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【編集長の目っ!】心に響くUVERworldのライブ

■そのメッセージに汗と涙を流し、心を潤わせるファン

 横浜アリーナが、まさに横浜アリーナという名のライブハウスになっていた。

 7月6日にメジャーデビュー7周年を迎えたUVERworldが、7月7日、8日の両日、初の横浜アリーナ単独ライブを行ったが、素晴らしいライブだった。日本初のダブルラインアレイスピーカー(アレイスピーカー2列配列システム)を使用し、音がいつもにも増してド迫力で、クリアにダイレクトに伝わってきて、さながらライブハウスで音に包まれているようだった。が、それ以上にメンバーの想いとお客さんとの想いとが1つになり、それが大きな存在として広い空間を支配し、あのライブハウスでのライブのような、濃密な時間を生み出していたからだと思う。

初の横浜アリーナ単独公演を行ったUVERworld  写真:dRII

初の横浜アリーナ単独公演を行ったUVERworld  写真:dRII

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 ファンはUVERの音に、TAKUYA∞の歌に、笑って、泣いて、飛び跳ね、手を突き上げ、気持ちを解放し、発散していた。そしてまた心と身体に、音とTAKUYA∞のメッセージをしっかりと吸収し、新たなプライドをしっかりと自分のなかに作り上げ、感じることができたはずだ。汗と涙を流し、心を潤わせ、つまり強くなって会場を後にしたはずだ。

 以前にもここに書いたが、UVERworldは音楽と誠実に向き合ってここまでやってきた。だから、歌とライブの時に、TAKUYA∞が放つメッセージがまったくぶれていない。常に一貫したメッセージを送り続けている。この横浜アリーナ2Daysでもとにかく前向きで、ポジティブなメッセージを1人ひとりに向け送っていた。「お前たち最高にかっこいいよ。大好きなものにまっすぐぶつかってキラキラしてる。今日燃やした情熱を、明日からほかの何かにぶつけてくれ。今日は楽しかったで終わってたら、音楽の意味なんてねーんだ。俺たちなら何だってできるだろ」と。そして、学校の先生や親、友達でも言ってくれないような、熱くも優しい言葉を投げかけてくれる。「みんなが本気でぶつかって来るのを見て、俺たちも本気になれる。いろいろ考えるより誰かの本気の瞬間を見る方が考えがまとまることだってあると思う。俺たちはいつでも本気でこのステージに立っているから、またいつでも来てくれよな」と。その歌で伝えたいことをはっきりと言葉に表し、そして歌い始める。特別なことじゃないかもしれないけど、これもTAKUYA∞の優しさだ。女性ファンも、圧倒的に増えた男性ファンも、みんな涙を流し、その言葉に聴き入っていた。 

 先日、40代女性のUVERファンと話をする機会があった。その人は娘さんの影響で彼らにハマッたと言っていたが、「UVERの音楽を聴いて、TAKUYA∞のメッセージを聞いて、もっと自分を出していいんだと思った」と、人生経験豊富な40代でも、UVERの歌を聴いてハッとしたという。10代、20代、30代も40代も世代に関係なく、みんな“生きた言葉”を待っているんだということ。UVERの音楽の懐の深さと、“情熱”を感じさせてくれるところが人を引き付けるんだということを再確認した。

 それしても、メンバー1人の演奏力の高さが、広さのあるアリーナではやはり大きな武器になった。TAKUYA∞のメッセージをより強く、そして真っ直ぐに伝えるには、想いをともにし、固い絆で結ばれたこのメンバーが弾き出す音じゃなければダメということだ。そして、メリハリのあるアレンジ。ファンの気持ちを高揚させ、感動を増幅させるメリハリある、キレのあるアレンジが彼らの真骨頂だと思う。

 そして、今回は「AWAYOKUBA-斬る」でカルテット(弦楽四重奏)が登場し、素晴らしい弦の音を聴かせてくれた。静かに、でも情熱的で、心の深いところまで届いてくるストリングスが、個人的にはすごく感動した。こういう演出はアリーナ公演ならではだが、メッセージをより深く聴き手の心に伝えるために=まさに“琴線”に触れるには、弦は非常に重要だと思う。今回の素晴らしい音響での弦の音は、ため息が出るほどだった。

 この横浜アリーナ2Daysは、サプライズ満載だった。初日は、初のドキュメント映画『THE SONG』の公開が発表され、2日目は秋からスタートする、初のさいたまスーパーアリーナ公演を含むアリーナツアーが発表された。また、8月29日には、22枚目のシングルで榮倉奈々主演のTBS系ドラマ『黒の女教師』(7月20日スタート/金曜夜10時)の主題歌にも起用された「THE OVER」をリリースすることも決定している。

 UVERworldは、自分たちの想いとメッセージを1人でも多くのファンに伝えるために、その歩みを止めることなく、さらにスピードアップさせ、時代を走り抜けていく。横浜で“次”の彼らの姿を明確に捉えることができた。

【横浜アリーナ7月8日公演 セットリスト】
1.KINJITO
2.GOLD
3.パニックワールド
4.畢生皐月プロローグ
5.BABY BORN & GO
6.勝者臆病者
7.ace of ace
8.バーベル
9.AWAYOKUBA-斬る
10.いつか必ず死ぬ事を忘れるな
11.優しさの雫
12.Massive
13.一石を投じる Tokyo midnight sun
14.魑魅魍魎マーチ
15.7th Trigger
16.NO.1
17.スパルタ
18.CORE PRIDE
19.MONDO PIECE

【UVERworld 秋のアリーナツアー】
11月10日(土) 国立代々木競技場第一体育館
11月11日(日) 国立代々木競技場第一体育館
12月1日(土) さいたまスーパーアリーナ
12月8日(土) 名古屋日本ガイシホール
12月9日(日) 名古屋日本ガイシホール
12月15日(土) 神戸ワールド記念ホール
12月16日(日) 神戸ワールド記念ホール
12月22日(土) 福岡国際センター

【リリース情報】
22ndシングル「THE OVER」 (8月29日リリース)
【初回生産限定盤 CD+DVD】¥1,529(税込)
【通常盤】¥1,223(税込)

≪映画情報≫
UVERworld DOCUMENTARY
『THE SONG』
公開日:8月22日(水)TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー
監督:中村哲平
出演:UVERworld

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関連写真

  • 初の横浜アリーナ単独公演を行ったUVERworld  写真:dRII
  • TAKUYA∞  写真:dRII
  • ライブの模様  写真:dRII

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