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『AKIRA』大友克洋監督が紫綬褒章受章「びっくり」

 『AKIRA』『スチームボーイ』を代表作で知られる、漫画家でアニメーション監督の大友克洋が紫綬褒章を受章したことが2日、わかった。アニメーション部門の長編映画系では平成10年の高畑勲監督以来、15年ぶりの快挙となる。都内で会見を行った大友氏は「自分が対象になっていることを知らなかったのでびっくり。そんな年になったのかな」と冗談めかしながらも喜びを語った。

紫綬褒章を受章した大友克洋監督 (C)ORICON NewS inc.

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 大友氏は漫画家・アニメーション監督としての長年の圧倒的な画力、構図、物語の構築力、鋭い映像感覚をもとに数々の国際的に注目を集めた作品を発表。「わが国芸術文化の発展に大きく貢献した」として受章となった。

 今年で画業40周年を迎える大友氏は転機になった作品について聞かれると「やっぱり『AKIRA』は長い連載になったし外国にも出たし、自分でアニメーションも監督したので大きかった」と感慨深げ。

 それでも「まだ終わってないので振り返ったことは全然ない。すぐヒットが出るわけじゃないので自分の中で淡々とやっているつもり」といい、現在も一日7、8時間は机に向かっていることを明かした。「新しい時代に向けて作品をつくりたい。でもおおげさには考えず、自分なりの考え方、生き方で創っていくしかない」と気持ちを新たにしていた。

 今年7月には劇場最新作『SHORT PEACE(ショート・ピース)』のオムニバスのうち『火廼要慎(ひのようじん)』を制作。フランス・アヌシー国際アニメーション映画祭での正式上映をはじめ、第16回文化庁メディア芸術祭 アニメーション部門大賞受賞などの国内外でも評価を受けた。

 海外での日本の漫画やアニメ人気には、「ちょっとピークが過ぎた感じがしないでもない。若い人があまり出ていないし業界内で活気がない。ビッグなヒット作品もあるけど、作品的に充実したものがもう少しあるべき」と言及。その理由には、「昔は日陰ものだったから返って好きなことができた。今は企業の中の企画が多い。新しい人、変わったことをする人がなかなか入れないので、そういう人たちに光を当てるべきなのにそこまでいかないのはなんとかしなきゃいけない」と持論を展開した。

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