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新たなアイドルの形態!? 現役女子大生らによる“ユニドル”とは

 アイドル好きの女子大生たちが“本家”顔負けのパフォーマンスで日本一の座を競う大学対抗のアイドルコピーダンス・コンテスト『UNIDOL(ユニドル)』の本選が、8月28日に開催される。2012年にスタート以来、これまで出場したグループはのべ100組以上。衣装も振り付けもアイドルさながらのパフォーマンスで競い合うが、一旦ステージを降りれば、普通の女子大生。果たして、“UNIDOL”とはアイドルの新たな形態なのか、それともクラブ活動やサークル活動のように同好者の集まりで終始してしまうのか、その実態を探るべく、現役“UNIDOL”たちに話を聞いた。

アイドルコピーダンス・コンテストで活躍する女子大生のUNIDOL(ユニドル)たち (写真:西田周平)

アイドルコピーダンス・コンテストで活躍する女子大生のUNIDOL(ユニドル)たち (写真:西田周平)

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◆大会を足がかりにアイドルになろうと考える子はいる

──みなさんは自分たちの立ち位置をどう認識していますか? “女子大生アイドル”と言われたりしているけれど。
【勝村桃子(Candy holic/大妻女子大学)】 私はあくまでいちアイドルファンとして、アイドルコピーをしているというふうに捉えています。自分自身がガチなアイドルヲタなので(笑)。
【河上茉莉奈(わせ女なんて呼ばないで/早稲田大学)】 私もそうですね。アイドルをリスペクトしているからこそ、自分がアイドルだとは思ったことはないです。
【浜川遥(Copia/文京学院大学)】 そもそもCopiaはダンスサークルなので、自分たちをアイドルとはもちろん思ってないし、なんならアイドルというふうに見られるのもちょっと抵抗があるというか……。ダンスサークルにもいろいろあって、HIP HIPとか激しい系のダンスを踊るところもあるけど、うちはたまたま踊る曲がアイドルのダンスサークルです、という認識ですね。
【はるち(SPH mellmuse/上智大学)】 私もそうですけど、たぶん今日集まった4人はアイドルファンというところから始まってるんですよね。ただ、たしかに「アイドルになりたい」という動機からでアイドルコピー活動を始める子は増えてる気はします。
【河上】 そうですね。早稲田も私が入学した頃はアイドルコピーするグループは1つもなかったけど、今は本当に増えましたし。
【はるち】 『UNIDOL』の初回大会は本当に小さい大会で、7グループしか出場しなかったんですよ。でも今年はエントリーだけで51チーム。しかも新聞社やテレビ局からも後援をいただくようになったことから、注目も拡大してきましたし、この大会を足がかりにアイドルになろうと考える子は出てきていると思います。

◆ファンも……写真撮影の要望もある

──『UNIDOL』の大会には、お友達以外にも“ファン”としてステージを見に来る人もいると思いますが、どんな方々なんでしょうか?
【河上】 たぶん特定のアイドルも好きだけど、それよりも「アイドルの曲で盛り上がりたい」という方だと思います。お客さんにとって『UNIDOL』の楽しさは、自分の知ってる曲で盛り上がれるところだと思います。
【勝村】 意外と自分の好きな曲だったら、そのアイドルじゃなくても、誰が歌って踊ってても楽しい、みたいなところがあるのかも。
【河上】 そうですね。しかも普通のアイドルのライブだと、ももいろクローバーZさんの曲の次にAKB48さんの曲が来て、ということはありえないじゃないですか。セットリストの可能性が無限大なのはアイドルコピーならではだし、そこもアイドル好きな人にとっては面白みなのかなと思いますね。

──ちなみにファンからプレゼントをもらったり、写真を撮られたりということもありますか?
【勝村】 ごくたまに「写真を撮ってください」って声をかけられることはありますが……。
【河上】 大会に花を贈ってくださったりする方もいます。
【浜川】 私はないですが、いつも来てくださる方から誕生日にプレゼントをいただいた子もいます。

──つまり“推しメン”がいるファンもいるということですか?
【はるち】 「◯◯推し」みたいなことをおっしゃる方もいます。でもだいたいはグループに差し入れ、という感じでお菓子などをいただくことがほとんどです。

◆アイドルと一般人の垣根がなくなってきている

──実際、アイドルグループも増えた今の時代、普通の女の子とアイドルの境目は曖昧になってますよね。
【河上】 たぶんご当地アイドルやカフェで働くアイドルなどが増えたこともあって、アイドルと一般人の垣根がなくなってきてるんだと思います。また社会自体も、たとえ自称でも「私は◯◯アイドルです」と宣言すれば、認めてくれるようになりましたよね。
【勝村】 私は幼稚園の頃から今もずっとハロプロひと筋なんですが、昔と今とではアイドルというものの認識が変わってきてると思います。当時のアイドルといったら、松浦亜弥さんや後藤真希さんとか、それこそ手が届かない存在でしたが、今は握手会とかでいくらでも触れ合うことができます。
【浜川】 それと、今はどんなパフォーマンスをしていても女の子グループだとアイドルって言われますよね。昔はアイドルといえば可愛い歌と振り、みたいな認識があったけど、私が今注目してる大阪 春夏秋冬みたいに、ぱっと見ぜんぜんアイドルっぽくない音楽ジャンルでバッキバキに踊るグループもけっこう増えています。
【はるち】 “アイドル=女の子が大勢で歌って踊る”という形態そのものが、日本文化の1つになったんだと思うんですよ。私は外国人の多い職場でアルバイトをしてるんですが、SPHを見にきてくれたときも「日本文化として面白い」って言ってましたね。

──社会的な認識はどうあれ、みなさん自身は「アイドルではない」との認識ですが、そう言い切れる理由は?
【浜川】 やっぱり大学時代の期間限定の活動だというところが大きいですね。Copiaは3年生の学園祭で引退するのが伝統になってます。
【河上】 “わせよば”もこの秋の学園祭で解散します。でも終わりが見えているからこそ、目標に向かって頑張ろうという意識も生まれるんです。
【はるち】 公認、非公認いろいろあるけど、体育会系サークルみたいな感覚に近いんですよね。甲子園じゃないけど、UNIDOLの大会を目指してグループ一丸となる、という。
【勝村】 私はまだ来年もありますが、最後の『UNIDOL』の大会では絶対に泣いちゃうと思います。私たちにとって『UNIDOL』というのは、大学時代に一番熱くなれたものと仲間たちです。

(文:児玉澄子)

【プロフィール】
勝村桃子さん(19歳)
「Candy holic」大妻女子大学社 会情報学部社会情報学科 2年生。
『UNIDOL2015 Summer』の関東予選1日目で首位獲得。

河上茉莉奈さん(20歳)
「わせ女なんて呼ばないで」早稲田大学 文化構想学部文化構想学科の 3年生。
『UNIDOL2015 Summer』の関東予選2日目で首位獲得。

浜川遥さん(21歳)
「Copia」文京学院大学 経営学部経営学科 3年生。
『UNIDOL2014-15 Winter』で優勝。

はるちさん(19歳)
「PH mellmuse」上智大学
『UNIDOL2014 Summer』で優勝、『UNIDOL2015 Summer』の関東予選1日目で2位獲得。
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