6月29日に心不全のため亡くなった俳優・地井武男さん（享年70）のお別れの会が6日、東京・青山葬儀所で営まれ、発起人の俳優・田中邦衛、渡哲也をはじめ約800人が参列した。地井さんの人気番組『ちい散歩』の後継にあたる『若大将のゆうゆう散歩』に出演中の加山雄三は「あくまで繋ぎと思っていた」と地井さんの復活を願っていたと悲しみ「君の遺した大切な仕事を多くの人に伝えていくことができたら、それが君へのはなむけだと思う」と使命感をにじませた。

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　地井さんの遺影は、2009年3月31日に『ちい散歩』のロケで桜満開の新宿御苑を訪れた際に撮影されたもの。満面の笑みを浮かべる地井さんの写真を前に、多くの関係者のすすり泣きが響いた。

　今春、地井さんの体調不良で終了した『ちい散歩』の後を「30年前に5年間、一緒にドラマをやってたので、『よし、僕が引き受けよう』と思った」という加山。「『よろしく頼みます』と元気に話してて、僕は『引き継いでも、君の視聴率を守れるかわからないよ』と言ったら、『そんなこと言わないでくださいよ』って言われた」と地井さんとのやりとりを振り返った。

　地井さんが亡くなってから早1ヶ月が経ち、加山は「視聴率が良くて報告したら『良かった。でも、夏は暑いですよ』って言われた。今、それを実感してる」としみじみ。「君より頑張れるかわからないけど、大切にしたいものは君が遺した素晴らしい心。散歩、頑張ります」と声を振り絞っていた。

　お別れの会では『北の国から』で親交のあった田中が「会いたいよ！」と悲痛な思いを語ったほか、青木功、研ナオコ、渡辺徹、岩城滉一、萬田久子、水谷豊がお別れの言葉を送った。