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女優転向でぶつかる壁 “モデル経由“と“アイドル経由“での明確な違いとは?

 波瑠桐谷美玲本田翼佐々木希。そして、篠原涼子永作博美菅野美穂満島ひかり…。いずれも今をときめく人気女優だが、前者は「モデル出身」で、後者は「アイドル出身」である。どちらの経由も女優へのステップとしては“王道”だが、最近はアイドル出身が批判の対象となりやすい傾向にあるようだ。「別の職業」を経由して女優化する場合、それぞれのメリット・デメリットとは?

■男性ファンが占めるアイドル経由、対して同性ファンを抱えるモデル経由は初期アドバンテージが
 
 一般にモデルに対するイメージは、「キレイ」「スタイルがよい」「背が高い」といったところだろうか。立っているだけで“絵”になり、常に人に見られている仕事であるため自分の見せ方にも長け、同世代の同性からもファッションリーダーとして憧れられる存在である。こうしたモデルの“自らの魅力で大衆を引っ張る”という部分は、ファンのほとんどが異性(男性)であるアイドルに比べれば、女優として大きなアドバンテージにもなるだろう。

 また、基本的に活動拠点がファッション雑誌のためテレビへの露出が少なく、個人のキャラクターの印象がつきにくいので、視聴者も固定の先入観を抱かずにすみ、女優としては演じる役の幅が広げやすい。一般的な知名度は低く演技力も未知数のため、いきなり主演級の役に抜擢されることはほとんどない。しかし、そのぶんプレッシャーも少なくてすむので、自分なりのポジションを模索しながら徐々にステップアップしていくことができ、“元モデル”という肩書きからスムーズに“女優”へと移行することができるというメリットもありそうだ。

■アイドル出身女優は、知名度の高さ・華々しいデビューが逆に足かせに?

 一方、アイドルの活動はテレビ出演が多く、一般的知名度はモデルに比べればはるかに高い。女優デビューともなれば、「あのアイドルが女優に!」と話題にもなり“数字”が見込めるため、いきなり主演級に抜擢されることもあるだろう。ただ、つけ焼き刃の演技で実力がともなってないと、「しょせんアイドル」などとバッシングされ、アイドルを“売り”にしたぶん余計に評価が下がってしまう可能性もある。以後、そのまま“元アイドル”という肩書きがついて回り、なかなか自分の立ち位置を見出せないということにもなりかねない。

 そう考えると、元モデルより華々しいデビューを飾ることはできるかもしれないが、“国民的アイドル”がすんなりと“国民的女優”になれるわけでもなく、女優としてアイドル時代以上の活躍を見せることはなかなか難しいと言えるかもしれない。

 だが、後に女優として確固たる地位を築いているのはモデル出身よりもアイドル出身のほうが多いのではないだろうか。たとえば、篠原涼子(元TPD=東京パフォーマンスドール)や永作博美(元ribbon)、満島ひかり(元Folder5)、菅野美穂(元桜っ子クラブさくら組)らは、れっきとしたアイドル出身女優。だが、いまや彼女たちに元アイドル時代の印象を持っている人は、若い世代ではほとんどいないだろう。

 実際、元TPDやribbon、桜っ子クラブさくら組と言っても、当時はアイドル冬の時代のど真ん中。知名度ももともと高いとは言えず、彼女ら実力派女優たちにしても、“元アイドル色”がほとんど着かぬまま女優業へと転身できたという背景もある。とは言え、たとえば篠原涼子は、元アイドル→元バラエティタレント(フジテレビ系『ダウンタウンのごっつええ感じ』に出演)→元ダブルミリオン歌手等々、さまざまな経験を積んだ果ての女優デビューだったわけで、その経験が見事に演技にも反映され、今では女性からも高い支持を得る人気女優となったのである。

■モデルやアイドルを経由しても“新人女優” 成功のカギは”過去の肩書を払拭できるか”にあり

 こうして見ると、最初から女優を目指す“純・女優”が貴重な存在にも思えるが、純・女優よりも元アイドルや元モデルの肩書きがあったほうが、女優への間口が広いのは事実。ただ、それぞれに“壁”がある。元アイドルには、主演クラスで女優デビューできるという“飛び級”のアドバンテージはあるが、実力や視聴率いかんでは、過去の肩書きにすがっている感がつきまとう“アイドルの壁”がある。また、元モデルにも色に染まってないぶん、高いビジュアルを武器に様々な役にチャレンジできるというメリットがあるが、やはり実力がともなわなければ、他のモデルでも替えは効くし、あっという間に消えてしまうという“モデルの壁”があるというわけだ。

 モデル出身女優で言えば、今いちばん勢いがあるひとりに菜々緒がいる。4月期からは、ついに初の主演ドラマ『Missデビル 人事の悪魔・椿眞子』(日本テレビ系)が放送されるが、女優デビュー当初の菜々緒は、9頭身を誇るその圧倒的なビジュアルのよさばかりがクローズアップされた。役柄としてもまさに“THEモデル”の延長のような役ばかりで、何となく場を賑わせるという時代が長く続いたが、“悪女”というハマり役を得ると、さらに演技力が求められる役も演じるようになり、ついには主演女優にまで上り詰めたのである。

 つまり、“モデル”や“アイドル”の延長では、女優としての立ち位置を確立したとは言い難い。活動初期であれば、若さやビジュアル、それまでの人気度・認知度でも戦えるだろうが、それから先は、アイドル出身の篠原涼子やモデル出身の菜々緒の例を見るまでもなく、短期決戦より長期決戦、女優へ転身することへの覚悟と気概が求められる。そういう意味では、世間に“元◯◯”と認知されている間は、まだ女優としては過渡期であり、過去の肩書を完全に払拭した時こそ、真の意味で女優としての立ち位置を確立した瞬間と言えるのかもしれない。



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