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【一問一答】“影武者”新垣隆氏、金銭トラブルなかった 報酬は「700万円前後」

 全聾(ろう)の作曲家・佐村河内守(さむらごうち・まもる)氏が代表作を別人に作曲してもらっていた問題で、実際に作曲していた桐朋学園大非常勤講師の新垣隆氏が6日、都内で記者会見を開いた。新垣氏は終始うつむき、沈痛な表情を浮かべながら謝罪の言葉を述べた。以下は主な一問一答。

全聾作曲家・佐村河内守氏のゴーストライターを務めていた新垣隆氏 (C)ORICON NewS inc.

全聾作曲家・佐村河内守氏のゴーストライターを務めていた新垣隆氏 (C)ORICON NewS inc.

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冒頭あいさつ
「私は、佐村河内守さんと出会った日から18年にわたり、彼の代わりに曲を書き続けていました。佐村河内さんが世間を欺いて曲を発表していることを知りながら、指示されるがまま、曲を書き続けた私は、佐村河内さんの共犯者です。障害をお持ちになった方々、また、彼の言葉を信じて曲を聴いてくださった非常に多くの人々、見事な演奏をしてくださった演奏家の皆さま、本当に申し訳ありませんでした」

――佐村河内さんは本当に耳が聞こえないのか?
「私の認識では、初めて彼と会った時から、今まで特に、耳が聞こえないということを感じたことは1度もありません」

――佐村河内さんとの契約、お金の管理は?
「彼が依頼、私が作曲。それによって私は報酬を受け取っていました。印税に関しては私は全く関係ありません」

――ドキュメンタリー番組のなかで佐村河内さんが苦悩して作曲した様子を放送していたが、演技だった?
「彼がどのような気持ちであのようなシーンを撮られたか私にはわかりません。演技だったと私は思っています」

――共作の提案は今までにあったのか?
「提案はしなかった。あくまで彼のゴーストライターであるべきだと思っていた」

――ゴーストライターとして曲を書いた報酬は?
「18年間で20曲以上を提供しました。金額はちゃんと調べていないですが、700万円前後だと思います」

――演奏家やCDを買った方への賠償の予定は?
「今の気持ちでは考えていません。演奏家の方に対しては感謝の念を持っています。それをお伝えしたい。CDを買われた方へも大変申し訳ないことだと思っております」

――今後著作権を主張されるか? 著作権についての話し合いは?
「著作権は放棄したいと思います。話し合いは一切していない。JASRACとの話し合いも、私は一切関わっていません」

――クラシック業界に不満はあったか?
「特に不満に思っていることはありません。作曲家が自分の作品を発表するために、この場は決して貧しい物だと思っていません」

――公表した事実はどの範囲が知っていたか?
「彼と接触をするときは彼と私の二人だけ。やり取りにおいては、ごく普通のやり取りをしていた。それ以外に彼と会うということはありませんでした」

――レコード会社の日本コロムビア、取材をしたNHKのディレクターも新垣さんについて知らなかった?
「私はNHKの方に会っていなくて、コロムビアの方ともコンタクトを取っておりませんでした。私は全く知らないです」

――会見をして謝罪するけじめ以外、今後の身の処し方は?
「できることならば、今後も私の音楽の仲間たちとともに音楽活動を続けていきたいと強く思っています」

――高橋大輔選手への影響は考えなかったのか?
「偽りの状態という状況のまま踊っていただくことは、非常によくないことだと思いました」

――佐村河内さんの障害者手帳は?
「障害者手帳を見せられたことはある。時期は、彼が自分は耳が聞こえないとスタンスをとった時期、35歳頃だったと思う」

――佐村河内さんはどの程度作曲に関わっていたか?
「まず私は音のモチーフを、断片のようなものを提示し、ピアノで録音して、彼がそれを聴いてその中から彼がいくつか選んだものを断片に私が全体を構成していました。(譜面上ではなく、ピアノを聴かせていた?)はい」

――佐村河内さんは普通の人と同じという認識でいい?
「私は彼と普通のやりとりをしていた。(障害者とは)違うのでないかと思います。最初は私に対しても耳が悪い状況であるということを示していたのですが、やり取りしているうちにだんだん戻ってきた」

――佐村河内さんは、CDを買う人に向けて障害者の方がCDが売れるんじゃないかなど発言はあったか?
「これからはそういう形でいくという話を聞いたことはあります」

――報酬面の不満や金銭面のトラブルは?
「譜面を作り、彼に渡して報酬をもらうのは自然なことだと思っていて、受け取った後は彼のものなので、どのように扱ってもいいと思っていた。その後について私は一切タッチしたくないという気持ちがあった。金銭トラブルもなかった」

――著作権料放棄、これまでの損害はどう処置する?
「そのことに関してはまだ私はどのような形で償えばいいのかわかっておりません」

――18年間の間で見てきた佐村河内さんの変質は?
「お会いした時、彼は自分がとった映画の仕事で、どうしても自分のアイデアを実現したいというのがあり、予算を大幅に超えて、自分のお金を出してメンバーを雇い、スタジオを借り、私は協力してきた。彼は自分のやりたいことを実現させるために頑張ったんだと思う。そのようなところは、非常に偉いと思っていた。彼が変質したかどうかは実際のところそんなに感じてはいなかったかもしれない」

――佐村河内さんと友情はあった?
「基本的には、彼が依頼し、私が譜面を作って渡すというやりとりだけの関係を保っていた。そのなかで彼の情熱と私の情熱が非常に共感し合えた時というのはあったと思っている」

――18年間のなかでいつ頃から欺く行為を止めようとしたのか?
「耳が聴こえないのだということを言い出したときは戸惑い、その必要が果たしてあるだろうか。それはこのような関係を立たせるための方法であったということは、私は了承していた。やめたいと直接言ったのは去年のこと。それまで彼にはっきりと自分の意志を伝えたことはなかった。彼から依頼を受ければそれを受けるということをごく当然に続けていました」

――その環境のほうがより世間の注目を集めると思っていた?
「ゴーストライターとしての役割を果たすためにはそれが知られてはならないので、なるべくそれがやりやすいような状況を望んでいたのは否めない」

――芸術的な共同作業者という認識は?
「彼は実質的にはプロデューサー。彼のアイデアを私が実現する。彼は自分のキャラクターをつくり出したということで。作るために私は協力したということ」

――佐村河内さんは譜面が書けない?
「彼は書けないです」

――ゴーストライターだと言いたくなる葛藤は?
「自分の作品が演奏されて多くの方が聞いてくださるということは非常にうれしいことでした。なのですが、この場合はそれをどう自分のなかで受け止めていいのかわからなかった」

――高橋選手がソチ五輪で楽曲を使用すると知ったときの気持ちは?
「高橋選手があの曲を選んでくれたことは大きな喜び。このような事態になってもなお、選んでくれたこと聞いて非常にうれしく思いました」

――佐村河内さんは耳が聞こえないということ以外に耳鳴り、杖を使っていたり指に障害があるようでしたが?
「その件に関してはお答えできない。彼から説明を受けたことはなく、それがどのようなものなのか私にはわかりません。(杖や包帯など)そういう時もありましたけれど、そうじゃない時もありました」

――今後佐村河内さんに対して裁判は起こすか?
「私のほうからは考えていない」

――佐村河内さんの名前で発表したCDの名義は今後どうなる?
「彼の名義で発表されたものはそういうものだと思っている」

関連写真

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