アイドルブームの最中、郷土愛を持ちながら地元を拠点に全国で活動するグループがグッと知名度を上げているが、この春、そんな地方アイドルシーンにさらに注目が集まりそうだ。4月1日にスタートしたNHK連続テレビ小説『あまちゃん』は、東北・岩手の小さな町の「地元アイドル」が、全国区の「アイドル」を目指すというお話なのである。オーディション情報誌『月刊デ☆ビュー』5月号（オリコン・エンタテインメント刊）では、このドラマのスタートに合わせ、『地元から全国区へ！地方アイドルからデビュー〜リアル『あまちゃん』物語」と題した特集を展開している。

　ドラマ『あまちゃん』のチーフプロデューサーであるNHK・訓覇圭さんにお話をうかがったところ、「地方アイドル」を取り上げることは脚本の宮藤官九郎さんとの話し合いの中で自然に決まったことだという。
「以前からあるような『地方に温泉が湧いて、てんやわんやのドラマが起きる』という物語の“温泉"を“地元アイドル"に置き換えた感じですね。現実に地方アイドルが盛り上がっていることは知っていますが、『あまちゃん』ではそういった現象よりも、アイドルを目指す女の子の“マインド"を重視したい。芸能活動は大変で、報われない人も多いのが現実。でも、アイドルを目指そうという気持ちは大事にしていいんじゃないでしょうか。『あまちゃん』でもそういった想いを伝えたいですね」

　ヒロインを演じる能年玲奈さんはオーディションで1953人の中から選ばれたが、訓覇さんは何をポイントにオーディションに臨んでいたのかを聞いてみた。
「基本は役のイメージに合うかどうか。それから、朝ドラという大きなプロジェクトの真ん中でやっていけるだけの根性と体力と人間性です。結果的に、能年さんという天野アキ役にぴったりの女優さんを選ぶことができました。朝ドラは、物語の中でのヒロインの成長と同時に、ヒロインを演じる女優さんが成長していくのを見守る楽しさがあるものです。ある意味、現実のアイドルをファンが見守るのと近いものがあるかもしれません」

　「地元アイドル」をポジティブに描いていく『あまちゃん』は、すでに地方アイドルとして活動している人や、これから目指していこうという人を勇気づけてくれるドラマになりそうだ。月刊デ☆ビューの特集『地元から全国区へ！地方アイドルからデビュー〜リアル『あまちゃん』物語」では、プロデューサーへの取材のほか、『ご当地アイドルお取り寄せライブ』の取材、活動中の地方アイドル「LinQ（九州）」「水戸ご当地アイドル（仮）（茨城）」「JK21（大阪）」「WHY@DOLL（北海道）」へのインタビュー、地方アイドルのメンバー募集情報などを掲載している。