原作小説もアニメも大人気の「〈物語〉シリーズ」。吸血鬼の体質を持つ少年・阿良々木暦が、“怪異”に悩まされる少女たちを助けるべく奔走する『化物語』に始まる西尾維新氏の青春小説シリーズを、『魔法少女まどか☆マギカ』の総監督の新房昭之氏とアニメーション制作・シャフトのタッグで映像化。今年は、『化物語』の前日譚である『傷物語』を全3部作の劇場公開作品として制作。1月公開の「I鉄血篇」に続き、「II熱血篇」が8月19日より公開中だ(PG-12指定)。
2009年にスタートしたアニメシリーズで主人公・阿良々木暦を演じているのが、声優の神谷浩史。「〈物語〉シリーズの阿良々木暦は、僕の代表作と胸を張って言える作品。そういう作品に巡り合えたことをとても幸せなことだと思っています」と語る神谷にシリーズの魅力や「II熱血篇」の見どころを聞いた。
■結果的に映像化が2016年になって、より良いものができた
『傷物語』は、主人公が、なぜ、吸血鬼体質になってしまったのかを描いた作品。暦は、高校2年生の終業式の夜、瀕死の美しき吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードと出会う。原作小説は通巻3巻目で2008年に刊行され、当初2012年に映像化される予定だった。
「『傷物語』(原作小説)で語られていた内容が、続巻以降に裏付けられたり、肉付けられたり、回収された伏線も多い。例えば『友達はいらない 人間強度が下がるから』という暦のせりふがありますが、『終物語』(2013〜14年)で暦がそう思うようになった過去のエピソードが描かれ、原因が判明しました。理由を知った上で言葉を口にするのと、知らずに言うのとでは、同じせりふでも違ってくると思うんです。結果的に映像化が2016年になり、明確に、意図を持って、『友達はいらない』と言うことができて、より良いものができたんじゃないかと思います」。
「作品によって違う」とのことだが、『〈物語〉シリーズ』に関していえば台本と原作を照らし合わせて、隙間を埋める作業が欠かせないという。神谷がインタビュー時に持参した台本には、自ら書き入れたメモでいっぱいだった。アニメ台本のト書きやせりふをどう解釈すればいいか、その時の心情やシチュエーションを原作から拾って書き込んでおき、演技に反映させていくという。
「『化物語』の第1話のアフレコは台本直しから始まりました。原作の会話劇を一字一句違えずにアニメーションにしようという意図を感じ取ったので、自分でチェックしてアフレコに臨むようになりました。〈物語〉シリーズでは原作と首っぴきで台本を読みます。その姿はまるで受験勉強をしているようですよ(笑)」。
作品に携わる一人ひとりの隠れた努力の一つひとつが、より多くの人びとの心をつかむことにつながっているのかもしれない。
■自分にできることを怠らずに作品に関わっていく
神谷は「僕は、作品作りにおけるパーツの一つとして、自分に与えられた役割を果たし、正しく機能するということを常々心がけているのですが、〈物語〉シリーズでは、原作とアニメーション表現との間に立って、両者をつなぐ役割を任されていると感じています」と話す。
「実は、そういうハードルを設けてもらったほうが個人的にはやりやすいんです。自由にやってくださいと言われる方が難しい。0を1にするのは苦手ですが、与えられた1を2や3に、10や100にすることはできると思っている。原作と台本を照らし合わせて隙間を埋める作業は時間がかかるんですけど、逆に言うと時間をかければ誰にでもできること。自分にできることを怠らずに作品に関わっていく。かけた時間は絶対に無駄にはならないという信頼関係が〈物語〉シリーズにはありますし、そういった皆の積み重ねがシリーズのヒットにつながっているのかもしれないですね」。
劇場版第1弾『傷物語〈I鉄血篇〉』では暦と吸血鬼キスショットとの邂逅が描かれ、『II熱血篇』では「ヴァンパイアハンターのドラマツルギー、エピソード、ギロチンカッターの3人との激しいバトルアクションと、羽川翼との高校生らしい青春を感じられるシーンとのギャップがものすごいと思います」と見どころを語る。
「羽川に関してはとにかく、かわいい。今回も恐ろしく完璧なる美少女として君臨しています。そんな羽川と友達になって、暦の“人間強度”はゲキ下がりです。熱血篇の暦はモーレツに青春していますよ」。
2009年にスタートしたアニメシリーズで主人公・阿良々木暦を演じているのが、声優の神谷浩史。「〈物語〉シリーズの阿良々木暦は、僕の代表作と胸を張って言える作品。そういう作品に巡り合えたことをとても幸せなことだと思っています」と語る神谷にシリーズの魅力や「II熱血篇」の見どころを聞いた。
■結果的に映像化が2016年になって、より良いものができた
『傷物語』は、主人公が、なぜ、吸血鬼体質になってしまったのかを描いた作品。暦は、高校2年生の終業式の夜、瀕死の美しき吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードと出会う。原作小説は通巻3巻目で2008年に刊行され、当初2012年に映像化される予定だった。
「『傷物語』(原作小説)で語られていた内容が、続巻以降に裏付けられたり、肉付けられたり、回収された伏線も多い。例えば『友達はいらない 人間強度が下がるから』という暦のせりふがありますが、『終物語』(2013〜14年)で暦がそう思うようになった過去のエピソードが描かれ、原因が判明しました。理由を知った上で言葉を口にするのと、知らずに言うのとでは、同じせりふでも違ってくると思うんです。結果的に映像化が2016年になり、明確に、意図を持って、『友達はいらない』と言うことができて、より良いものができたんじゃないかと思います」。
「作品によって違う」とのことだが、『〈物語〉シリーズ』に関していえば台本と原作を照らし合わせて、隙間を埋める作業が欠かせないという。神谷がインタビュー時に持参した台本には、自ら書き入れたメモでいっぱいだった。アニメ台本のト書きやせりふをどう解釈すればいいか、その時の心情やシチュエーションを原作から拾って書き込んでおき、演技に反映させていくという。
「『化物語』の第1話のアフレコは台本直しから始まりました。原作の会話劇を一字一句違えずにアニメーションにしようという意図を感じ取ったので、自分でチェックしてアフレコに臨むようになりました。〈物語〉シリーズでは原作と首っぴきで台本を読みます。その姿はまるで受験勉強をしているようですよ(笑)」。
作品に携わる一人ひとりの隠れた努力の一つひとつが、より多くの人びとの心をつかむことにつながっているのかもしれない。
■自分にできることを怠らずに作品に関わっていく
神谷は「僕は、作品作りにおけるパーツの一つとして、自分に与えられた役割を果たし、正しく機能するということを常々心がけているのですが、〈物語〉シリーズでは、原作とアニメーション表現との間に立って、両者をつなぐ役割を任されていると感じています」と話す。
「実は、そういうハードルを設けてもらったほうが個人的にはやりやすいんです。自由にやってくださいと言われる方が難しい。0を1にするのは苦手ですが、与えられた1を2や3に、10や100にすることはできると思っている。原作と台本を照らし合わせて隙間を埋める作業は時間がかかるんですけど、逆に言うと時間をかければ誰にでもできること。自分にできることを怠らずに作品に関わっていく。かけた時間は絶対に無駄にはならないという信頼関係が〈物語〉シリーズにはありますし、そういった皆の積み重ねがシリーズのヒットにつながっているのかもしれないですね」。
劇場版第1弾『傷物語〈I鉄血篇〉』では暦と吸血鬼キスショットとの邂逅が描かれ、『II熱血篇』では「ヴァンパイアハンターのドラマツルギー、エピソード、ギロチンカッターの3人との激しいバトルアクションと、羽川翼との高校生らしい青春を感じられるシーンとのギャップがものすごいと思います」と見どころを語る。
「羽川に関してはとにかく、かわいい。今回も恐ろしく完璧なる美少女として君臨しています。そんな羽川と友達になって、暦の“人間強度”はゲキ下がりです。熱血篇の暦はモーレツに青春していますよ」。
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2016/08/24