NHK朝の連続テレビ小説『まれ』での土屋太鳳とのフレッシュな好演も記憶に新しい俳優・山崎賢人。そのクランクアップ後わずか1週間後に再びふたりが共演したことでも話題になった青春純愛映画『orange-オレンジ-』。間髪を入れずにクランクインした同作での再共演の想い、号泣してしまったという撮影エピソードを山崎が語ってくれた。
◆朝ドラを1年近く一緒にやってきて…
――『orange』のクランクインが、転校してきた翔(山崎)が挨拶をする教室のシーンだったそうですね?
【山崎】 太鳳ちゃんと朝ドラを1年近く一緒にやってきて、「朝ドラが終わってすぐこの撮影が始まって気持ちの切り替えとかどうなんですか?」ってよく聞かれるんですけど、あのシーンから入れたことで、『orange』の世界にすんなり入っていけた感じがしました。転校生の翔が、転校初日に教室に入ってクラスメイトに紹介されるシーンだったんです。菜穂(土屋)は自分の席に座っていて。そんな“新しく始まる”というシーンからだったことで、気持ち的にもリセットできた気がします。
――今回演じられた翔は、仲間たちと青春を楽しむ笑顔の奥に、母の自殺による寂しさを秘めた青年です。役へのアプローチはどのようにされたのですか?
【山崎】 翔は未来にはいないので、いまという時間をどう生きていくかに専念して演じていました。やっぱりみんなといるときは、すごく楽しくて、本当にその空気を壊したくない、笑顔でいたいという思いが強くて。そういうシーンと、自分を責めてしまうときの感情の差はしっかりと出せるようにと思っていました。聞かれないと自分のことを言わなかったりするのも、みんなや菜穂のことを思っていたりするから。そういう気を遣うところもあるんですよね。
――ずっとひとりで抱えていた母親の自殺に対する後悔の念を、菜穂に告白するシーンの撮影はいかがでしたか?
【山崎】 太鳳ちゃんに救ってもらった部分が大きかったです。そういうシーンだと、うちにこもってしまうというか……考えすぎて、暗くなってしまうところがあって。固くなっていたりしたんですけど、こういうシーンの前だからこそ、楽しく過ごそうって声をかけてくれて。楽しい思い出があるからこそ、悲しい感情も生まれるからと。だから現場の空気は、そんなに重くならなかったですね。
◆10年後との対比に号泣してしまった
――完成作は、どうご覧になりましたか?
【山崎】 台本を読んで知ってはいたんですけど、10年後との対比を映像で観ると、鳥肌が立ちました。自分は10年前のいましか生きていなかったので、10年後の翔以外のみんなが翔のことを思ってくれていることに、翔目線で観てしまって、号泣しました(苦笑)。本当に温かい映画だなと思いました。
――作中で、翔が菜穂にオレンジジュースを買ってあげるシーンがとてもかわいらしかったのですが、山崎さんだったら、好きな女の子に何を買ってあげたいですか?
【山崎】 オレンジジュースは、ごはんをおごるみたいな感じですからね。ヘアピンもあげたりしているじゃないですか! ヘアピンとか、翔らしくていいですね。翔、あれを買うのに、たぶんバイトとかしたんだろうなとか、貯金を崩したんだろうなとか、考えるとまた感情がよみがえってきます(笑)。あ、本編ではカットされたんだった! でも菜穂が(翔にもらったヘアピンを)つけているシーンはありました。
――小さなエピソードにも、いろいろな想像力を膨らませるんですね! みずみずしい演技の秘訣の一端を、垣間見た気がします。いま、お芝居のどんな時間が好きですか?
【山崎】 現場で作っているときですね。やっぱり現場でしかわからないことが多いので。現場がいちばん楽しいです。今回は、一つひとつのシーンをつなげていく感じで、『orange』の世界ができあがっていくことが本当に楽しかったです。
――大活躍の2015年でしたが、来年はどんなことに挑戦したいですか?
【山崎】 コメディ(笑)。福田雄一さんや、一度ご一緒したことがあるんですけど(山崎のデビュー作となったドラマ『熱海の捜査官』を演出した)三木聡さんの作品が好きです。機会があったらぜひご一緒させていただきたいです。
(文:石村加奈)
◆朝ドラを1年近く一緒にやってきて…
――『orange』のクランクインが、転校してきた翔(山崎)が挨拶をする教室のシーンだったそうですね?
【山崎】 太鳳ちゃんと朝ドラを1年近く一緒にやってきて、「朝ドラが終わってすぐこの撮影が始まって気持ちの切り替えとかどうなんですか?」ってよく聞かれるんですけど、あのシーンから入れたことで、『orange』の世界にすんなり入っていけた感じがしました。転校生の翔が、転校初日に教室に入ってクラスメイトに紹介されるシーンだったんです。菜穂(土屋)は自分の席に座っていて。そんな“新しく始まる”というシーンからだったことで、気持ち的にもリセットできた気がします。
――今回演じられた翔は、仲間たちと青春を楽しむ笑顔の奥に、母の自殺による寂しさを秘めた青年です。役へのアプローチはどのようにされたのですか?
【山崎】 翔は未来にはいないので、いまという時間をどう生きていくかに専念して演じていました。やっぱりみんなといるときは、すごく楽しくて、本当にその空気を壊したくない、笑顔でいたいという思いが強くて。そういうシーンと、自分を責めてしまうときの感情の差はしっかりと出せるようにと思っていました。聞かれないと自分のことを言わなかったりするのも、みんなや菜穂のことを思っていたりするから。そういう気を遣うところもあるんですよね。
――ずっとひとりで抱えていた母親の自殺に対する後悔の念を、菜穂に告白するシーンの撮影はいかがでしたか?
【山崎】 太鳳ちゃんに救ってもらった部分が大きかったです。そういうシーンだと、うちにこもってしまうというか……考えすぎて、暗くなってしまうところがあって。固くなっていたりしたんですけど、こういうシーンの前だからこそ、楽しく過ごそうって声をかけてくれて。楽しい思い出があるからこそ、悲しい感情も生まれるからと。だから現場の空気は、そんなに重くならなかったですね。
◆10年後との対比に号泣してしまった
――完成作は、どうご覧になりましたか?
【山崎】 台本を読んで知ってはいたんですけど、10年後との対比を映像で観ると、鳥肌が立ちました。自分は10年前のいましか生きていなかったので、10年後の翔以外のみんなが翔のことを思ってくれていることに、翔目線で観てしまって、号泣しました(苦笑)。本当に温かい映画だなと思いました。
――作中で、翔が菜穂にオレンジジュースを買ってあげるシーンがとてもかわいらしかったのですが、山崎さんだったら、好きな女の子に何を買ってあげたいですか?
【山崎】 オレンジジュースは、ごはんをおごるみたいな感じですからね。ヘアピンもあげたりしているじゃないですか! ヘアピンとか、翔らしくていいですね。翔、あれを買うのに、たぶんバイトとかしたんだろうなとか、貯金を崩したんだろうなとか、考えるとまた感情がよみがえってきます(笑)。あ、本編ではカットされたんだった! でも菜穂が(翔にもらったヘアピンを)つけているシーンはありました。
――小さなエピソードにも、いろいろな想像力を膨らませるんですね! みずみずしい演技の秘訣の一端を、垣間見た気がします。いま、お芝居のどんな時間が好きですか?
【山崎】 現場で作っているときですね。やっぱり現場でしかわからないことが多いので。現場がいちばん楽しいです。今回は、一つひとつのシーンをつなげていく感じで、『orange』の世界ができあがっていくことが本当に楽しかったです。
――大活躍の2015年でしたが、来年はどんなことに挑戦したいですか?
【山崎】 コメディ(笑)。福田雄一さんや、一度ご一緒したことがあるんですけど(山崎のデビュー作となったドラマ『熱海の捜査官』を演出した)三木聡さんの作品が好きです。機会があったらぜひご一緒させていただきたいです。
(文:石村加奈)
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2015/12/13