アニメ&ゲーム カテゴリ
ORICON NEWS

楳図かずお氏『わたしは真悟』仏・アングレーム漫画祭で「遺産賞」を受賞

 フランス・アングレームで現地時間25日〜28日に開催された、「漫画におけるカンヌ」とも言われる『第45回アングレーム国際漫画フェスティバル』(Festival International de la Bande Dessinee)で、日本の漫画家・楳図かずお氏の『わたしは真悟』(『Je suis Shingo』)が、「遺産賞」(PRIX DUPATRIMOINE)を受賞した。この知らせを受けて楳図氏は次のようにコメントを寄せている。

フランス・アングレームで開催中の世界有数の漫画祭『第45回アングレーム国際漫画フェスティバル』で「遺産賞」を受賞した楳図かずお氏の『わたしは真悟』より(C)楳図かずお/小学館

フランス・アングレームで開催中の世界有数の漫画祭『第45回アングレーム国際漫画フェスティバル』で「遺産賞」を受賞した楳図かずお氏の『わたしは真悟』より(C)楳図かずお/小学館

写真ページを見る

【写真】その他の写真を見る


 「賞をいただくのは小学館漫画賞が最初で、今回が2度目の出来事です。それも、漫画を芸術として愛するフランスからです。『トレ ゾホ!!(TRES HEUREUX)』、とてもうれしいです!! これです!! これをきっかけとして、このあと楽しい企画がぞくぞく続く予感がして、とても幸せな気分です。見守ってくださった皆様!! ありがとうございました」

 この賞は、アングレーム国際漫画フェスティバルで、遺産として永久に残すべき作品と認められた漫画に与えられるもの。日本の作家の作品としては、2009年に水木しげる氏の『総員玉砕せよ!』(『Onward Towards Our Noble Deaths』)、2017年に上村一夫氏の『離婚倶楽部』(『Le Club des divorces』)につづき3作目。

 『わたしは真悟』は1982年から86 年まで、『週刊ビッグコミックスピリッツ』(小学館)に連載され、人気を博した。悟(さとる)と真鈴(まりん)という少年・少女から、パソコンを通じて言葉を教え込まれた産業ロボットが意識をもちはじめ暴走、世界をつなぐネットワークを通じ、その力を爆発させてゆく…。2020 年代へと向かう今の世界を予見し、さらにその先の未来を透視する記念碑的作品
で、現在は文庫版と電子版が発売されている。2017年初頭には、フランスの巨匠舞台演出家フィリップ・ドゥクフレ氏の演出、高畑充希門脇麦主演により、ミュージカル舞台化された。さらにフランスにおいて17年より翻訳版が出版開始され、大きな話題となるとともに高い評価を得て、今回の受賞となった。

■アングレーム国際漫画フェスティバルについて

 毎年、フランス南西にあるアングレーム市で開催される、世界有数のコミックイベント。1972年に創立され、2018年1月に第45回を開催する伝統のイベントで、カンヌが映画祭の町で知られるように、アングレームはコミックの町として知られている。フェスティバル期間中は、町全体がコミック一色になり、教会、博物館、市役所など中心部のほぼすべての公共施設が展覧会やイベントの舞台となる。長い歴史のなかで一大文化イベントとして定着しており、学校遠足で参加する子どもたちのグループも多数いる。メディアへの影響も大きく、フェスティバルで出展、受賞した作品や作者には、フランス全土のみならず、世界中のメディアから注目が集まることもある。

関連写真

  • フランス・アングレームで開催中の世界有数の漫画祭『第45回アングレーム国際漫画フェスティバル』で「遺産賞」を受賞した楳図かずお氏の『わたしは真悟』より(C)楳図かずお/小学館
  • 『わたしは真悟』第1集、フランス語版表紙

オリコントピックス

あなたにおすすめの記事

 を検索