俳優の鈴木亮平（32）が30キロ体重を増やして撮影に臨み、“15歳の高校生”を演じたことでも話題の映画『俺物語!!』（10月31日公開）。原作は『別冊マーガレット』（集英社）に連載中の少女漫画でありながら、主人公は全く高校生に見えない超イカツイ顔面と屈強な肉体を持つ男の中の漢（おとこ）という異色作。革命的とも言われるキャラクターを生み出した原作者の漫画家・アルコ氏と河原和音氏へのインタビューをとおして映画化の真相に迫った。

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■猛男役は鈴木亮平さんでよかった！

――実写映画化されると聞いた時、どう思いましたか？

【アルコ】剛田猛男は誰がやるのかが、一番気になりました。

【河原和音】プロデューサーさんも、最初冗談でCGとかおっしゃっていましたよね。体だけ合成とか（笑）。

【アルコ】プロレスラーがやるのかな？　でも、猛男は主役だから、お芝居がちゃんとできる人じゃないとダメだよね。そんな話をしていましたね。

【河原】どうなるのか楽しみでした。

――映画の完成版をご覧になってどうでしたか？

【アルコ】その中で、猛男役は鈴木亮平さんがいいんじゃない？と、冗談半分で言っていたんですよ。ドラマ（TBS『天皇の料理番』）の役づくりで20キロ痩せたと聞いていたので、鈴木さんに決まったと聞いた時はすごくうれしかったですね。よくぞ、引き受けてくださった、と。

【河原】映画を観て、やっぱり鈴木さんでよかったなぁと思いました。こんなに良くしていただいて、感謝の気持ちでいっぱいです。何の不満もないです。猛男もほかの出演者の方も。

――猛男が一途に想い続ける女子高生・大和凛子役にモデルで女優の永野芽郁（16）、イケメンでクールな性格だが友情に厚い猛男の親友・砂川誠役に坂口健太郎（24）が起用されました。

【アルコ】永野さんのプロフィールに「1999年生まれ」と書いてあって。私、漫画家デビューが1999年なんです。ちょっとびっくりしました。でもリアル15歳（撮影時）の女優さんに大和をやってもらえるのがうれしかったです。「猛男くんが好き」という感じがすごく出ていてよかったですよね。

【河原】高校生を演じているのではない、本物の高校生の空気。私もこういうのを描きたいです。漫画で高校生を描いているけど、描いている人は高校生じゃないので（笑）。大和も、読み方でいろいろな解釈ができる女の子だと思うのですが、永野さんは女子にもいいと思ってもらえる大和にしようとして下さったと聞いて、それがとてもうれしかったです。

■猛男のことを好きになってくれた方々に感謝

【アルコ】大和の友達を演じた3人もよかったですね。芽郁ちゃんもだけれど、ひざがすごくかわいくて！　小さくてつるつるで、若さってすごいと思いました（笑）。

【河原】砂川も、15歳にして老成しているところがあるキャラクターなので、坂口さんくらいの年齢の方に演じていただいて、ちょうどよかったです。

【アルコ】個人的にすごく好きな顔です。もし坂口さんを漫画に登場させたら、砂川みたいになるなって思いました。

【河原】見た目もあるけど醸し出している雰囲気が良かったですよね。本読んでいる姿とか、劇中の端々にでていたと思います。

【アルコ】砂川のキャラクターを考えてのことなのか、坂口さん自身の持ち味なのかわからないけれど、私には坂口さんが砂川にしか見えなくなってきました。

【河原】今回のキャスティングを見ると、映画のスタッフは『俺物語!!』という作品やキャラクターのことをよく考えてくれたんだなぁって感じます。

【アルコ】猛男のことを好きになってくれた方たちが、『俺物語!!』のアニメや映画を作ってくださったんだと思っています。

――最近は漫画実写化作品も数多くありますが、『俺物語!!』は実写化を当初から念頭に置いていらしたのでしょうか？

【河原】新しくて面白いものを生み出せたらいいなと思っています。『俺物語!!』もこんなに長く連載が続くとは思っていなかったですし、テレビアニメ化、実写映画化されるとも思っていませんでした。