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ネタ順配慮の『M-1』新ルール 「トップバッター不利&敗者復活有利説」を追う

 お笑いコンテストとネタ順の関係について、改めて考えさせられるような出来事だった。漫才日本一を決める『M-1グランプリ2017』決勝進出者が15日に発表され、ジャルジャルかまいたちカミナリマヂカルラブリー、ミキ、さや香、とろサーモン和牛、ゆにばーすの9組に決定した。例年であれば、決定と同時にネタ順の抽選が行われるが、今回から「笑神籤(えみくじ)」と呼ばれる新ルールが導入される。同ルールの内容をひも解きながら、『M-1』と同大会が復活するまでの2011年から14年までの『THE MANZAI』における「トップバッター不利説&敗者復活有利説」を追ってみたい。

 今大会では、12月3日に行われる決勝の生放送の冒頭で敗者復活組を発表。出場10組が出そろった時点で、ネタ順の抽選を行うこととなるが、一気に決めるのではなく、その都度「笑神籤(えみくじ)」による抽選を行い、当たったコンビがそのままネタを披露するという、順番が最後まで決まらないシステムを採用。視聴者にとっては「いつ、どのコンビが出てくるかわからない」という生放送ならではの“ライブ感”を意識した演出となるが、出場芸人たちにとっても、いつ自分たちの出番が訪れるかがわからない、より緊張感あふれるものとなる。

 まずは『M-1』の採点方法を確認したい。第1回は審査員7人に1人持ち点100点が与えられ、それに札幌・大阪・福岡の3会場で観覧している観客300人(1人1点)を合わせた合計1000点満点で採点。2回目以降は、審査員のみの採点制で行われている。その上で、下記に記した『M-1』歴代優勝者およびトップバッターの最終順位に関する表を見てもらいたい。トップバッターで優勝したのは、2001年の中川家で、上位3組の最終決戦に進んだのは05年の笑い飯(最終順位は2位)のみであることから、相当なインパクトを残さない限り、トップバッターが頂点を取ることは厳しい状況だ。

 一方の『THE MANZAI』は、決勝進出組を決定するための予選会「本戦サーキット」を実施。そこでの順位に応じて、上位から各グループのネタ順を選べる仕組みを取り入れた。採点方法は、各グループのネタ見せが終わった後に、プロ審査員9人が最も面白かった組に1票を投じ、視聴者による採点「ワラテン」のポイントが最も高い組に与えられる1票と合わせた計10票をめぐる戦いとなっていた。

 その上で「Aグループのネタ順1番」をトップバッターと考えると、2011年の囲碁将棋、12年のテンダラー、13年のレイザーラモン、14年の2丁拳銃がすべてグループ内最下位という、トップバッターがいかに鬼門であるかを認識させる結果となっている(※審査員の獲得票数が3位と同じ場合は「ワラテン」のポイント差で順位づけをした)。

 ここまで見てくると、審査方法の違いこそあれ、大会の最初にネタを披露するトップバッターがいかに不利なのかがわかる。『M-1』の審査では、ラサール石井の「僕は1組目のコンビにはハンデがあると思って、5点上乗せしているんですよ」というスタンスを筆頭に「基準点だから、ここで高得点をあげると…」といった審査員たちが苦慮している様子が端々に伺えた。後編では、もう一方の「敗者復活有利説」について考えたい。

■『M-1グランプリ』歴代優勝者(ネタ順)とトップバッター(最終順位)
2001年 中川家(1番)
2002年 ますだおかだ(2番) トップバッター…ハリガネロック(5位)
2003年 フットボールアワー(7番) トップバッター…千鳥(9位)
2004年 アンタッチャブル(8番) トップバッター…千鳥(9位)
2005年 ブラックマヨネーズ(5番) トップバッター…笑い飯(2位)
2006年 チュートリアル(6番) トップバッター…POISON GIRL BAND(9位)
2007年 サンドウィッチマン(9番) トップバッター…笑い飯(5位)
2008年 NON STYLE(7番) トップバッター…ダイアン(6位)
2009年 パンクブーブー(8番) トップバッター…ナイツ(4位)
2010年 笑い飯(6番) トップバッター…カナリア(9位)
2015年 トレンディエンジェル(9番) トップバッター…メイプル超合金(7位)
2016年 銀シャリ(4番) トップバッター…アキナ(5位)

■『THE MANZAI』歴代優勝者(ネタ順)とトップバッター(最終順位)
2011年 パンクブーブー(Cグループ4番) トップバッター…囲碁将棋(グループ内最下位)
2012年 ハマカーン(Aグループ3番) トップバッター…テンダラー(グループ内最下位)
2013年 ウーマンラッシュアワー(Bグループ4番) トップバッター…レイザーラモン(グループ内最下位)
2014年 博多華丸・大吉(Cグループ2番) トップバッター…2丁拳銃(グループ内最下位)



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