大型台風が接近し、横浜名物のベイブリッジ上にもグレーの雲が立ち込めるなか、ステージ上空だけ晴れ間が差し込んだ。タイトルにふさわしく夕暮れ時の17時半に開演すると、ボーカルの草野マサムネが心地よい歌声を潮風に乗せて響かせた。
「夏が終わる」を久しぶりに歌唱したという草野は「20年前、暑すぎる夏を見越して作った曲なんですけど、1993年はめちゃめちゃ寒い夏で」と懐かしそうに回顧し「きょうのために作った曲なのかな」とニッコリ。薄雲をまとった半月に照らされながら「月に帰る」を歌い、ファンを魅了した。
発売日から連日オリコンデイリー1位を記録している最新アルバム『小さな生き物』(11日発売)の表題曲をライブ初披露したほか、デビュー曲「ヒバリのこころ」、代表曲「チェリー」「渚」など全23曲を熱演。ベースの田村明浩の呼びかけで、同所から徒歩15分の横浜スタジアムでデビュー10周年記念ライブを開催中のASIAN KUNG-FU GENERATIONに向け、観客1万5000人が拍手を送る一幕もあった。
全14枚のオリジナルアルバム収録曲を網羅した草野は「この日を目標に頑張ってきたから明日からどうしよう…」と笑わせながらも「忘れられない夜になりました。皆さん一人ひとりと三浦海岸あたりで語り明かしたい気分」と充実した表情でステージを後にした。
スピッツは最新アルバムを引っさげて、11月1日から全国ツアー(全53公演)をスタートさせる。
⇒⇒ スピッツのチケット発売情報/ファンクラブ情報
