月額定額制の映像配信サービス「dTV」が、今夏より音楽ライブの生配信を強化している。競合サービスが次々と登場するなか、差別化・優位性をアピールすることも狙いの1つだろう。さっそく今後の戦略を聞いた。
今年4月にサービス名称を刷新し、大きなリニューアルを行ったdTV。同サービスは現在、「総合的エンタテインメントサービス」へ向け、コンテンツの拡充が進む。なかでも注目されるのが、音楽ライブの生配信だ。
これまでもdTVでは、国内外のアーティストのミュージックビデオやライブ映像の通常配信や、DVD発売前にライブ映像を先行配信する等の取り組みを行っていたが、今夏から、ライブを毎月のように生配信する試みをスタートさせている。生配信に関しては、昨年、a-nationにおける東方神起のステージを、抽選で選ばれた5万人を対象に実施していたが、今年のa-nationでは配信規模を広げ、人数制限や応募期間は設けず、当日まで誰でも視聴可能となる。
「7月23日に開催したAAAの日本武道館公演でも独占生配信を実施しましたが、大きなトラブルもなく、“新幹線の中で綺麗に観られた”という声もいただきました」(エイベックス・デジタル デジタルビジネス本部担当者)
■生配信だけでなく、ライブを解説する番組なども制作
NetflixやHulu、U-NEXTなど競合サービスが増えるなかで、レコードレーベルが参画し、立ち上がったサービスとして、“音楽”は優位性を示す最適なコンテンツとなる。ただし、編成等を担当するエイベックス通信放送の担当者は「dTVは、あくまでも映像における総合エンタテインメントプラットフォーム」と強調する。
「テレビのリモコンを操作するような感覚でコンテンツを選べる“ザッピングUI”と24時間編成の強みを活かし、他の映像コンテンツもおススメすることで、新しい作品に出合えるようにしています」
生配信を観た視聴者に、他の映像コンテンツにも興味をもってもらい、逆に、たまたまザッピングしていてライブの生配信に出合った視聴者が、新たにアーティストのファンになる。そういう効果が、dTVのUI と編成ならば期待できるというわけだ。
とはいえ、課題もある。それが会場の臨場感をどう伝えるか、だ。
「試行錯誤の最中ですが、例えば楽屋裏など、配信でしか見られない映像も有効でしょうし、グッズ売場が盛り上がっている様子を伝える映像を盛り込むことなど、会場に行った気持ちになれる演出も必要かもしれません。アーティスト側ともアイデアを出し合いながら、いろいろ企画していきたいですね」(エイベックス通信放送担当者)
また、アリーナクラスの公演だけでなく、「コアなジャンルのアーティストや、新人アーティストも配信していきたい」(エイベックス・デジタル デジタルビジネス本部担当者)という。
もちろんコストの問題もあり、会場規模の小さい新人などでの生配信はハードルが高く、固定ファンだけを考えれば、niconicoのようなサービスのほうが向いているかもしれない。ただし、「コンテンツとの新たな出合いを提供することを目標にサービスを構築しています。新しいファンの獲得を目指すならば、dTVは、チャレンジしがいのあるメディアだと思います」とも語る。
もちろん生配信だけでなく、新曲のMVをdTVで独占先行配信するケースも増えており、GLAYは、ドキュメンタリー映像も配信している。今後、音楽コンテンツも、様々なカタチで配信されていきそうだ。
『a-nation stadium fes.』
日時:2015年8月29日(土)・ 8月30日(日) 開場13:30/開演15:30(予定)
会場:味の素スタジアム
◆出演者
◎8月29日/ヘッドライナー:SUPER JUNIOR
Do As Infinity、Every Little Thing、f(x)、ゴールデンボンバー、倖田來未、VAMPS、つるの剛士、VAMPS 、シューティングアクト:Dream5、オープニングアクト:加治ひとみ、Leola 、SOLIDEMO
◎8月30日/ヘッドライナー:浜崎あゆみ
AAA、Acid Black Cherry、E-girls、EXO、ソナーポケット、TRF、シューティングアクト:Da-iCE、SUPER☆GiRLS、オープニングアクト:安良波、明里、Cheeky Parade・GEM、小林豊、lol(エルオーエル)
※ライブ生配信はライブの後半(約3〜4時間)を生配信。
※生配信の開演時間は、イベント開演時間とは異なる。
※ヘッドライナー以外の配信アーティストは未定。
(ORIGINAL CONFIDENCE 15年8月31日号掲載)
今年4月にサービス名称を刷新し、大きなリニューアルを行ったdTV。同サービスは現在、「総合的エンタテインメントサービス」へ向け、コンテンツの拡充が進む。なかでも注目されるのが、音楽ライブの生配信だ。
これまでもdTVでは、国内外のアーティストのミュージックビデオやライブ映像の通常配信や、DVD発売前にライブ映像を先行配信する等の取り組みを行っていたが、今夏から、ライブを毎月のように生配信する試みをスタートさせている。生配信に関しては、昨年、a-nationにおける東方神起のステージを、抽選で選ばれた5万人を対象に実施していたが、今年のa-nationでは配信規模を広げ、人数制限や応募期間は設けず、当日まで誰でも視聴可能となる。
「7月23日に開催したAAAの日本武道館公演でも独占生配信を実施しましたが、大きなトラブルもなく、“新幹線の中で綺麗に観られた”という声もいただきました」(エイベックス・デジタル デジタルビジネス本部担当者)
■生配信だけでなく、ライブを解説する番組なども制作
NetflixやHulu、U-NEXTなど競合サービスが増えるなかで、レコードレーベルが参画し、立ち上がったサービスとして、“音楽”は優位性を示す最適なコンテンツとなる。ただし、編成等を担当するエイベックス通信放送の担当者は「dTVは、あくまでも映像における総合エンタテインメントプラットフォーム」と強調する。
「テレビのリモコンを操作するような感覚でコンテンツを選べる“ザッピングUI”と24時間編成の強みを活かし、他の映像コンテンツもおススメすることで、新しい作品に出合えるようにしています」
生配信を観た視聴者に、他の映像コンテンツにも興味をもってもらい、逆に、たまたまザッピングしていてライブの生配信に出合った視聴者が、新たにアーティストのファンになる。そういう効果が、dTVのUI と編成ならば期待できるというわけだ。
とはいえ、課題もある。それが会場の臨場感をどう伝えるか、だ。
「試行錯誤の最中ですが、例えば楽屋裏など、配信でしか見られない映像も有効でしょうし、グッズ売場が盛り上がっている様子を伝える映像を盛り込むことなど、会場に行った気持ちになれる演出も必要かもしれません。アーティスト側ともアイデアを出し合いながら、いろいろ企画していきたいですね」(エイベックス通信放送担当者)
また、アリーナクラスの公演だけでなく、「コアなジャンルのアーティストや、新人アーティストも配信していきたい」(エイベックス・デジタル デジタルビジネス本部担当者)という。
もちろんコストの問題もあり、会場規模の小さい新人などでの生配信はハードルが高く、固定ファンだけを考えれば、niconicoのようなサービスのほうが向いているかもしれない。ただし、「コンテンツとの新たな出合いを提供することを目標にサービスを構築しています。新しいファンの獲得を目指すならば、dTVは、チャレンジしがいのあるメディアだと思います」とも語る。
もちろん生配信だけでなく、新曲のMVをdTVで独占先行配信するケースも増えており、GLAYは、ドキュメンタリー映像も配信している。今後、音楽コンテンツも、様々なカタチで配信されていきそうだ。
『a-nation stadium fes.』
日時:2015年8月29日(土)・ 8月30日(日) 開場13:30/開演15:30(予定)
会場:味の素スタジアム
◆出演者
◎8月29日/ヘッドライナー:SUPER JUNIOR
Do As Infinity、Every Little Thing、f(x)、ゴールデンボンバー、倖田來未、VAMPS、つるの剛士、VAMPS 、シューティングアクト:Dream5、オープニングアクト:加治ひとみ、Leola 、SOLIDEMO
◎8月30日/ヘッドライナー:浜崎あゆみ
AAA、Acid Black Cherry、E-girls、EXO、ソナーポケット、TRF、シューティングアクト:Da-iCE、SUPER☆GiRLS、オープニングアクト:安良波、明里、Cheeky Parade・GEM、小林豊、lol(エルオーエル)
※ライブ生配信はライブの後半(約3〜4時間)を生配信。
※生配信の開演時間は、イベント開演時間とは異なる。
※ヘッドライナー以外の配信アーティストは未定。
(ORIGINAL CONFIDENCE 15年8月31日号掲載)
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2015/08/29