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モー娘。& AKB48“育ての親”が語るアイドルの資質〜なぜ前田敦子を選んだのか?

 モーニング娘やAKB48の振り付けを担当し、“怖い夏先生”としてもお馴染みの夏まゆみ氏が、初のビジネス書『エースと呼ばれる人は何をしているのか』を出版。ORICON STYLEではインタビューを敢行。芸能界で大成するためのアイドルとしての資質について独自の視点で語ってくれた。

アイドルの資質を独自の視点で語る夏まゆみ氏

アイドルの資質を独自の視点で語る夏まゆみ氏

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■いかに“良いプライド”を保てるか?

――これまでに、数多くの著名人と接してきた夏先生ですが、大成する人の資質という部分での共通項について今作では明確に提示されていますね?
【夏】はい。本にも書かせて頂いたんですけど、簡単に言うと、自分を持っていること、ブレないこと、常に学ぶ姿勢があること、そして一番大事なのは“良いプライド”を持っていることだと思います。

――ただ、プライドを持つことと、学ぶ姿勢ということは必ずしも比例していくとは限りませんよね? プライドが邪魔をして学ぶ姿勢を疎かにしてしまうこともあると思うんです。
【夏】プライドには“良いプライド”と“悪いプライド”があって、学ぶ姿勢を疎かにしてしまうのは、悪いプライドが邪魔をするから。それは芸歴や地位ということにも置き換えられます。でも、大成して尚且つ長年に渡って芸能界の第一線で活躍している人は、瞬時に“裸の自分”をさらけ出せるんです。良いプライドというのは、裸になれた上に、自分が何を求められているかを理解していて、それに必ず応えてやるという信念だと思うんです。

――本にも書かれていましたが、郷ひろみさんや志村けんさんの仕事に対する姿勢には感銘を受けたようですね?
【夏】はい。もうこちらがビックリするほど素直で、もしかしたらモーニング娘。やAKBよりも素直に聞き入れてくれるんじゃないかなって(笑)。

――そこまで(笑)。
【夏】例えばリハを繰り返したりすると、安倍(なつみ)なんかは「まだやるんですか」とか言ってくるのに対して(笑)、郷さんは嫌な顔ひとつせず「はい!」って。とても良いプライドを持っていらっしゃるんです。

――それは、貪欲に新しいモノを吸収しようという欲求の表れですよね。何時でも教えをこう立場になれるという。
【夏】そういう気持ちって凄く素敵だなぁって思うんですよね。芸能界という厳しい世界で長くご活躍されている方は共通してその姿勢をお持ちですね。

■前田敦子を見て「この子はきっと芸能界で生きていける!」って

――夏先生はAKB48の立ち上げから参加され、1期オーディションの審査員を担当していましたし、前田敦子さんを強く推したのも夏先生でした。 審査の際、「この子は芸能界で生きていける」という資質をどのように見分けるんですか? 特にAKBは“会いに行けるアイドル”というコンセプトで身近な存在としての価値観を見出しているだけに、余計に難しいと思うんですけど…。
【夏】“会いに行けるアイドル”というコンセプトは、結成当初から掲げていたワケではなく、後に秋元(康)さんがフレーズとして使い始めました。当初、秋元さんが私に言ってたのは「これからのアイドルはテレビからじゃなくて、ファンが直接的に育てていくんだよ。一緒にやらない?」って。私は「はぁ…」としか返せなかったんですけど(笑)。

――でも、常設劇場の設置、握手券、選抜総選挙など、確かにファンがこれまで以上に直接的に関われるグループですよね。
【夏】そうですね。で、私もお引き受けしたんですけど、私が見ていたのはダンスのスキルではなくて、オーディションに合格したいという明確な目的を持ってきた子、もっと言えば、“生きる目的を持った子”です。その目的を掴むためにどのような行動を取るのかを見ていたんです。だから、本当に踊れない子ばかり選んでましたね。

――そうだったんですか(笑)。
【夏】踊りという点でも、ゼロからの子、裸の子をあえて選んだんです。踊りは練習すれば誰でも上手くなるので。

――ということは、やはり個々の気概というか、懸ける思いになりますよね。前田敦子さんにはそれが携わっていたんですね。ただ、口で「頑張ります!!」っていうのは正直誰でも言えるワケで……。
【夏】「絶対合格したいです!!」って声高に主張している子に限ってすぐ辞めますね(笑)。ダンスの審査では、最初に16小節くらいの振りを踊ってくださいと指示します。で、練習時間を経て審査員の前で本番という流れなんです。実は、私は本番でのダンスの出来は全く見ていなくて、本番までの“過程”を重視しています。

――本番までの過程を、如何に有効に、かつ集中して取り組んでいるか?ということですか。
【夏】その通りです。全くやる気のない練習をしている子もいれば、周りの子たちの出来ばかり気にしている子もいる。そんな中で前田は、貪欲に振りを覚えてやろうという鬼気迫る雰囲気で練習に臨んでいて、周りの子たちの出来なんか全く気にするそぶりを見せず自分のことだけに没頭していたんです。その集中力をみて、「この子はきっと芸能界で生きていける」って思ったんです。

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