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今年の『紅白』発表から改めて見えた「朝ドラの復権」

 大晦日の『第65回NHK紅白歌合戦』の出場者が、26日に発表された。全51組中、初出場は紅組がHKT48May J.薬師丸ひろ子、白組がV6SEKAI NO OWARIの計5組。初出場組こそ多くないが、12年ぶり2度目の出場となる中島みゆきや社会現象とまでなっている『妖怪ウォッチ』の企画コーナーが設けられるなど、見どころは目白押しだ。そんな出場者の顔ぶれから、その年のエンタメシーンを総括するのも『紅白』の面白さ。今年のキーワードは前述の『妖怪ウォッチ』に加えて、『アナと雪の女王』、さらに「朝ドラ復権」の3つの要素が挙げられるだろう。

『第64回NHK紅白歌合戦』記者会見の様子 (C)ORICON NewS inc.

『第64回NHK紅白歌合戦』記者会見の様子 (C)ORICON NewS inc.

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■2014年を代表する2大コンテンツ『妖怪ウォッチ』『アナ雪』

 『妖怪ウォッチ』については、人気キャラクター「ジバニャン」が記者発表でひときわ大きな存在感を放っていたが、主題歌「ゲラゲラポーのうた」を歌うキング・クリームソーダ、エンディング曲「ようかい体操第一」を歌うDream5が、スペシャルパフォーマンスを披露することが予定されている。セールス的なヒットはもちろん、「ようかい体操第一」は今年、数多くの幼稚園や小学校の運動会でも取り入れられており、子どもたちも『紅白』に釘付けになるに違いない。

 一方で気になるのが、同じく今年の話題をさらった『アナ雪』の扱いだ。日本版主題歌「Let It Go〜ありのままで〜」 を歌唱した初出場のMay J.と、アナ役として「雪だるまつくろう」「生まれてはじめて」などの劇中歌を担当した神田沙也加の出場は確定。しかし残念ながら、エルサ役として劇中歌「レット・イット・ゴー〜ありのままで〜」を担当した松たか子の“歌手”としての出場は発表されていない。

 ORICON STYLEが、10〜40代の男女を対象に実施した『出演してほしい人』調査では、20〜40代で断トツトップを記録し、総合首位に松の名前が挙がっている。これは国民の総意と言っても過言ではないだろう。発表会見では、松へのオファーについて「全部決まった段階でお知らせします」(柴崎哲也プロデューサー)と、「アナ雪コーナー」について言及されることはなかった。しかしこれほどまでの社会現象となった作品だけに、無視はできないはず。「これまでテレビでまったく歌ってないから」(30代/女性)、「紅白で、生で、あの力強い歌声が聞きたい!」(30代/女性)「日本語版の本家レリゴーを日本中が待っている!」(40代/男性)といったラブコールに応えて、果たして“雪の女王”の降臨となるか!? その動向に注目したい。

■『紅白』を彩る朝ドラ主題歌アーティストたち

 そして、最後のキーワードとして挙げたいのが「朝ドラ復権」だ。1961年より放送が始まったNHK朝の連続テレビ小説、通称“朝ドラ”は、長年にわたって日本の爽やかな朝の象徴だった。しかし2000年代以降は、生活スタイルの変化などから平均視聴率が徐々に低下。なかでも、昔からの視聴習慣のない若者の“朝ドラ離れ”は顕著とされてきた。

 しかし、2010年上期に放送された『ゲゲゲの女房』から放送時間が15分繰り上がったことや、“ダイジェスト版”の放送をスタートしたこともあって、徐々に視聴率が回復傾向に。そして決定打となったのが、昨年上期に放送され、終了後には「あまロス」という現象まで呼んだ『あまちゃん』だ。ORICON STYLEが今年9月に調査を行った「朝ドラを観るきっかけになった作品」ランキングでは、2位以下に大差をつけて『あまちゃん』がトップに。同作をきっかけに視聴習慣がついた若者も多く、その後の『ごちそうさん』や『花子とアン』、そして現在放送中の『マッサン』と、いずれの作品も平均視聴率20%を上回る安定した数字をキープしている。

 昨年の紅白では、朝ドラとしては異例の約30分にわたって特別コーナー「連続テレビ小説『あまちゃん』“特別編”」が設けられ話題を集めたが、今年の紅組司会を務めるのは、今年上期の『花子とアン』で主人公を演じた吉高由里子。また『花アン』主題歌を歌った絢香、『マッサン』主題歌を歌う中島みゆき、さらに昨年上期の『あまちゃん』をきっかけに再び歌手として脚光を浴びている薬師丸ひろ子が実にデビュー36年目で初出場と、まさに朝ドラ勢が揃いぶみとなっている。このことからも、朝ドラが“日本の朝の象徴”として復権したことが窺える。

 出場歌手はもちろんのこと、あらゆる顔ぶれから2014年を総ざらいできるのが『紅白』。やっぱりこれを観ないと、今年を締めくくれない!

(文/児玉澄子)

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