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大根仁監督、予想外の映画賞受賞「ヒットさせるのが大命題」 『日プロ大賞』授賞式

 2015年度最後の映画賞となる『第25回日本映画プロフェッショナル大賞』(日プロ大賞)授賞式が3日、東京・テアトル新宿にて開催され、俳優の染谷将太多部未華子大根仁監督ら受賞者と、前田敦子、小松菜奈、リリー・フランキーらゲストが登壇した。

『第25回日本映画プロフェッショナル大賞』作品賞を受賞した『バクマン。』の大根仁監督、小松菜奈、川村元気プロデューサー(左から)

『第25回日本映画プロフェッショナル大賞』作品賞を受賞した『バクマン。』の大根仁監督、小松菜奈、川村元気プロデューサー(左から)

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 インディペンデント系の作品を中心に、メジャー映画賞では受賞に至らなかった作品や個人を独自の視点から表彰する同賞。コアな映画ファンと多くの映画人に支えられ、25回目を迎えた今回は、大手映画会社・東宝のエンタテインメント大作『バクマン。』が作品賞を受賞した。そのほかの受賞作との並びのなかでは異色だが、大根仁監督は『モテキ』で第21回の新人監督賞を受賞しており(ビール片手に登壇しサングラスをかけて居眠りしていた姿も話題になった)、大根監督と川村元気プロデューサーの東宝タッグで2回目の日プロ大賞受賞となった。

 この日の授賞式には、大根監督と川村プロデューサーがふたりで登壇。大根監督は「メジャー大作ですから、まずはヒットさせることが大命題。映画賞のことは考えていませんでした」と挨拶した。そして、同作を高く評価している主宰者の大高宏雄氏から、エンタテインメント大作を手がけることを聞かれると「東宝ではヒットしなければ映画ではないと言われる」と冗談(?)も交えながら、「もともとテレビの演出をやっていて、そういうタイプの監督に課せられるのはまずヒットさせること。映画はエンタテインメントのなかのお祭り。お祭りには“悪魔の力”が必要。パートナーとしてやりやすい映画会社です」と意味深にコメント。一方、ヒット作を連発している東宝の川村プロデューサーは「ヒットをねらうのは難しい。自分たちが観たいと思う映画を作るところから始めています」と答えた。

 約1時間の授賞式には、上述の俳優、監督、プロデューサーのほか、廣木隆一監督、塚本晋也監督、橋口亮輔監督、石井岳龍監督ら、約20人もの日本映画界を牽引するそうそうたる顔ぶれの映画人が順番に登壇した。しかし、それぞれの登壇者は、受賞の挨拶とゲストのお祝いコメント、大高氏からの質問1つ2つに答えるくらいで持ち時間は5〜10分ほど。日プロ大賞の醍醐味である、その作品や個人の奥底の感覚や感情を引きずり出すコメントや今の日本映画界への提言などを期待していた常連ファンには、消化不良感もあったかもしれない。

 かつての日プロ大賞は、前半に授賞式が行われ、後半は監督やプロデューサーら映画人と大高氏が膝を詰めて日本映画界の現在と未来を語り尽くしたり、阿部寛や西島秀俊ら俳優たちが映画へのほとばしる情熱を大演説し、観客の心を震わせたこともあった。そのころと比べるとここ数年は、メジャー映画賞のような授賞式になっている感もある。

 この日の授賞式でリリー・フランキーが「時間が押しているなら、このあとのオールナイト上映を1本とばしてトークにしたらいい」と笑いながら語っていたが、それこそ映画への想いと現状の課題を語り尽くす日プロ大賞のあり方ではないかと思ったファンもいたに違いない。

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  • 『第25回日本映画プロフェッショナル大賞』作品賞を受賞した『バクマン。』の大根仁監督、小松菜奈、川村元気プロデューサー(左から)
  • 授賞式に登壇した受賞者

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