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民放4月改編、各局で見られる「視聴習慣の促進」を狙う動き

 民放各局の18年4月期の編成方針が発表された。視聴率トップの日本テレビはほぼ無改編、TBSもプライムの改編率は10%台、テレビ朝日においても枠移行が中心となる。テレビ東京、フジテレビもプライムの改編率は20%台。小幅が目立つ改編である。

日本テレビは、00年10月期以来となる2期連続のプライム帯無改編となる(C)ORICON NewS inc.

日本テレビは、00年10月期以来となる2期連続のプライム帯無改編となる(C)ORICON NewS inc.

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◆レギュラー強化の日テレ&TBS、大型エンタメ枠を復活させるテレ朝

 注目は日テレのほぼ無改編。00年10月期以来となる2期連続で、ドラマ枠・ミニ枠を除くプライム帯無改編となる。その狙いは、編成方針の「生活者ファーストの徹底〜ライフスタイルに寄り添うテレビ」から読み取れる。

 「変わりつつある生活者の生活様式に寄り添って、今のテレビにどんな情報や番組を求めているのか、とことん生活者の視点に立った番組編成を目指す」とするコンセプトの背景には、60 年以上にわたって続いたCM の取引指標が4月から世帯視聴率から個人視聴率に変更される状況がある。こうした過渡期だからこそ、既存のレギュラー番組の強化を徹底することで、視聴習慣を促進していくという。

 10年ぶりにゴールデン帯民放2位に返り咲いたTBSも「ひたむきに、改革の手をまだまだ止
めない」と謳うも、改編率の上ではプライム帯15.0 %、ゴールデン9.05%と小幅だ。日曜劇場をはじめとするドラマを筆頭に、バラエティ、情報系の枠が揃って安定的に好調に推移していることが、変えない理由として大きい。

 また、開局60周年に向けここのところ挑戦的な改革を進めてきたテレビ朝日は、1年前に新設した『サンデーステーション』を夕方枠に移行し、大型エンタテインメント枠「日曜プライム」を復活させる形を取った。それには、「日曜日の夜はゆっくり視聴できるストーリー系のニーズが高かったことから」と説明する。

 テレビ朝日と同じくプライムの改編率が約23%のテレビ東京も、引き続き「テレ東らしく」と独自路線を貫きながら視聴習慣を意識し、月曜〜木曜の22時台に経済ゾーンを固める改編が特徴となる。

 民放キー5局のなかで最も改編率が高いフジテレビは、「変わる、フジ。変える、フジ」とシンプルなコピーを掲げ、長年続いたバラエティを終了。『林修のニッポンドリル』、『直撃!シンソウ坂上』などの新企画を開始する。

◆ドラマは枠のイメージ重視、日曜夜と朝帯の新たな争いにも注目

 各局の新作ドラマも定着する枠のイメージを重視した傾向が強い。TBSの日曜劇場は、同枠初主演となる二宮和也を迎えて医療ドラマ『ブラックペアン』、大人の女性向けを意識した金曜ドラマは、中谷美紀主演の『あなたには帰る家がある』、恋愛色の強い火曜ドラマは、『花より男子』の新章となる『花のち晴れ』を送る。

 また日テレの水曜ドラマは、吉高由里子を主演にお仕事系の『正義のセ』を投入、企画性の高い土曜ドラマは、菜々緒主演の『Miss デビル』が始まる。テレビ朝日は12年間続いた『9 係』の伝統はそのままに新装した『特捜9』、波瑠鈴木京香がバディを組む『未解決の女』など、得意の刑事ものを揃えた。

 配役重視のフジテレビは、月9枠で古沢良太脚本、長澤まさみ主演の痛快コメディ『コンフィデンスマンJP』、木曜劇場はディーン・フジオカ主演『モンテ・クリスト伯』など。テレビ東京は7シーズン目となる松重豊主演の『孤独のグルメ』などで、「もっとテレ東らしく」の改編テーマ通りのラインアップだ。

 一方、各局の攻めどころは日曜日にある。日テレが圧倒的な強さを見せているが、先の通りテレビ朝日は枠移行した報道とエンタメで勝負し、TBSは『坂上&指原のつぶれない店』をレギュラー化させて日曜20時に編成、テレビ東京は日曜21時に『池上彰の現代史を歩く』をレギュラーで開始。また放送する度に話題を呼んでいる『緊急SOS 池の水ぜんぶ抜く大作戦』を「日曜ビッグバラエティ」枠で毎月1回放送していく。

 視聴習慣が最も顕著に表れる朝帯は、NHK『あさイチ』の司会が博多華丸・大吉近江友里恵アナにバトンタッチすることで、各局朝のワイドショーの新たな争いが密かに始まりそうである。

 こうした視聴者を裏切らない編成と各局の話題作りが、共通の課題であるテレビ離れの抑止策にもなっていきそうだ。

文/長谷川朋子

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  • 日本テレビは、00年10月期以来となる2期連続のプライム帯無改編となる(C)ORICON NewS inc.
  • 民放5局の改編率の推移(17年10月/18年4月)

提供元:CONFIDENCE

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