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アニプレックスは昨年3月、ドイツで映像作品の番組販売およびDVD等の販売を行うpeppermint enterprise Ltd.と、合弁会社peppermint anime GmbHを設立し、欧州でのアニメ事業を開始した。約1年を経過し、見えてきたドイツでのアニメビジネスの課題とは?
■劇場上映イベントを実施。チケットは1.8万枚以上を販売
アニプレックスが昨年3月にドイツ・ペパーミント社と設立した合弁会社peppermint anime GmbH。約1年を経過し、改めて同社の現況を聞きつつ、現地からの生の声を通して、欧州でのアニメビジネスの課題や可能性も探ってみたい。
同社の担当者によると、現況については、「ビデオパッケージ以外にも劇場公開、オンライン配信、関連グッズ販売などを通じてドイツアニメ市場の開拓・拡大を目指してきましたが、準備してきたものが着々と形となってきました」と手応えを語る。実際、アニプレックス作品に限らず、年間で16作品をパッケージ販売し、25作品以上を同週配信、8作品がテレビ放送されている。
また、16年1月にはドイツ7都市で「peppermint fi lm festival」を開催し、各劇場で3スクリーンを借り切ってアニメ映画16作品を上映。チケットは1万8000枚以上が売れた。さらに、4月にはドイツすべてのアニメ・ディストリビューターが参加できる配信プラットフォームを立ち上げる計画も進行中という。
担当者は、ドイツでのアニメ視聴環境については、「今までは各ディストリビューターが独自の配信プラットフォームで配信を行っており、ユーザーは観たい作品によってプラットフォームを随時、変える必要があった」と指摘する。
「この不便さも市場の成長を妨げていると感じ、すべての作品を視聴できる配信プラットフォームを立ち上げるべく、他社様と協力して準備を進めています。ユーザーにとってアニメを観やすい環境を整えることが市場拡大に繋がると信じています」
■ドイツでは配信やEC等での商品購入に抵抗感あり
担当者が実際にドイツに駐在し、現地でアニメファンに接して感じた傾向については、基本的には日本と大きな違いはないと語りつつ、最近では『Free!』や『ハイキュー!!』等の女性向け作品の人気が高いのが特徴という。また、「日本同様に、パッケージの特典や会場限定グッズを重視する傾向がありますね」とも語る。
一方で、問題点・課題点としては、「ドイツはコンサバティブな人が多く、オンラインで物を購入することに抵抗があるようで、配信やEC等でのビジネスは根付くのに時間がかかる」と分析。海賊版対策の効果も期待しつつ、日本と時差のない“同時販売・配信”を行い、アニメ商品の新しい購入の仕方も紹介していく。
「視聴環境の整備、販路の拡充など、現地での課題解決を目指し、4月には配信サイトを立ち上げます。アニプレックスは“世界同時マーケティング”を海外展開のテーマに据えており、こうしたサイトを通じて、日本と同じ情報を、日本と同時に提供することで、世界中のアニメファンが同じ時間に同じ楽しみを共有できる環境を構築したいと思います」
さらにアニメに限らず、マンガ、ゲーム、観光、食とのコラボも模索。日本ブランドのハブとなるサイトへと発展させていくという。また、ソニー本体の海外マーケティングにおいてもアニメを絡めた世界戦略計画の話を始めており、商品やイベントとのコラボの実現に向けた準備を進めているとのこと。エンタメ分野においては比較的、日本に近い市場とも言えるドイツで、着実にインフラを整える同社は、アニメ分野に限らず、多くのジャンルで欧州展開の味方になりそうだ。
(コンフィデンス 16年2月29日号掲載)
アニプレックスはドイツ・ミュンヘンで映像作品の番組販売およびDVD等の販売を行うpeppermint enterprise Ltd.と、合弁会社peppermint anime GmbHを設立。欧州でのアニメ事業を開始した
■劇場上映イベントを実施。チケットは1.8万枚以上を販売
アニプレックスが昨年3月にドイツ・ペパーミント社と設立した合弁会社peppermint anime GmbH。約1年を経過し、改めて同社の現況を聞きつつ、現地からの生の声を通して、欧州でのアニメビジネスの課題や可能性も探ってみたい。
同社の担当者によると、現況については、「ビデオパッケージ以外にも劇場公開、オンライン配信、関連グッズ販売などを通じてドイツアニメ市場の開拓・拡大を目指してきましたが、準備してきたものが着々と形となってきました」と手応えを語る。実際、アニプレックス作品に限らず、年間で16作品をパッケージ販売し、25作品以上を同週配信、8作品がテレビ放送されている。
また、16年1月にはドイツ7都市で「peppermint fi lm festival」を開催し、各劇場で3スクリーンを借り切ってアニメ映画16作品を上映。チケットは1万8000枚以上が売れた。さらに、4月にはドイツすべてのアニメ・ディストリビューターが参加できる配信プラットフォームを立ち上げる計画も進行中という。
担当者は、ドイツでのアニメ視聴環境については、「今までは各ディストリビューターが独自の配信プラットフォームで配信を行っており、ユーザーは観たい作品によってプラットフォームを随時、変える必要があった」と指摘する。
「この不便さも市場の成長を妨げていると感じ、すべての作品を視聴できる配信プラットフォームを立ち上げるべく、他社様と協力して準備を進めています。ユーザーにとってアニメを観やすい環境を整えることが市場拡大に繋がると信じています」
■ドイツでは配信やEC等での商品購入に抵抗感あり
担当者が実際にドイツに駐在し、現地でアニメファンに接して感じた傾向については、基本的には日本と大きな違いはないと語りつつ、最近では『Free!』や『ハイキュー!!』等の女性向け作品の人気が高いのが特徴という。また、「日本同様に、パッケージの特典や会場限定グッズを重視する傾向がありますね」とも語る。
一方で、問題点・課題点としては、「ドイツはコンサバティブな人が多く、オンラインで物を購入することに抵抗があるようで、配信やEC等でのビジネスは根付くのに時間がかかる」と分析。海賊版対策の効果も期待しつつ、日本と時差のない“同時販売・配信”を行い、アニメ商品の新しい購入の仕方も紹介していく。
「視聴環境の整備、販路の拡充など、現地での課題解決を目指し、4月には配信サイトを立ち上げます。アニプレックスは“世界同時マーケティング”を海外展開のテーマに据えており、こうしたサイトを通じて、日本と同じ情報を、日本と同時に提供することで、世界中のアニメファンが同じ時間に同じ楽しみを共有できる環境を構築したいと思います」
さらにアニメに限らず、マンガ、ゲーム、観光、食とのコラボも模索。日本ブランドのハブとなるサイトへと発展させていくという。また、ソニー本体の海外マーケティングにおいてもアニメを絡めた世界戦略計画の話を始めており、商品やイベントとのコラボの実現に向けた準備を進めているとのこと。エンタメ分野においては比較的、日本に近い市場とも言えるドイツで、着実にインフラを整える同社は、アニメ分野に限らず、多くのジャンルで欧州展開の味方になりそうだ。
(コンフィデンス 16年2月29日号掲載)

2016/03/06