今月5日に亡くなった歌舞伎俳優の中村勘三郎さん(本名:波野哲明、享年57)の本葬が27日、東京・築地本願寺でしめやかに営まれた。勘三郎さんと生前親交の深かった坂東三津五郎、女優の大竹しのぶらが涙ながらに弔辞を読み、最期の別れを告げた。 勘三郎さんと生まれが半年違いの坂東は「哲明(のりあき)さん、哲ちゃん。いつもあなたは僕の前を歩いていた。天才少年と言われ、ずっと僕の前を歩み続け、僕は遅れまいと走り続けてきた。今の僕があるのは哲ちゃんのおかげ」と感謝。新作歌舞伎など、歌舞伎界発展に尽力を尽くした勘三郎さんの死に「肉体の芸術ってつらいね。全てが消えたよう。本当に寂しいよ、つらいよ」と声を震わせ、「君がいてくれたおかげでこの56年間、本当に楽しかった。これからの歌舞伎をしっかりと守り、闘うと誓います」と幼なじみに誓いを立てた。