先月22日に行われた全国ツアーの公演中に左膝内側側副靭帯損傷の重傷を負い、ツアーを中断していた長渕剛が12日、福島・郡山市民文化センター公演で復帰した。全治6週間の診断を受けていたが、わずか3週間でステージ復帰を果たした長渕は、左ひざのけがを感じさせることなく2時間半にわたって全20曲を熱演した。

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　東日本大震災の被災地で待っているファンに自身の歌を届けるため、故郷・鹿児島に帰ってリハビリに専念していたという長渕は「福島！　帰ってきたぞ！」と絶叫。「本当に会いたかったぜ！　だから足、治ったよ！　この日のためにみんなと約束して、この一年ずっと頑張ってきたんだ。だから今日は、本当に最高の夜にしようぜ！　心のなかにあるもの、拳を突き上げて大声で歌おう！」と熱い思いをぶちまけた。

　郡山公演は、再会を約束した福島っ子たちと1年ぶりに会う日でもあった。昨年8月、福島第一原発事故の影響で各地に避難していた浪江町の20人の子どもたちを自身の故郷・鹿児島に招き、1週間を共に過ごした。その子どもたちをステージに招き入れた長渕は、福島の子どもたちに思いを馳せて書き下ろした「ガーベラ」を披露。1年前より一回り大きくなった子どもたちはつぶらな瞳で長渕を見上げ、演奏に耳を傾けていた。

　「俺は約束する。絶対にみんなのことは忘れない。そしたこの福島を、もっともっと全国に忘れないように伝えていく」と誓った長渕の全国ツアーも残すところ、13日の岩手県民会館、15日の仙台プラザホール、9月3日のニトリ文化ホール（振替公演）の3公演のみ。仙台公演は、アジア各国を含む全163館の映画館で生中継されることが決まっており、国内外に熱いメッセージを届ける。