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AbemaTV、熱量の高いオリジナル番組で狙う若年層開拓とメディア革命

 今年4月に1周年を迎え、記念番組『亀田興毅に勝ったら1000万円』が大きな話題となったインターネットテレビ局「AbemaTV」。この大ヒット番組をはじめ、午後9時からは独自のバラエティー番組を帯でラインナップするなど、充実してきたオリジナルコンテンツの狙いと今後の展望について聞くべく、運営元のサイバーエージェント(CA)執行役員でAbemaTVのオリジナルコンテンツ制作を統括する谷口達彦氏を訪ねた。

若い女性から熱い人気を集める『GENERATIONS高校TV』など、AbemaTVはオリジナル番組を充実させ“マスメディア”に挑戦する

若い女性から熱い人気を集める『GENERATIONS高校TV』など、AbemaTVはオリジナル番組を充実させ“マスメディア”に挑戦する

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■テレ朝人気番組の復活&ユニークなオリジナル番組で若年層を開拓

 AbemaTVでは、最多となる1420万の累計視聴を集めた『亀田興毅〜』のほか、1周年記念として『虎の門』『くりぃむナントカ』『爆笑問題の検索ちゃん』など、共同で展開するテレビ朝日の過去の人気バラエティーの復活特番、現在も放送中の『ロンドンハーツ』のかつての人気企画「アイドルトラップ」の新作などを放送。往年のファンはもちろん、新しいファンも開拓し、局の知名度アップにつながった。

 「今まではテレビCMや新聞広告などマス向けの広告キャンペーンをやっていましたが、1周年はコンテンツで勝負しようとマス広告を実施しなかった。ブランド力のある番組コンテンツを生かしたプロモーションにより、サービスのターゲットである10〜20代を中心に訴求することができ、狙い通りの結果を残すことができました」

 また、1周年のタイミングで「AbemaGOLDEN9」と銘打った編成で、毎日午後9時から、おぎやはぎ指原莉乃バナナマン日村勇紀バカリズムなどがMCを務めるレギュラー番組を開始した。谷口氏はこの狙いについて「中長期の課題であるユーザーの視聴習慣をつくるために、毎日夜9時にAbemaTVを見たら若い人を中心に魅力的に感じてもらえるコンテンツを並べよう、という狙いで編成しています」と説明。地上波テレビに多数出演する人気タレントのラインナップは「1年間やってきて、ある一定の信頼や期待値を得られたからこそ、実現できました」。

 中でも人気なのが、ダンス&ボーカルグループ・GENERATIONSが日本中の高校を訪問して学生を応援する『GENERATIONS高校TV』(毎週日曜 後9:00)だ。ターゲットは10〜20代女子と狭い層に絞った番組で、狙い通りの視聴者をつかんでいる。地上波では「ターゲットがコアすぎる」と判断されるような番組だが、正にその地上波テレビから離れている層に支持されているのだ。

 さらに、キングコング西野亮廣がゲストとともにネット上の自身の評価や噂を自ら探していく『エゴサーチTV』(毎週土曜 後10:00)や、ウーマンラッシュアワー村本大輔が話題のニュースについて生放送で本音トークする『ウーマンラッシュアワー村本大輔の土曜The NIGHT』(毎週土曜 深1:00)など、ネットの潮流や現象をうまく読み、ユーザーの心をつかむ番組も人気を集めている。

■若い才能に積極姿勢 世間を巻き込む“亀田以上”の新特番も計画中

 AbemaTVの出演者に共通するのが、熱量の高さだ。「仕事として番組に出るだけじゃなく、何か面白いことをやりたいと考えて、期待と情熱を持って番組に参加くださる方が多いと思います。自由度の高さとスピード感にメリットを感じていただき、いまはタレントさんから『こういう表現をしたい』と企画を持ち込んでいただくことも増えてきました。ただし、地上波じゃないからって、何でもアリではないです」。

 藤田晋社長と毎週行う企画会議でも、内容についてチェックを行い、際どいラインを突く時は専属の法務のスタッフとも相談を行う。「こういう時代だからこそ、ユーザーや世の中とちゃんと寄り添っていきながら、ラインを見極めていかなきゃいけない。ただし、不必要な忖度(そんたく)はしません」。

 若年層をターゲットにし、知名度を上げてきたAbemaTVだが「シニア層に広げるよりも、10〜20代の若者の熱狂を捉えていきたい」と狙いは明確だ。そのためにも、ここでしか見られないオリジナルのヒットコンテンツの創出は欠かせない。直近では、女子高生を中心に話題となった恋愛リアリティーショー『オオカミくんに騙されない』のシーズン2(22日スタート・毎週土曜 後10:00)や、人気お笑い芸人の渡辺直美がオーガナイザーとなる女子高生限定のオーディション番組を予定し、若い女性向けの最大のキラーコンテンツとして、オリジナルドラマも準備を進めている。

 自身が30代前半で、テレビの全盛期を身をもって知っている谷口氏も「かつて超人気ドラマが放送されると“何曜日の何時はOLが街から消えた”という時代がありましたが、今度は“何曜日の何時はOLがスマホに釘付け”という現象を作りたいですね。内容はまだ調整中ですが、若い女性が夢中になるような恋愛ドラマを目指したいです」と意気込む。

 若年層の開拓として、日本中の注目を集める将棋の藤井聡太四段の対局や、高校野球の早稲田実業の清宮幸太郎選手の試合など、“若い才能”も積極的に取り上げて、同世代の興味の喚起に取り組む。また、「一気に景色が変わった」というほど大ヒットとなった『亀田興毅〜』特番のような世間を巻き込める番組も、引き続き計画中とのこと。詳細はまだ明かせないが、第2弾として『亀田興毅〜』を超えるような新たな企画も進行中で、実現すれば亀田以上の反響は間違いないだろう。

 藤田社長は、AbemaTVが1年目で200億の赤字を出したことを公にしている。大きなインパクトのある数字だが、谷口氏は「元々描いているシナリオの中の話で、1〜2年で仕上げられる規模でとどまるビジョンではない。今が50〜60年に一度のメディアの変革期になると確信しているので、自分たちを信じて今はどんどん規模や影響力を求めていくフェーズです。手探りで始めた1年目を終え、ようやく“マスメディア”になるための挑戦権利は得られたのかな、という手応えはある」と胸を張る。AbemaTVだからこそ見られる熱を持ったオリジナルコンテンツを武器に、メディア革命へと挑戦を続けていく。
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  • 若い女性から熱い人気を集める『GENERATIONS高校TV』など、AbemaTVはオリジナル番組を充実させ“マスメディア”に挑戦する
  • AbemaTVのオリジナルコンテンツについて語ったサイバーエージェント執行役員・谷口達彦氏 (C)ORICON NewS inc.
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