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英オーディション番組『X FACTOR』日本上陸の狙い

 英国発の人気オーディション番組『X FACTOR』の日本版が、8月からスタートした。同番組は製作委員会が構成され、ソニーミュージックと吉本興業が中核を担う。日本独自の企画としてはダンス部門も設置。同番組からアジアで活躍するスターの発掘を目指していく。

『X FACTOR OKINAWA JAPAN』(募集期間:8月9日〜9月7日/10月19日より沖縄テレビで放送開始)

『X FACTOR OKINAWA JAPAN』(募集期間:8月9日〜9月7日/10月19日より沖縄テレビで放送開始)

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■アジア展開へのハブとなる沖縄でスタート

 ワン・ダイレクションなどを輩出し、世界で3億5000万人の視聴者を獲得しているという英国発のリアリティ系オーディション番組。いよいよ日本版『X FACTOR OKINAWA JAPAN』が10月からスタートする。放映は沖縄テレビ。オーディションの運営と番組の制作の中核はソニー・ミュージックエンタテインメント(以下SME)と吉本興業となる。

 「もともとプロデューサーのサイモン・コーウェル率いる、音楽制作とマネジメント会社のSYCO(サイコ)と、フォーマット権を持つフリーマントルメディアの企画による番組です。そしてこの番組を足がかりに、世界各国のソニーミュージックから多くのヒットが生まれています。日本版も、という話はもちろん以前からあったのですが、日本は独自の音楽リアリティショウ系の番組もすでに存在していたということで、タイミングを慎重に見ていた」とSMEの毛谷村伸也氏。今回は、音楽業界を盛り上げる意味でも、近未来のスターを創っていく作業が必要との判断でゴーサインが出た。しかし、なぜ沖縄からの発信なのか。

 よしもとクリエイティブ・エージェンシーの和泉かな氏は「そもそも沖縄という土地は才能の宝庫で、世界標準のアーティストが生まれる素地が既にできています。アジア展開へのハブとなる地理的なメリットだけでなく、文化的な多様性も日本の中では抜きん出ている。当社には、全社を挙げて取り組むプロジェクト『沖縄国際映画祭』があり、コンテンツづくりやアーティストの発掘なども手がけるなかで、沖縄の人たちと良好な関係を築き、エンタテインメントに対する熱量を持った“いい状態”を持続できています」と、話す。

■スターになる過程を丁寧に見せていく

 実際、沖縄エリアの人々はダンスや歌を含む芸能全般への意欲が非常に高く、家族ぐるみでサポートする姿も多く見られるという。

 「もちろん正確な人口比での分析はしていませんが、沖縄の人は芸能に関しては、自己表現力と向上心がとても高いという印象です。それに全国的にはさほどでもない『X FACTOR』ブランドの認知も高い。沖縄在住の海外の方からの問い合わせも多く、英語版公式サイトも開設したほどです。応募資格に国籍制限はありませんので、多様な背景を持つ方々が、まったく同じ土俵で勝負するという番組のおもしろさもより効果的に表現できるはず」(和泉氏)

 放映は半年、30分枠2クールが基本。ただし、状況によっては時間枠の拡大スペシャルや生放送なども検討し、SNSや動画サイトも反応やタイミングを見ながら活用していきたいとのことだ。

 「海外の超人気番組のフォーマットを使うからには、世界的なスターをちゃんと誕生させたい。ガチンコ勝負のおもしろさを日本流にアレンジしてどう届けるか。テレビ的な演出はちゃんとやったうえで、スターになる過程の見せ方には最大限に気を遣いながら展開していきます。発掘・育成というよりは“羽化”。そのための審査員を含む、制作側のアイデアやアドバイス自体もこの番組の魅力となります」(毛谷村氏)

 現在、沖縄テレビの放送をベースに新たな展開も検討中。番組から誕生する様々なタイプのアーティストが魅せる世界標準の新たな才能=X FACTOR誕生に期待したい。

(ORIGINAL CONFIDENCE 13年9月16日号掲載)

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