味の素ゼネラルフーヅによる東日本大震災の復興支援『AGF＜ブレンディ＞東北 器の絆プロジェクト』の一環として「東北　器の絆親子陶芸教室」が13日、宮城県の亘理町勤労青少年ホームで開催され、亘理町にある荒浜小学校に在籍する3年〜6年生の親子、約20組43名が参加。同プロジェクトによって昨年修復された末家焼 ひろ窯の当主である加藤文夫さん・ひろ子さん夫妻の指導を受けながら、末家焼のコーヒーカップ作りに挑戦した。

　同プロジェクトはコーヒーとつながりの深い“コーヒーカップ”を通した震災復興支援活動で、今年で3年目。東北には伝統的な焼き物が数多く存在することもあり、過去2年は被災した窯元の修復を中心に支援を行ってきた。3年目となる今年は一歩先に進み、“器”を通して交流やくつろぎの素晴らしさを伝える活動へとシフト。6月24日に行われた今年度の立ち上げ式には、横山敬一社長をはじめ、プロジェクトサポーターを務める女優で歌手の原田知世、過去2年の支援で修復された南部名久井焼、堤焼 乾馬窯、会津本郷焼 宗像焼、末家焼 ひろ窯の4窯元当主らが出席。それぞれ始動に向けての意気込みを語っていた。

　今年新たに行う陶芸教室は親子や地域の絆を広げることを目的としたもので、4窯元の当主が“先生”となり、各窯元の地域の小学生およびその保護者を対象にそれぞれ実施。今回の会場となった宮城県・亘理町は、震災当時70〜80cm以上の津波が襲い、壊滅的な被害を受けた地域。1400戸ほどあった民家の多くが流され、震災復興が進む現在でも住居は約400戸のみだという。

　そんな同地で行われた陶芸教室では、実際に陶芸用の粘土に触れた子どもたちが「難しいけど、 楽しい！」と大喜び。母親の名前を入れたプレゼント用カップを作る父子、大好きなバラをモチーフにした デザインに取り組む女の子など、皆が思い思いの制作作業に没頭。この日の作業は柄付けまでで、 乾燥させてから焼き上がるまでは、1ヶ月ほど時間を要するというが、子どもたちは「（出来上がったカップで）コーラやコーヒー牛乳を飲んでみたい！」と、目を輝かせて仕上がりを心待ちにしていた。

　イベントを振り返ったひろ子さんは、「亘理町の地域の子どもたちと一緒に作品作りができるというのは、 とても意味のあること。これからもつながりを持ちながらお互いに頑張って進んでいきたいです」と感慨深い様子だった。なお、子どもたちが制作したカップは、9月に東京・六本木で開催される『東北 器の絆ギャラリー』で展示される予定。

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