 ライブで育まれた体力と実力が、現在の関ジャニ∞を作っている。そして、そんな過程や魅力が刻まれているからこそ、彼らのライブ映像は多くの人々から望まれてきたのだろう。夏の5大ドームツアー『関ジャニ'sエイターテインメント GR8EST』では、もう7人のステージを観ることはできない。だからこそ、せめて映像を手元においておきたい。今回のランクアップには、そんなファンたちの切実な想いが反映されているように思う。

 15日の会見で、村上は渋谷不在の5大ドームツアーについて、「僕らなりにベストを尽くして考えて皆さんに届けたときに、きちんと6人でもやっていけるんだという姿を提示できるのが最善」と語っていた。新たにスタートを切ることになった関ジャニ∞。きっとまた6人で、さらなる魅力を届けてくれることだろう。
(文:今 泉)

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