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黒澤明監督『生きる』初ミュージカル化が決定 市村正親&鹿賀丈史がWキャスト

 日本の映画史上、世界にもっとも影響力のある映画監督・黒澤明氏が、1952年に発表した代表作『生きる』を、世界で初めてミュージカル化することが19日、明らかになった。2018年は、黒澤監督が亡くなってから20年目の年。同作は「黒澤明 没後20年記念作品」として上演する。

ミュージカル『生きる』でW主演を務める市村正親(左)&鹿賀丈史

ミュージカル『生きる』でW主演を務める市村正親(左)&鹿賀丈史

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 物語は、役所の市民課に30年勤め、まもなく60歳で定年を迎えようとしている市民課長の渡辺勘治が、当時、不治の病とされていた胃がんになり余命がわずかだと知る。あまり時間が残されていないことを知った渡辺は、これまでの人生を考えて苦悩しつつも、公僕としての自分の仕事に目覚め、人間として自分は何をすべきか「本当に生きる」ことの意味を見つけていく。

 今作で、主人公・渡辺を俳優の市村正親(69)と鹿賀丈史(67)がダブルキャストで交互に演じ、演出を手がけるのは、日本を代表する演出家の宮本亜門(60)。音楽は、今もなお全米で愛されるブロードウェイ・ミュージカル『若草物語』の作曲家、ジェイソン・ホーランド氏が務め、脚本・歌詞は、ディズニーアニメ『アナと雪の女王』の翻訳・訳詞を手がけた日本屈指のミュージカル作家、高橋知伽江氏が担当する。

 「黒澤監督の映画『生きる』をミュージカルにすると最初に聞いたときは、非常に目のつけどころが面白いと感じました」と話す市村は「今回の物語の中で、主人公が、生まれて初めて夜の街を遊んでまわるシーンがありますが、亜門さんのアイデアが存分に発揮されて楽しいシーンになるのではと、今から楽しみです。僕自身も含めて、お客さんに『生きる』エネルギーを与えられたらいいなと思います」とメッセージ。

 鹿賀は「この映画は、自分が2歳のときの作品です。今回、改めて映画を観ましたが、ミュージカルになる要素がたくさん含まれていることに気がつきました。黒澤監督もすごいタイトルをつけたと思いますが、『生きる』という意味を真剣にとらえて、お客さんに届けたいと思います」と力を込め「海外生まれの作品を40年以上演じてきましたが、とうとう日本から世界へ作品を発信する時代が来たと思うと感慨深く、長くこの仕事を続けてきて良かったと思います」とコメントしている。

 演出の宮本氏は「『世界のクロサワ』の作品であり、しかも名作『生きる』の初舞台化ができることはこの上ない名誉です」といい「以前、お仕事をご一緒したことがある市村さん、鹿賀さん。舞台にとても真摯に向き合うお二人が、余命少ない主役をそれぞれ違った個性で演じ、それを私が演出できると思うと身震いします」。

 「あと数日しか生きられないと宣告された時、人はその時、何を考え、何を知るのか。『生きる』ということを深く、またはユーモラスに展開する、ミュージカル版『生きる』。映画とは違う感動をお届けできるよう尽力します」と意気込んでいる。

 黒澤明没後20年記念作品ミュージカル『生きる』は、東京・TBS赤坂ACTシアターで10月に上演。

■黒澤明氏(1910-1998)       
日本の映画監督、脚本家。代表作に『七人の侍』『生きる』『羅生門』『用心棒』『乱』など。30本の作品を残し、ダイナミックな映像表現とヒューマニズムに徹した作風で、「世界のクロサワ」として世界中の映画ファンを魅了する。日本人として初めてアカデミー賞名誉賞(1990年)を受賞。スティーヴン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカス、北野武など、数多くの映画人が黒澤から影響を受けたことを公言している。

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  • ミュージカル『生きる』でW主演を務める市村正親(左)&鹿賀丈史
  • 黒澤明(C)黒澤プロダクション
  • 演出を務める宮本亜門氏
  • ミュージカル『生きる』ロゴ
  • ミュージカル『生きる』ロゴ
  • 黒澤明(カメラ)(C)黒澤プロダクション
  • 『生きる』DVDパッケージ(C)TOHO CO.,LTD.

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