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井浦新、若松孝二さんに涙の弔辞「大好きでした」

 12日夜に交通事故に遭い、17日に多発外傷のため急逝した映画監督の若松孝二さん(享年76)の告別式が24日、東京・青山葬儀所で営まれ、俳優の井浦新が弔辞を読んだ。井浦は「僕の人生を変えてしまうくらいの経験をさせていただき、こんな数分で語ることはできません。僕は、若松監督の現場が大好きでした」と涙ぐみながら故人を偲んだ。

映画監督・若松孝二さんの告別式に参列した井浦新 (C)ORICON DD inc.

映画監督・若松孝二さんの告別式に参列した井浦新 (C)ORICON DD inc.

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 今月14日に北海道・函館で若松監督と行う予定だった映画『11・25 自決の日 三島由紀夫と若者たち』のイベント2日前、東京・新宿で監督らとそばを食べていたことを明かした井浦は「いつもより楽しそうで上機嫌で映画の話をしてくれました。監督をタクシーに乗せ、見送った背中が最後の別れになるなんて考えもしませんでした。監督はいつも、周りの者に心の準備をさせてくれない。撮影現場でもそうですし、海外や国内を一緒に旅してる時も準備をさせてくれない。それを心地よく感じてました。見送った数分後に事故に遭われ…痛かったでしょう」と、突然のお別れに言葉を震わせた。

 若松さんとの出会いから6年。「湿った空気が大嫌いだから、泣く予定なかったけど、無理でした」と、弔辞のなかでは言い尽くせない思い出が涙となってあふれた。「現場が終わると、この写真のように優しい顔で温かく包んでくれて、人間・若松孝二にも影響を受け、勉強させていただきました」と感謝した井浦は、『海燕ホテル・ブルー』(3月公開)のロケ合間に撮られたという笑顔をたたえた遺影をじっと見つめた。

 時折言葉をつまらせながら語りかけ「『俺たちがやってることは、映画監督や役者なんて、底辺の人間がやることだから、格好つけずに多くの人に見てもらうために必死に努力しなきゃいけない』と口酸っぱく言ってくれた。数々の授かった言葉を、監督が一番大切にしていた“心”という言葉を、しっかりと抱きしめ、一歩前進します」と、声を振り絞り、前を向いていた。

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