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「絶対やらない」はずの一人芝居を受けたのは魔女のせい? 佐々木蔵之介、NTS版『マクベス』で一人20役に挑戦

 佐々木蔵之介が12日、都内で行われた主演舞台『マクベス』の制作発表会見に登場。演出を手掛けるアンドリュー・ゴールドバーグと共に、本作への想いを語った。

PARCO presents『MACBETH(マクベス)』制作発表会見に出席した、主演の佐々木蔵之介(C)De-View

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 ウィリアム・シェイクスピアの作品群の中でも、最も有名な心理劇『マクベス』。その登場人物をほぼ一人で演じきるという大胆なコンセプトの元に作り上げられた舞台が、スコットランド・ナショナル・シアター(NTS)版『マクベス』だ。ジョン・ティファニーとアンドリュー・ゴールドバーグの二人の演出家と実力派俳優アラン・カミングがともに練り上げた本作を、佐々木蔵之介を主演に据え日本での上演が決定した。

 舞台は精神病院。登場人物は隔離病室に入れられたたった一人の精神病患者と、彼を見守る看護師と女医。患者の中に内在した『マクベス』の登場人物たちが、マクベスの忌まわしいドラマを再現していく斬新な設定だ。約100分間をほぼ一人でしゃべり、演じ切るという革新的な舞台・NTS版『マクベス』。

 ほぼ一人芝居となる本作主演を務める佐々木は「一人芝居は今まで何度かオファーがあったが、『絶対にやらない』って言ってたんです。だから『やるって言ったかな〜?』って何度もマネージャーに聞いたんですけど…」とオファーを受けたのか疑心。確かに「ジョン・ティファニー演出の舞台をブロードウェイで観てすごく感動して。そのジョンとアンディーが演出、アラン・カミングが主演でやっていたカンパニーの作品を日本でやるって言われて。しかも、本場のスコットランドのナショナル・シアターの方たちが来る(全面協力する)。演劇をやっている人間にとってこんなにいい機会、勉強できる機会はないので、“いいな〜〜”とは思ったんです」。ただ、“やる”と言った記憶はなく「そのとき周りに魔女がいたような気がします(笑)」と経緯を振り返った。

 いまだに「もちろんやる気ではいるんですけど、いつでも逃げる準備はできてます」と苦笑いを浮かべる佐々木に、隣に座る演出家のアンドリューは、しっかりと佐々木の腕を掴み「たぶんそのとき、お酒をたくさん飲んでたんじゃない?」と、笑顔でツッコミを入れ、会場の笑いを誘っていた。

 和気あいあいとした会見だったが、舞台は佐々木一人がマクベスをはじめ、マクベス夫人や魔女、マグダフなど一人で20人近くの役をこなす精神的にも体力的にも過酷な作品。アンドリューも先ほどの笑顔を隠し、ピリッとした顔つきで「お客さんに話が通じるようにするためには、役が変わる度にきちんと変わったことを認識させなければいけない。テンポよく変わる“役”を、衣装や小道具を使わずお客様に役が変わったことを伝えるには、蔵之介さんの演技にかかっている。いろいろな見せ方、聞かせ方をするというところが、一番大切。20人分の俳優の仕事をしなければならないので、20人分頑張ってもらわなければいけない」と。ただ、一週間ほど行ったワークショップでは「彼の知性や、テキストを深くまで分析してくださっていて、大きな発見、喜びとなりました」と、佐々木にますますの期待を寄せていた。

 アンドリューからさらなるプレッシャーがかけられる佐々木は「ビビッてます(笑)。心配と不安としかない」と本音を吐露。だが、「マクベスのセリフってすごくカッコよくて、役者冥利に尽きるようなセリフを言わせてもらえるっていうのはあります。以前にマクベス役をやったことがあるんですが、今回マクベス夫人も、マグダフもやる。だからそのマクベス夫人のセリフも言えることにちょっと感動で、楽しみ」とこの機会に感謝も。

 アンドリューは本作について、「初めて観るお客様にとっては、『シェイクスピアとはこんなに観やすいものだったんだ』と思ってもらいたいですし、初めてでない方にも楽しんでもらえる『マクベス』にしたい」と意気込み、「アラン・カミングも今回の日本版を楽しみにしていて。彼にとってもこの『マクベス』は、今までの俳優人生の中で一番大変だったので、蔵之介さんに『頑張って。グッドラック』というメッセージを預かってきました(笑)」と愛のこもったメッセージが伝えられた。

 佐々木も「シェイクスピアというとイギリスでもアメリカでも難しい、中でも『マクベス』は難しいものだと僕も思っていたんですけど、こんなに面白いのかと。これまで、いろんな国でいろんな人間が“マクベス”をやってきたけど、今回のこのカンパニーの面白さ、マクベスの面白さを、演劇を観てらっしゃる方はもちろん、ドラマや映画を観てらっしゃる方も楽しめる革新的な『マクベス』にしたい。このカンパニーで一緒に芝居を作れることはとても嬉しい」と、プレッシャーと不安を感じながらも、期待に胸を膨らませていた。

 PARCO presents『MACBETH(マクベス)』は、7月12日から東京・パルコ劇場を皮切りに、豊橋、大阪、横浜、北九州と8月30日まで公演が続く。

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  • PARCO presents『MACBETH(マクベス)』制作発表会見に出席した、主演の佐々木蔵之介(C)De-View
  • PARCO presents『MACBETH(マクベス)』制作発表会見に出席した、主演の佐々木蔵之介(右)と演出のアンドリュー・ゴールドバーグ(左)。(C)De-View
  • 心配事もありながらも期待も膨らませた佐々木。(C)De-View
  • 演出のアンドリューも佐々木の演技力に納得。(C)De-View
  • 会見では演技や舞台について熱い話も。(C)De-View
  • 演じる登場人物を数える佐々木に「ハムレットと〜」と邪魔をするお茶目なアンドリュー。(C)De-View
  • 「逃げる準備はできてる」と話す佐々木を逃げないよう掴むアンドリュー。(C)De-View
  • 「やるって言ったかな〜?」と思い出そうとする佐々木。(C)De-View
  • MCの女装パフォーマー・ブルボンヌにバレンタインにちなみ赤いバラのプレゼントをする一幕も。(C)De-View
  • 紅茶とチョコレートを振る舞っての茶話会では、さらにディープな舞台の話が続いた。(C)De-View

提供元:Deview

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