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『M-1』惨敗もキャラでブレイクできるか 異色男女&“公開処刑”の最下位コンビ

 お笑いコンビ・とろサーモンが、ラストイヤーにして初決勝進出、そして優勝というドラマチックな展開で幕を閉じた『M-1グランプリ2017』(ABC・テレビ朝日系)。今年で13回目となった漫才日本一を決める“祭典”では、優勝者はもちろんのこと、決勝で大きなインパクトを残した芸人たちも大いに注目される。今年の『M-1』で鮮烈な印象を残した“来年のブレイク候補”2組を振り返る。

(左から)ゆにばーす、マヂカルラブリー (C)ORICON NewS inc.

(左から)ゆにばーす、マヂカルラブリー (C)ORICON NewS inc.

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■トップバッターの重圧を跳ね除けたゆにばーす 審査員の博多大吉も度胸を絶賛

 まずは、今年からネタ披露の順番が直前の抽選で決まるという新ルールが採用されたことで、例年以上に注目が集まったトップバッターを務めた、男女コンビ・ゆにばーす。決勝進出の会見で「にゃんこスターと違って、ウチはビジネスパートナー」という言葉に代表されるように、ツッコミの川瀬名人はその尖りに尖ったキャラクターが特徴。 漫才がブレるからとの理由でバラエティー番組への出演を控えるほどストイックだったが、そのキャラが“天下の悪ノリ番組”ことテレビ東京バラエティー『ゴッドタン』に見つかり、「ゆにばーす川瀬名人で30分」という企画が放送された。

 尊敬していた三四郎の小宮浩信が、バラエティーに進出していくことで「面白さが失われた」とガチでダメ出しするなど、存分に持ち味を発揮した。『M-1』にかける思いも人一倍強く、甲子園に挑む高校球児ばりの勢いで「優勝したら漫才師を引退する」と公言するほど切れ味の鋭さを放っていた。

 一方、相方のはらは、ガラガラ声とそのほんわかしたキャラクターが川瀬と好対照で、本番前から2人が大舞台で化学反応を起こすのではないかと期待されていた。トップバッターというハンデがありながら、男女コンビということをうまく利用した「2人で泊まるホテルが相部屋だったら」という設定の漫才を堂々と披露。最終的に10組中8位に終わったが、松本人志の「終わりが斬新で面白かった。スゴい」という寸評をはじめ、審査員の評価も上々だった。

 審査員だった博多大吉もラジオの配信番組で、2015年の『M-1』で世間に注目され、一気にブレイクしたメイプル超合金を引き合いに出し、ゆにばーすを絶賛。同じ男女コンビとして、メイプルと同じような飛躍が期待される。

上沼恵美子に酷評された最下位コンビは、早くも持ちネタに「記事になる最下位になれた!」

 ネクストブレイク2組目として挙げたいのが、審査員全員から唯一80点台をつけられて最下位となったマヂカルラブリー。07年大会から『M-1』予選に出場を続けており、7度目の挑戦で初めて決勝の切符をつかんだ。動きが多く、コントのような世界観で繰り広げられる漫才はインパクトも大きいかと思われたが、本番では今ひとつ伸びきれない印象を与えてしまった。審査員からも厳しい声が相次ぎ、松本人志が「『M-1』録画してきたんですけど、ここはスキップします」とバッサリ。最も低い83点をつけた上沼恵美子は、さらに辛口だった。

 「好感度上げたかったら審査員としていい点数をあげればいいと思うんですけど、私たちも本気で(決勝に)臨んでいるんで、本気で言います。一生懸命頑張っているのはわかるけど、好みではない。よう決勝残ったなと思って…」。ネット上を中心にさながら“公開処刑”との言葉が並んだが、もちろんこれは上沼流の愛情だろう。大吉も先の配信番組で「最後、上沼さんに絡んでもらって良かったやん、あれがなかったら芸人としては終わっているよ。だって、愛がないとノーコメントでしょ。松本さんのコメントも愛がある。僕振られていたら、変にほめていたと思うから、話を振られんでよかった(笑)」。

 これで思い出されるのが、昨年の『M-1』で上沼から81点と厳しく評価されながら、今年一気に大ブレイクを果たしたカミナリだ。多数のバラエティーに引っ張りだこで、7日に発表された『2017タレント番組出演本数ランキング』で、昨年と比較して番組出演本数を最も増加させた『2017ブレイクタレント』の1位に輝いた。さらに今年の『M-1』決勝もファイナリストとして出場し、上沼から「きょうのはネタがとっても好き。どつきはいるんやろうか?叩いてからツッコむのはいらないと思う」とのコメントを引き出すなど、見事にリベンジを果たしたシーンは、今年の見せ場となった。

 この例に則ると、今年の“上沼劇場”のえじきとなったマヂカルラブリーには、本人たちにとっては不本意な形かもしれないが大きなインパクトを世間に与え、ブレイクへのきっかけをつかんだと言ってもいいだろう。『M-1』決勝の翌日に行われたイベントに登場した際には、ボケの野田クリスタルが「オトナに怒られた人だよ」と自ら指を指し、自虐を交えてあいさつするなど、早くもネタにしている。「上沼さんのやり取りがなかったら、ただの最下位。記事になる最下位になれた」と感謝も口にしながら「来年は上沼さんを笑わす一年にする!」と決意を新たにし、「酷評をバネに売れる」という“上沼のジンクス”を証明するためにも、さらなる飛躍を期待したい。

 なお、カミナリの前年に「ブレイクタレント」1位に輝いたのは、メイプル超合金。つまり、2年連続で『M-1』で大きなインパクトを残したコンビが、翌年でもっともブレイクを果たしてきたのだ。ゆにばーすもマヂカルラブリーも世間的な知名度は高くなく、ブレイクの可能性は大。来年のこの時期、「ブレイクタレント」1位をどちらかが獲得するのか、楽しみに待ちたい。

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