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若い発想力で地域活性化に貢献 大学と行政のユニークな取り組み

 「タコの墨とイカの墨の違いって何だと思う?」。小学生約20名を前に“ミニ授業”を行うのは、追手門(おうてもん)学院大学(大阪府茨木市)の学生たち。8月上旬、同大学のキャンパスがある茨木市が開催した、小・中学生対象のイベント『まちづくり塾』での光景だ。まちおこしや子どもたちの食育にかかわる大学生の取り組みは、さまざまな広がりを見せている。

 同イベント『まちづくり塾』は、茨木市が地域活性化のために実施したもので、同大学がこのイベントにかかわるのは初めてのこと。小・中学生を対象とした『まちづくり塾』は年1回開催していたものの、なかなか人数が集まらずに苦労したこともあったと話すのは、都市整備部都市政策課の田邊課長。「今回初めて追手門学院大学に協力いただきましたが、わずか3時間で定員になるほどの反響でした」。コラボ企画1回目にして驚きの反響を目の当たりにし、大学のアイデア力を痛感したという。

 この日は、大阪府中央卸売市場からスタート。仲卸業者から魚介類についてのマメ知識や業務内容を聞き、青果物の競りを見学する。卸売市場を後にし、たどり着いた同大学の教室で繰り広げられたミニ授業は、経営学部、村上喜郁(よしふみ)准教授のゼミに所属する学生たちが進行。魚や野菜がどのようにして食卓に届くのかを、イラストを用いてわかりやすく説明したあとは模擬競り体験も実施。その日の卸価格にもっとも近い値段を書いた人が賞品を獲得できるという遊び心のあるルールで、子どもたちを夢中にさせていた。

 学生たちを見守る村上准教授は「安全面等の問題がありそうな場合を除き、口出しはせずに学生たちの自主性に任せています」と説明する。経営学は理論と実践の学問。学校で学びながらビジネスの現場に触れ、迷い、悩みながらモノ作りやプロデュースを行っていく体験を大切にしているという。

 同ゼミは卸売市場と事業連携が盛んで、卸売市場で取引している食材を活用したB級グルメ開発も実施している。生鮮食料品の消費拡大と、市場活性化事業の一環として作られた『追手丼(おうてどん)』(イワシやトマトを使ったかき揚げ丼)も、学生たちのアイデアを元に作られたものだ。

 「地域の魅力を知り、地域が何を求めているか知る。そのために何ができるか考えて戦略を立て、自ら動き、人と人や企業や企業を繋ぐ。そんな発想力や行動力がこれからの時代は求められます」と語るのは、同大学が設立した地域文化創造機構の機構長を務める河合博司教授(社会学部)。

 まちを育てる“地域活性化”は、少子高齢化や過疎過密化問題を抱える今の日本にとって重要な問題。同大学は現在、地元・地域のために協働できる人材を育てる「地域創造学部」開設に向けて準備を進めているが、次世代のまちづくりプロデューサーが誕生するか、注目だ。



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