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『攻殻機動隊』の世界を“リアル”に 可能性を検証

 1989年に士郎正宗氏が漫画作品を発表して以来、映画、テレビシリーズ、OVAとして映像化されてきた『攻殻機動隊』。来年、長編アニメーションの公開も控える中、日本の研究者たちが立ち上がり、この『攻殻機動隊』の世界を“リアルに作ろう”という壮大なプロジェクト、「攻殻機動隊REALIZE PROJECT」がスタートした。

「攻殻機動隊REALIZE PROJECT」がスタート

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 『攻殻機動隊』は、情報ネットワークとサイボーグ技術の発達によって、人々の意思が“電脳”でつながれた未来社会を舞台にしたSF作品の金字塔。今月12日、都内で開催されたドコモが支援するベンチャー企業による開発成果発表会「NTTドコモ・ベンチャーズDay」で、「光学迷彩」、「電脳」、「義体」といった作品に関係深い技術を研究する各界の識者によるトークセッションが行われた。

 「『攻殻機動隊』にヒントを得て光学迷彩を開発した」という稲見昌彦氏(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授)は、「漫画や映画は繰り返し観ています。『攻殻』に恩返しできればという重いからこのイベントに参加しました。あるSF 映画監督は、95%のリアルに5%の空想を加えると良い作品ができると言いました。我々はその5%をリアルにできるよう、引き続き頑張っていきます」と意欲。

 代替現実SR(Substitutional Reality)の研究者である藤井直敬氏(理化学研究所 脳科学総合研究センター 適応知性研究チーム、チームリーダー/ハコスコ 代表取締役)は「テクノロジーの進歩の観点のみでなく、『攻殻』の世界が実現したら平和な社会は保てるのか? 世界がどう変わるのかを考えながらテクノロジーに寄り添っていきたい。『攻殻機動隊』もそうやって読むと面白い」と話した。

 脳以外は義体化された主人公のサイボーグ・草薙素子の誕生は可能か? ヒューマノイドロボットの実用化を目指している梶田秀司氏(産業技術総合研究所 知能システム研究部門ヒューマノイド研究グループ 主任研究員)は「まだまだ『攻殻』の世界は現実的ではない」としながらも「その溝を埋めるために日々のたうち回っています。応援よろしくお願いいたします」と可能性に期待をもたせた。

 遠藤諭氏(角川アスキー総合研究所 取締役主席研究員)は「情報と分析では答えが出ない問題を解決するのは、エンタメの跳躍力だと考えており、今回のREALIZE PROJECT は正にそれだと思っています」と同プロジェクトの意義を語っていた。

■「攻殻機動隊」公式サイト
http://www.kokaku-a.jp/

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  • 起業や支援活動を通してベンチャーを支援しているNTTドコモ・ベンチャーズ

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