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いきものがかりの“原点”、彼らのバラード観とは?

 3人組ユニット・いきものがかりが初のバラードベスト『バラー丼』(12月19日発売)をリリース。ユニークなタイトル名の決定秘話などアルバムの話題はもちろん、彼らが原点だと語るいきものがかりならではの“バラード観”について想いを明かしてくれた。

◆『バラードだべ』というタイトル案も!?

――『バラー丼』は最高のネーミングですね。
山下穂尊】 ツアー中に札幌でタイトルの会議をしている時に僕が思いつきました。
吉岡聖恵】 海鮮丼的な?(笑)。でもホッチ(山下)はその時は何も言わなかったんですよ。
水野良樹】 そうそう。俺らが恥ずかしさを超えていろんな案を出している最中に山下はずっと、こんな秘蔵っ子を隠してた。
【山下】 いや(笑)、隠していたわけじゃないけど最終的に「バラードだべ」になりかけて。これはまずいかなと思って出しました。

――「バラードだべ」って……。
【水野】 あったねぇ、そんなの。今となっては恥ずかしい(笑)。でも『バラー丼』になったおかげで、もし次にアップテンポのアルバムを出すなら、“アップ天丼”だって案も出てかなり先の話まで決まっていったっていう。

――それもナイスネーミングです(笑)。そもそもバラードアルバムを出そうと思ったのは?
【水野】 元々はアルバムの1曲目に入っている「風が吹いている」のUKバージョンをオリンピックの時にロンドンで録っていて。これをどう世に出していこうかって話し合った時に、やっぱりアルバムの形で出すのが一番多くの人の手に取ってもらえるんじゃないかと。一昨年に『いきものばかり』を出して、ベスト盤をこれぐらいの短いスパンで作るのはセオリーに反するけど、音楽に興味がない人にも聴いてもらいたいってことで、より外へ外へと向いた結果の挑戦のリリースだったんですよ。

――シングル曲中心のセレクトで、リスナーとしてはかなり嬉しい作品です。しかもそれぞれタイプが違い起伏があるので、いい意味で“バラードベスト”ということを忘れそうになりました。
【水野】 バラードっていっても「歩いていこう」みたいな軽やかなものもあれば「明日へ向かう帰り道」みたいな壮大なものもあって、リズムの雰囲気もアレンジもさまざまですからね。そこは飽きないように並べていきました。
【吉岡】 だから自分たちで聴いてもそんなに重いものが集まった感じでもなく、思っていたより聴きやすくなった気がします。

◆いきものがかりの原点はバラード

――いきものがかりはデビュー曲も「SAKURA」=バラードですが、やはりバラードには特別な思い入れがあります?
【山下】 いきものがかりってバラードが元なんですよ。路上の時はバラードじゃないと人が立ち止まらなかった。男の子2人とかだったらジャカジャカしていると女子高生が止まったりするけど、うちらはとりあえずアップをやっても誰も聴いてくれなかったっていう経緯があって。
【水野】 だから自然とそこが基軸になりましたね。で、ライブハウスに出始めてからアップもやるようになって、さらにデビューしてから「じょいふる」みたいな曲が出てきたっていう。

――ちなみに歌う時はほかの曲と比べてバラードは難しいもの?
【吉岡】 バラードだから難しいってことはないけど集中はしています。しかも大人っぽかったり哀愁があったり儚かったり1曲1曲持ち味が違うから、それによって出し引きしていく必要もあって。ただ、基本的にどの曲も“自分のお話をしていますよ”っていう感じにはならないようにしています。聴く人の気持ちが自然と詞や曲に乗っかったり重なっていけばいいなと思って。

――歌に入り込みすぎないで、距離を置くということ?
【吉岡】 そう。その距離感を自分なりに感じながら歌っていて、例えば「歩いていこう」みたいな誰もが感じる寂しさを表現している曲だとつい自分のことみたいに歌っちゃいそうになるけど、そこをちょっと離して物語を伝えるようにする。で、聴く人がそれを思い描けるようにできたらいいなと思って歌っています。
【水野】 それは作る方も同じで、自分たちだけのものにしないっていうのはありますね。バラードはどうしても感情的になりやすいけど独りよがりにならないようにしているし、そこはグループ全体でバランスを取っているんじゃないかな。で、あとは多面性を持たせるのも大事なところで。

――多面性とは?
【水野】 「帰りたくなったよ」みたいに切ないけど温かいとか、「コイスルオトメ」ならロックサウンドにすることで恋の曲だけどその奥にある強いものを感じさせるとか、ふたつの感情を表現するってことです。それはほかのジャンルの曲でもやっているけど、バラードは特に表しやすい。表現によっては叫んでいるアップテンポの曲よりパワフルで過激な仕上がりにもなることもあって、そこらへんがバラードを作る面白さだったりはしますね。

(文:若松正子)



関連写真

  • いきものがかり
  • (左から)水野良樹、吉岡聖恵、山下穂尊
  • バラードベスト『バラー丼』

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