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【前編】『009 RE:CYBORG』神山健治監督、石ノ森作品の“正義”に注目

 日本SFマンガの金字塔であり、サイボーグマンガ・アニメーションの原点でもある、石ノ森章太郎原作『サイボーグ009』を原作にした新作映画『009 RE:CYBORG』が賛否両論、話題を呼んでいる。脚本・監督は『攻殻機動隊S.A.C.』シリーズ、『精霊の守り人』、『東のエデン』の神山健治監督。1964年から晩年まで石ノ森氏が描き続けた未完の名作に、敢えて挑んだのはなぜか。

不朽の名作『サイボーグ009』が神山健治監督(写真)の手で新たに動き出す (C)ORICON DD inc.

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●“現代における正義とは何か”を問いかけたい

――神山監督にとって石ノ森作品とは?

神山監督:僕にとって石ノ森先生はまさに雲の上の人。アニメから入った世代ですが、少年だった頃、先生の名前がついている番組は面白い番組であることが保証されているマークみたいなものでした。それが石ノ森先生の名前を意識した最初だったと思います。まさか将来、自分が先生の作品をアニメ映画化することになるとは…。ご縁があったことをうれしく思っています。

――石ノ森氏の作品は『仮面ライダー』もそうですが、時代を超えて長く愛されている魅力はなんだと思いますか?

神山監督:石ノ森先生はヒーローたちを通して、普遍的な正義を描いてきたと思うんです。「正義とは何か」とただ言葉にしたら陳腐だけど、アニメやマンガの世界観の中で問いかけていくことで伝わるものがあると思うし、アニメやマンガにはそういう意義があると思うんです。

――『サイボーグ009』を原作としたのは?

神山監督:今回、原作マンガを改めて読み直して、題材としての古さみたいなものは全く感じなくて。40年以上も前から、それも少年漫画として『サイボーグ009』を描いていたことが、いかにすごいことだったか。むしろ、国家ごとに正義があり、個人一人ひとりにも正義がある今の時代にこそ先生が描こうとしたテーマがマッチしているように思いました。先生が『009』で描こうとした人類共通の正義というものが果たしてあるのか、現代における正義とは何か、ということを今回の作品で問いかけたいと思いました。

 『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』(原作・士郎正宗)3部作では電脳社会の犯罪と正義を描き、オリジナル作品の『東のエデン』はそれぞれが正しいことをしようとして対立する物語だった。一貫して正義をテーマとする映画を作り続けている神山監督の最新作『009 RE:CYBORG』は10月27日(土)より全国公開される。

関連写真

  • 不朽の名作『サイボーグ009』が神山健治監督(写真)の手で新たに動き出す (C)ORICON DD inc.
  • ワールドプレミアは原作者・石森章太郎氏ゆかりの宮城家石巻市で開催。同市内にある「石ノ森萬画館」を訪れた神山健治監督 (C)ORICON DD inc.
  • アニメ映画『009 RE:CYBORG』は10月27日公開 (C)ORICON DD inc.

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