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『サラリーマン山崎シゲル』でブレイク “第2の鉄拳”田中光とは何者か?

 Twitter上で発表していた作品が話題を呼び、書籍化されるや10万部の大ヒット。あの二階堂ふみもファンを公言する『サラリーマン山崎シゲル』の作者・田中光。ORICON STYLEでは、謎のベールに包まれた氏にインタビューを敢行。芸人を生業としながらも、漫画家として脚光を浴びることで生じるジレンマを真摯に明かしてくれた。

漫画『サラリーマン山崎シゲル』がスマッシュヒットした田中光(芸名:タナカダファミリア)

漫画『サラリーマン山崎シゲル』がスマッシュヒットした田中光(芸名:タナカダファミリア)

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■なんか“一発屋”的な火の付き方してるなって(笑)

――漫画『サラリーマン山崎シゲル』が大ヒット中の田中さんですが、芸人さんなんですよね? このヒットというのは嬉しさと戸惑いが入り混じっているのかなって勝手に思っているんですけど。
【田中光】あぁ〜。確かにそうですね(笑)。もちろん色々なところで取り上げて頂いて凄く嬉しかったんですけど、なんか“一発屋”的な火の付き方をしているなという怖さはありますね。

――このブレイクの仕方はヤバいぞと(笑)。
【田中】はい(笑)。でも、僕も芸人として売れない期間を10年以上過ごしてきて、面白い芸人は山ほど見てきたんですね。今って“一発屋”という言葉がネガティブな響きになってますけど、一発当てるだけでも凄いんですよ(しみじみ)。

――田中さんは元々、地元・大阪時代は吉本に所属してたんですよね。上京してから、現在の事務所に移籍されて。
【田中】はい。お笑いを観る姿勢も東京と大阪では全く違うので、そこも最初は苦労しました。大阪は割と「はいどうも〜♪」で始まったらすぐにネタに入り込んでくれるんですけど、東京の場合はお客さんが入り込むのに時間が掛かるんです。

――あぁ〜事前のトークでしっかり掴まないといけないから。
【田中】そうなんです。僕も今まで散々ネタをやってきたんですけど、説明不足を指摘されることが凄く多かったんです。

――分かりにくいと(笑)。
【田中】何を面白がっていいのか分からないと(笑)。でも、絵やと言葉での説明もいらずにお客さんも入ってきやすいし、ボケも絵だけで表現できる。僕としてはやりやすいなって。

――それって普通の漫画家さんとは異なる、芸人さんならではの感覚ですよね。大喜利に近い表現方法というか。
【田中】あ、完全に大喜利です! 大喜利のつもりでやってますね。

――『サラリーマン山崎シゲル』は、お題として「こんな部下は嫌だ」の回答になっているというか(笑)。
【田中】まさにその通りですね。「こんな部下は嫌だ。さてどんな部下?」っていうお題ですね(笑)。

――逆に言えば、1枚絵で表現することの方が田中さんにとってはやりやすかったんですね。
【田中】そうですね。ひょうきんさが無く育ってきた者ですから。こういう感じで表現した方が僕らしいというか(笑)。

■並べて頂くのもおこがましい! 鉄拳さんはヤバいです

――10年以上芸人をされていて、なかなかブレイクには至らなかったワケですよね。『サラリーマン山崎シゲル』の最高は、根幹の部分は変わらず、ちょっとしたアプローチの変化で広がる典型的な例だと思います。「なんだかなぁ」って思ったりすることもあるのかなぁって。

【田中】あぁ〜。確かに凄くありがたいんですけど、「こんなことだったの!?」という気持ちは確かにあります。今までも『R-1ぐらんぷり』とかも出てたんですけど、行けて3回戦止まりだったんですよ。ですから、嬉しさの方が勝ってはいますけど、ジレンマを感じる瞬間もありますね。

――ですよね〜。
【田中】僕としては、入れ物を変えたぐらいの感覚なんですけどね(笑)。

――それぐらいの気持ちですよね。ただ、芸人としてのキャリアがあったからこそ、漫画が受けたのは間違えない。
【田中】そうですね。「両方やっておいてよかった〜」って本当に思います(笑)。

――巷では、同じく漫画で表現ということから“第2の鉄拳”さんという見られ方もされてますよね?
【田中】いやいや。そういう風に言われることもたまにあるんですけど、僕はあんな風に感動させることなんて出来ない。並べて頂くのもおこがましいくらい鉄拳さんはヤバいです。絶対僕のマンガだとミューズに公認なんてされないでしょうし(笑)。

■漫画家・田中光の知名度が上がるほど、『R−1』3回戦落ちは許されない!?

――ちょっと意地悪な質問なんですけど、漫画家・田中光という名前が先行してしまうと、芸人・タナカダファミリアにとっては、もしかしたら足かせになる可能性もあるのかなって思うんです。
【田中】それはどこかで何かを決断しないといけないなとは思ってるんですけど…。ただ、今は先ほども言ったように芸人としてもフリップに絵を書いてネタやってるので、そこまでやってることに差は無いんですね。ですから、漫画も書ける芸人さんとして隅っこの方に居させて頂ければいいなと(笑)。

――もうひとつ、イジワルな質問していいですか?
【田中】あまりイジメないでください(笑)。

――漫画家・田中光の知名度がどんどん上がっていくと、もう『R−1』三回戦落ちは許されないと思うんですけど…。
【田中】めちゃくちゃイジワルじゃないですか(笑)。ただ、これだけはご理解いただきたいんですけど、漫画のネタは舞台でやって面白い内容ではないんです。舞台は舞台でまた別のネタで臨んでいくので。ただ、もうお笑い芸人って言わない方がいいのかなって……。

――いやいや!独自の道を歩んでる感じは出てるんで問題ないと思いますよ!
【田中】そうですかねぇ? 「お笑い表現の1つです」って言うとちょっとカッコイイかなって(笑)。

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