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美白の時代に日焼けを薦める理由

 杏子山崎まさよしスキマスイッチなどが所属するプロダクション、オフィスオーガスタが、肌をいたわる日焼け用ローション『SunKing』を発売した、化粧品事業に参入した。昨年の夏フェスを機に「無防備に肌を焼いている人がいる」と感じた同プロダクション代表取締役の森川欣信氏の発案から、商品開発が行われ、発売に至った。

「夏フェスで無防備に肌を焼いている人がいると感じた」と語る森川欣信氏(オフィスオーガスタ代表取締役)

「夏フェスで無防備に肌を焼いている人がいると感じた」と語る森川欣信氏(オフィスオーガスタ代表取締役)

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■「才能ある研究者」をマネージメント

 森川氏は「各所属アーティストのファンの皆様や、業界関係者の方々など戸惑っている方は多い」と笑う。ただし、この思い切った参入の背景には信頼できる“研究機関”と、貴重な“才能との出会い”があったと森川氏は明かす。

 「僕の父は元大手化粧品会社の研究員で、60年代に『サンスクリーン』の開発に従事した人物なんです。彼は医学部出身で「紫外線と光アレルギー」が専門でした。今も使われている「SPF値」は父親とハーバード大学のフィッツパトリック教授が共同発表した概念です」。

 森川氏の父親は大手化粧品会社を退社後、「皮膚臨床薬理研究所」を立ち上げ、元同僚で現研究所所長の鈴木喬氏をはじめ、数人で化粧品に関する研究開発を続けた。この研究所を森川氏が引き継いだのは、およそ10年前。当初はまったく興味が湧かなかったものの、度々、研究所を訪れるうちに、化粧品開発が夢のある研究なのだと実感したという。

 「特に鈴木所長の話はとても面白く、かつ、彼がどれほど優れた研究者なのかも会うたびに痛感させられた。この“天才”をマネージメントしてみたい。この才能とともに、多くの方に喜ばれるプロダクトを生み出したい。それはアーティストマネージメントとも同じ思いですね」

■開発のいきさつは夏フェス「サマソニ」がきっかけ

 こうして森川氏が化粧品にのめり込むなかで、昨年の夏、「SUMMERSONIC 2012」の会場で、あることに気付くこととなる。それは、一緒に観覧していたイギリス人アーティストの呟きだった。

 「こんな太陽の下で、なぜ日本人の女性は大きな帽子、タオル、長袖シャツなんかを着ているんだ? と驚かれました。もちろん、すべての日本女性がガチガチにUVブロックしているかと言うとそうではありません。実際、リサーチしてみると「小麦色に焼きたい」という人も案外多いことが分かりました。一方で、男性はあまりにも無防備に太陽光を浴びていることも問題と感じました」

 そこで、森川氏は鈴木所長とともに「これまでにないUVブロックができる日焼けローション」の開発に着手。そして完成したのが、肌を乾燥させ、シワの原因となる紫外線A波と、肌のメラニンを生成するB波を最小限にブロックしながら肌を焼くことのできる『SunKing』だ。

 「コンセプトは“slow tanning それでもやきたい人へ”です。5月から発売を開始しましたが、多くのドラッグストア様からもご注文をいただき、徐々に販路も増えています。販売に関しては我々は“インディーズ”だと考えています。必要な方へ届けられるように、フェス会場など、“売り場”へ出ていき、ピンポイントで商品紹介をしていきます」

 森川氏は「紫外線はビタミンDの形成、骨の強化に欠かせないもの。しかも紫外線の一番のメリットは気持ちを高揚させ気分を前向きにさせることだと思います。これがあえて美白ブームと逆を行く、日焼け用ローションを発売する理由です。世に在らざるものを生み出すことはエンタテインメントのひとつ」と力強く語る。これからも確かな技術に裏打ちされたクオリティの高い商品を世に送り出していく。森川氏の気持ちに一切のブレはない。(『ORIGINAL CONFIDENCE』13年6月17日号掲載)

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  • 肌乾燥を防ぎ、紫外線A波B波もブロックするラメラテクノロジー製法を開発した(図)
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