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野沢直子が書く“唯一無二の家族”への深い愛情 育児本としても反響呼ぶ

 1980年代に多数のテレビ番組で活躍しながら、91年に人気絶頂のまま突然活動休止を発表して単身渡米、そして現地で米国人男性と結婚して3児の母となったお笑いタレント・野沢直子(54)。それ以降は年に1〜2度里帰りしてテレビや舞台に出演してきたが、今年9月放送のTBS系『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』では、2015年に亡くなった父の死後に発覚した隠し子=実の妹に会うためタイに向かい、対面を果たしたシーンでは多くの感動を呼んだ。

野沢直子 (C)ORICON NewS inc.

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 そんな野沢が、54歳にして妹の存在を知るきっかけとなったエピソードや、家族の思い出を記した著書『笑うお葬式』(文藝春秋)を刊行した。家族を大いに振り回した父の破天荒な魅力、そんな父をずっと支えてきた母、格闘家として活躍する自身の娘との向き合い方、そして54歳にして初めて存在を知ったタイの妹との対面の心境など、深い親子愛にあふれる作品となっている。大みそかに『RIZIN』のリングに立つ娘の真珠・オークライヤーの応援のために来日した野沢に、話を聞いてみた。

■父の死去後に隠し子が発覚「生きている時に知ったら、ケンカになったかも…」

 この本は出版を目指して書き始めたものではなく、2015年に父が亡くなってから少し経って自分の記録用に書いたもので、発表する予定はなかったんです。元々書くことは好きで、タイに妹がいるという事実を自分でも整理したくて、その時に思ったことや考えを残すために書いていました。それをしばらく放置していて、今年に芸人のエッセイや短編小説を集めたムック本に出してみたところ、出版社の方から『一冊の本にしましょう』と提案されて、足りない分を加筆して書き上げました。

 家族のことを明かす恥ずかしさは、まったくなかったですね。私が小さいころの話は客観的に考えて面白い話ばっかりだし、タイにもう一つの家族があったっていうのも、父らしい。書けないくらいもっとヒドい話もあったんですけどね(笑)。タイの妹に会いに行ったときは、うれしい気持ちもあったけど、自分たちの家族写真とおなじような構図で父がタイの家族と撮った写真を見たり、私のアルバムと同じようなものを妹も持っているのを知って、少し複雑な気持ちにもなりました。

 でも、向こうの家族は私のことを知っていて、初めて会ったときから喜んでくれたし、私も父が亡くなった後に存在を知ったから、受け入れることができたかな。生きている時に知ったら、ケンカになってギクシャクしていたと思います。私がもっと若い時だったら拒絶反応があったかもしれないけど、もう大人というかババアなので(笑)。

 この本を天国の父と母が読んだら、どう思うかな。母はタイに家族がいたことに驚くでしょうけど、父の信者のような人だったので、楽しんで読んでくれるんじゃないかな。父には「全部書くなよ〜」とか言われそうだけど、「全部あなたの話でしょ」って言い返します(笑)。

 書くことは好きなので、また書きたいことがあれば本を出したいですね。エッセイなのか小説なのか、具体的には何も決めていないけど、この本の出版社(文藝春秋)は、又吉(直樹)くんの『火花』を出したところなので、いずれチャンスをいただけたらと思っています。

■格闘家の道を選んだ娘を応援 “大みそかTVバトル”に「変な縁を感じちゃいますね」

 この本は自分の子供のことも書いているのですが、読者の方から「育児本としても参考になった」という反響をたくさんいただきまして、そういう狙いはまったくなかったので私も出版社の人も驚いています。私の父のエピソードが破天荒すぎて、読み物としては面白いけどそっちには共感はできなかったのかな(笑)。私がテレビに出ていたのを小さいころに見てくれていた人たちが、いまは子育て世代になっているから、感情移入してくれているのかもしれないですね。

 格闘家としての道を歩み始めた娘ですが、親として試合前はいつもドキドキです。逆に娘は試合前にはまったく緊張していなくて、リングや金網に入るとアドレナリン全開でうれしそうな表情になるくらい。大きな声を出して応援したいのですが、娘は私の声が聞こえると気になっちゃうみたいで、いつも声を出さずにエア応援です(笑)。息子のサッカーを見に行った時も、ルールが良くわからないからゴールから遠いところでも「シュート!シュート!」って叫んでたら、息子からもコーチからも声を出すなって注意されました(笑)。

 娘から格闘家になりたいと言われた時、驚いたけど反対はしませんでした。思春期に誰もが通る「自分は何者で、何ができるか」「自分が輝くために何をすべきか」ということを悩みに向き合って見つけた出した道だし、自分もお笑い芸人というちょっと普通じゃない道に進んだので、娘の決断が自分とフラッシュバックしました。闘いの世界に躊躇なく飛び込んだ決断力や勇気は本当にスゴいと思うし、母親としてはそんな娘を一生懸命に応援してあげるだけです。そんな風に育てた覚えはないんですけどね(笑)。

 娘は今年2月のデビュー戦で格上の相手にいきなり勝って、すぐに日本でもチャンスをいただいて、あっという間に大みそかの大きいリングで闘うことになって。この1年の間に猛スピードで状況が変わって、娘もプレッシャーは感じているとは思うけど、大みそかの大会や会場にリスペクトを持ちながら、試合を楽しみたいという意気込みを感じました。自分では客観的に見られないですけど、娘のお祭り好きなところとか「お母さん譲りの度胸だね」って言われます。

 大みそかつながりでいうと、フジテレビの『夢で逢えたら』(88〜91年に放送された深夜バラエティー)で共演していたウッチャンがNHKの『紅白歌合戦』の総合司会をやって、ダウンタウンの2人が日テレの『ガキの使いSP』でお尻を叩かれて、私はフジテレビの『RIZIN』で娘の応援をする。30年近く前の番組だけど、なんだか変な縁を感じちゃいますね(笑)。

◆野沢直子(のざわ・なおこ)
1963年東京都生まれ。高校時代にテレビデビューし、叔父で声優・演出家の野沢那智の仲介で吉本興業に入社。テレビ『夢で逢えたら』『クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!』などで人気に。91年に芸能活動を休止し、結婚後サンフランシスコに移住。現在は1年に数回帰国し、出稼ぎ芸人を自称。著書に『アップリケ』がある

関連写真

  • 野沢直子 (C)ORICON NewS inc.
  • 出版した『笑うお葬式』をアピールした野沢直子 (C)ORICON NewS inc.
  • インタビューに応じた野沢直子 (C)ORICON NewS inc.
  • 『笑うお葬式』を刊行した野沢直子 (C)ORICON NewS inc.
  • 野沢直子・著『笑うお葬式』

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