高橋ヒロシの人気コミックを小栗旬主演で映画化し大ヒットを記録した『クローズZERO』シリーズ。その劇場版シリーズ最新作『クローズ EXPLODE』の制作発表『THE“COMMING OF AGE”PARTY』が都内で開催され、主演の東出昌大をはじめ、早乙女太一、勝地涼、岩田剛典、ELLY、KENZO、永山絢斗、柳楽優弥ら新たなメインキャスト陣が集結した。

【写真】その他の写真を見る

　『クローズZERO II』から１カ月後を描くという『クローズ EXPLODE』。前作の公開から４年の時を経たが、一般公募も含めた大規模なオーディションによって、「どこかでなにがしかのものを成してきた人達。そういう“カラス”に出会えたことで、新シリーズを始めようという気になりました」と、山本又一朗プロデューサーは確信を持って語った。

　新キャスト陣を選んだポイントは、「一言でいうと『生き様が強いヤツ』、言い方を変えると気合の入った連中ばかり。私生活も見て感じて選んでますから、ここには軟弱な奴はいない。気の強そうな活きのいいヤツばかり集めたということですね」（山本氏）。今作から監督を手掛ける豊田利晃も「普通のイケメンとかじゃなくて、背中に背景のある人たち。それは顔にやっぱり出ますんで。そういう方を探しました」と口をそろえる。

　主演に抜擢されたのは、『桐島、部活やめるってよ』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した東出昌大。最初の感想は「え、俺？」だったそうだが、「豊田監督と話して、ほんとにカッコいい方なので、惚れ込んで、自分で考えることを放棄しちゃいけないとは思いつつも、豊田監督にとにかくついていこうと思って」撮影に臨んだという。

　小栗旬の盟友である勝地涼は、「（小栗に）漫画を借りに行きました。“やるよ”“そうなんだ”ぐらいでしたけど、少しアクションの質問をしたりとか、漫画が原作なんで、世界観のこととかいろいろ聞いたりして。“漫画の中にいろいろヒントが落ちてるんじゃないか？”って言われて、なるほどって感じでした」と裏話を披露。

　映画初出演となる三代目J Soul Brothersのパフォーマー・岩田剛典は、「あらゆることが刺激的で、同世代の男づくめなんですけど、その中で監督を信じて、すごいスタッフさんのなかでやらせていただいたことはいい経験になりました」と挨拶。そして「黒咲工業高校という新しく出てくる高校のアタマっていう重要な役どころなんですが、撮影初日の前夜にやべ（きょうすけ）さんに黒咲全員を集めていただいて、“１作目には鈴蘭のカラーが、２作目には鳳仙のカラーが出ていた。今回は新たに黒咲のカラーを出せよ”って、すごいプレッシャーをかけられまして（笑）。ホントに最高のアドバイスをいただいて、安心して初日を迎えられました」と、シリーズすべてに出演し、作品を知り尽くすやべへの敬意を表した。

　そんなやべにとって、豊田版『クローズ』はどのようなものだったのだろうか。やべは「豊田さんという人間性なのかは定かではないんですが、とにかく“耐える”というか“待つ”というか。監督の中でもこうやりたいというのはあると思うんですけど、そのなかでも役者たちの想いを酌んでくださって、それに足りないところを足してくださっていたので、役者のみんなもきっと、やり易いながらも、自分の役柄に対して責任感を持つというか、そういった演出をされる」と印象を語る。

　また、そうした豊田監督の現場だからこそ、若い役者たちへの想いがあったという。「豊田組において、撮影部があり、照明部があり、録音部があり、というなかでの俳優部ですよね。たしかにオーディションで選ばれてきた人間なんですけれども、まず俳優部としてプロの職人の方々に向かって行く。僕の中で絶対にそこでみんなに負けてもらいたくないなと。経験が有る無いではなく、選ばれた者たちとして、作品に対して向かっていってほしいと。自分の思っていることは常に監督にいいなさいと。自分の中で迷ったり悩んだり、表現しきれないんじゃないかという不安があるとしたら常に言っていきなさいと。一分一秒そこに迷いがあれば、一生そこに作品として残ってしまうんで、やる以上は悔いを残してもらいたくないですし。監督はそこはずっと待ってくれてたというか、耐えてくれてたというか。それが豊田監督のイメージですね」。

　次世代の若手俳優たちと、豊田監督がともに作り上げた『クローズ』の新章は2014年に公開される。