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感動体験に課金 仮想ライブ空間にビジネスの可能性

 ライブ動画ストリーミングプラットフォーム「SHOWROOM」のエンタテインメント関連企業による利用が活発化している。ソニー・ミュージックエンタテインメントやスターダストプロモーションなどとは、オーディションを共同開催した。同サービスの活用のカギを探る。

 DeNA が13年から展開してきたライブ動画ストリーミングプラットフォーム「SHOWROOM」が8月3日から、会社分割により事業名を冠した新会社SHOWROOMに運営を移した。代表は、同事業の企画から深く運営に携わってきた前田裕二氏。

「ユーザーと出演者の心理的な距離を縮めることで、ギフティングというシステムがきちんと機能するようにデザインしています。「SHOWROOM」では、ユーザーはコンテンツやアイテムにお金を払っているのではなく、お金を払う行為自体が感動体験になる。重要なのは、アバターというバーチャルアイデンティティーの付与から生まれる、ユーザー同士や演者とのインタラクション、相互作用なんです。結果として、多くの配信者がエンゲージメントの高いコアファンを獲得できています」

 すでにソニー・ミュージックエンタテインメントとは業務提携関係にあったが、8月末には同社から第三社割当増資も実施、より取り組みを深めていく計画だ。このほかにも、スターダストプロモーションとは複数のオーディションを共同開催。さらに、横浜DeNAベイスターズの試合中継や関連番組の放送も実施した。「SHOWROOM」というプラットフォームが備えるポテンシャルを着実に表現しつつある。

「コアなユーザーは可処分時間/所得にゆとりのあるM2層が多いのですが、この1年ほどで若年層が急速に増えてきています。オーディションについても、今までリーチできていなかった才能との接触回路になっているようです。事務所所属ではない完全なアマチュア配信者に何百人ものコアファンが生まれたりもしていますし、DEEP GIRLといった、「SHOWROOM」発のタレントも誕生し始めています」

■タレントのマネタイズ、訓練、認知拡大で、有効に機能

 DEEP GIRLは、もともと14年7月期にフジテレビで放送された生放送バラエティ番組『ディープガール』への出演権を「SHOWROOM」内で獲得したメンバーで構成されている。番組から離れた後も、彼女たちは「SHOWROOM」での人気者であり、14年末にユニットとして再集結することに。「楽曲制作権獲得イベント」「PV制作権獲得イベント」「レコーディング権獲得イベント」など細かくハードルを設定した上でCDデビューを目指し、デビューシングル「ディープガール」は7/20付ウィークリーランキングで13位を記録した。

「濃いファンをメンバーそれぞれが数百人規模で抱えているのなら、もしユニットを組んだらどうなるかという発想です。「SHOWROOM」は、努力する人、頑張る人には結果が出る仕組みです。今回ですと、楽曲などの制作費をギフティングで集めるなど、CDデビューまでに必要なプロセスもイベント化させ、ストーリーを共有していくことで、インタラクションの密度を高めていきました」

 ファンの熱量を確保しつつ、最終的には課金アクションへとポジティブかつリニアに誘導する。

「成功事例は蓄積されてきています。自分でアイデアを考え、セルフプロデュースするツールや仕組みは、すでに世の中にありますが、多様な才能の持ち主のモチベーションをいかに開発し、最大化するかが重要。タレントのマネタイズ、訓練、認知拡大というすべての部分で、「SHOWROOM」は有効に機能するはずです」

 当初より多言語対応を進め(8月7日現在は4言語)、海外展開も織り込み済み。間もなく、海外市場を舞台にした大型企画もアナウンスされそうな気配だ。仕掛ける側のモチベーション次第で大きなリターンを期待できる「SHOWROOM」という“ハコ”の真価を、今後ますます実感する機会が増えていきそうだ。

(ORIGINAL CONFIDENCE 15年8月17日号掲載)



関連写真

  • 「SHOWROOM」/仮想ライブ空間でアイドルやタレント、ミュージシャンなどがパフォーマンスの様子を生配信し、それをアバター化したファンがリアルタイムで応援できる。
  • デビューシングルがウィークリーランキングで13位を獲得した「SHOWROOM」発のユニット、DEEP GIRL

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