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「自分の欲に素直になった」石原さとみの転機とは?

 15歳のときに『ホリプロタレントスカウトキャラバン』でグランプリを受賞し、女優として第一線で活躍してきた石原さとみは、これまでに様々な役どころを演じてきた。『失恋ショコラティエ』(2014年 フジテレビ系)では“天然系小悪魔女子”を演じ、男性だけでなく女性をも惹きつけ、賛否渦巻く映画『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』では、ハンジ役を演じ、確かな爪痕を残した。そんな彼女が、「役をプロデュースすることの面白さに気づいた」という転機となった作品や役に対する想いについて語った。

『進撃の巨人』のハンジ役を熱演した石原さとみ(写真:草刈雅之)

『進撃の巨人』のハンジ役を熱演した石原さとみ(写真:草刈雅之)

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◆目の前のことにガムシャラだったが、今は自分の欲に素直になってきた

――ハンジ役を拝見したとき、今までに見たことのない石原さんだって思いましたが、今回に限らず、最近は様々な作品でこれまでとは違う一面を見せてくれている気がします。そうやって女優としての幅を広げていくのは、石原さん自身の望みでもあるんですか?
【石原】 マネージャーさんが私が挑戦できるような作品や役柄を選んで提案してくれるんです。当然やったことのないものが多くなるのでキツイなって思うこともあるんですけど、それよりワクワクする気持ちのほうが大きいですね。その結果、チャレンジ精神が旺盛になってきた気がします。今までは目の前のことにガムシャラだったんですよ。誰かの期待に応えようって思って。でも、今は自分の欲に素直になってきた気がしますし、役に対する欲みたいなものも前以上に出てきたんですね。私が好きなもの、やりたいものをやっているんだ! っていう気持ちが強いので、役に入り込める。だから、やっていて楽しいし挑戦もしやすいんです。

――チャレンジ精神が旺盛になったターニングポイントは、いつだったんでしょうか?
【石原】 4〜5年前、ちょうど『リッチマン、プアウーマン』(フジテレビ系)っていう作品の話をいただいて、その時に、「こういう作品なんだけどどう思う?」って相談されたんです。それに対して私は自分でやりたいって言って、しかも、こういう役にしたいって主張して。衣装やメイクに関しても全部自分の意見を言わせてもらったんですよ。スタイリストさんと一緒に買い物に行って、この役だったら、こういう服を着るよねって相談して買い取ったりとかしたので手作り感があった。それがきっかけになって、役をプロデュースすることの面白さに気づいたんです。

◆輝きを身に付けるためには、常に目標は決めている

――なるほど。そうやって自分で役柄を作り込めると、より役に対して愛着が沸くし、やりがいもありますよね。それもあってそれ以降、作品に対して取り組む姿勢が、それまで以上に意欲的になっていったんですね。
【石原】 そうですね。それに最近は自分の中で仕事とプライベートが混ざってきたんですよ。例えば『風に立つライオン』っていう映画はアフリカで撮ったんですけど、それがきっかけになって、NHKのドキュメンタリーの仕事でウガンダにも行ったんですね。そこからアフリカのチームと仲良くなって、今も交流がある。自分のプライベートのつながりが仕事に活きたり、自分の欲が仕事になったり、仕事で出会ったものがプライベートにも影響したりっていう感じがあって、それがすごく面白いんです。それは昔だったら想像もしていなかったことなので、そうことができる大人になったんだなって自分でも思いますね(笑)。

――映画『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』でのハンジ役は兵器班長ということもあり、非常にワイルドな雰囲気ではあるんですが、石原さんが演じることで、そこに女性らしいチャーミングさも加わっている気がします。
【石原】 自分では女性らしさを出したつもりはないんですけど、なんとなく見ていてホっとできる存在だったらいいなとは思っていました。『進撃の巨人』はスピードが速くて、息を吐くのも忘れちゃうような作品なんですけど、そのなかでハンジが出てきたときは、ちょっとひと呼吸できる。私の役回りはそれかなって台本を読んで思ったので、そういうシーンになっていたらいいですね。

――ところで、その独特の雰囲気に起因していると思うんですが、その輝きを身に付けるために普段の生活から心がけていることはありますか?
【石原】 自分では自分が輝いているかどうかわからないんですが(笑)、常に目標は決めています。最近は、朝9時半までに起きるっていう目標。例え仕事が深夜までかかっても、昼までは寝ないようにしようって思ったんです。そうやって朝、自分自身に勝てたら1日が充実するような気がしました。1日の中で何かを課すと生活にメリハリが出ると思うし、朝ちゃんと起きるためには夜中までとか朝方まで起きていなくなるじゃないですか。それは、たぶん健康や美容にもいい。朝は、やっぱり太陽の光を浴びたほうがいいと思います。

(文:高橋栄理子)

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