歌手・JYこと女優の知英（23）が21日、東京・Zepp DiverCityで自身初のソロツアー『Many Faces 2017』のファイナル公演を行った。14日の大阪公演から1週間、毎日眠れなかったというほど緊張して臨んだステージで全17曲をハツラツとパフォーマンス。2014年4月に韓国のガールズグループ・KARAを脱退してからの3年間が胸に去来し、涙で歌えなくなる場面もあったが、会場を埋め尽くした2000人のファンが大合唱でフォローした。

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　昨年3月にJY名義でソロデビューして1年2ヶ月。初のソロツアー最終公演は、ファンが持つペンライトで真っ白に染まった会場に真っ赤なドレスで登場し、ソロ初アルバム『Many Faces 〜多面性〜』（10日発売）タイトル曲「Many Faces」、続けて「フェイク」で幕開け。ドレスのスリットから美脚と黒い裏地をのぞかせつつ、フラメンコ調のダンスで魅了した。

　最初のMCでは両手でマイクをギュッと握りしめながら、開口一番「緊張してます！」。13日の名古屋、14日の大阪公演を経てこの日を迎えたが「ずっとそわそわしてて、毎日眠れませんでした。（お腹の中で）小さいおじさんが踊ってるみたい。そういう気持ちわかりますか？」と流ちょうな日本語で観客とコミュニケーションを取っていたが、よほど緊張していたようで「何言ってるかわからないまじで（笑）。どうしよう」と本音を漏らして苦笑した。

　バラード曲パートでは、大ファンと公言している山口百恵さんの「Crazy Love」（80年）のカバーに続けて、ソロ活動について話し始めた。「1人になってからのことを振り返ってみると、何をやってきたのか正直覚えていないくらい、がむしゃらに駆け抜けてきたんだなと思います。今の自分にしか歌えない曲、今この瞬間、生きていることに感謝して歌います」と話すと、込み上げる感情をぶつけるように「大切な時間」を熱唱した。

　感極まって涙が止まらず、天を仰ぐと、深々とおじぎ。続けて「好きな人がいること」も涙で声を詰まらせてほとんど歌うことができず、ファンはもらい泣きしながらも「ジヨン！」の大声援と大合唱でフォローし、JYは「ありがとう…」と感謝を伝えて涙をぬぐった。

　後半に突入する前には、セットの薄いカーテン越しに生着替えを披露。シルエットが映し出されるなか、白いドレスから黒を基調にした衣装に着替えてファンを熱狂させたほか、フジテレビ系ドラマ『人は見た目が100パーセント』の主題歌「女子モドキ」の前には自らダンスをレクチャーし、ステージと観客が一体となって盛り上がった。

　息を切らしながら「時間を巻き戻したい。さっき泣いてた自分が嫌だ。何で泣いちゃったんだろう」と悔しそうにしたJYは「日本に来て3年になります。JYとしてデビューして1年ちょっとが過ぎて、こんなに早く皆さんの前でライブができると思っていなかったから、いろんなことが（胸に）きて、泣いちゃった」と胸中を吐露した。

　客席で元KARAのニコルも見守るなか「3年がただの3年じゃなかったと思うし、頑張ってよかった。たまには寂しくて、韓国に帰って家族に会いたいなとつらい気持ちもあったけど、皆さんのお父さんのような優しい目が私を温かくしてくれました」としみじみ。韓国から来たというファンに向け、韓国語でもあいさつしたが、「あの…」と話し始め、「あの、とか言ってるし…」と焦りながらもしっかりと思いを伝えた。

　ギターをかき鳴らしながら自ら作詞を手がけた「Letter」を披露したJYは、曲中でも「皆さんがいてくれるから、今日もこれからも頑張れます」と感謝しきり。感激したファンは終演後も「JY」コールを続け、急きょ再登場したJYは「女子モドキ」のサビをアカペラで披露し、観客の声援に応えていた。

■『JY 1st LIVE TOUR“Many Faces 2017”』最終公演セットリスト
01. Many Faces
02. フェイク
03. Hello Mr.
04. 恋をしていたこと
05. I’m just not into you
06. 君にキスを君にハグを君に愛を
07. 最後のサヨナラ
08. Crazy Love
09. 大切な時間
10. 好きな人がいること -Piano Slow Edit-
11. RADIO
12. Come Back
13. Up In The Air
14. 女子モドキ
15. Letter
【アンコール】
16. 好きな人がいること
17. ブギウギ