俳優・原田芳雄さん（享年71）の訃報を受け、映画『大鹿村騒動記』（公開中）のメガホンをとった阪本順治監督が20日、同作を配給する映画会社・東映を通じてコメントを発表した。以下、コメント全文。

　「主役である以上に、座長であった芳雄さんは、その責任を全うして、逝かれました。耐えに耐えて、痛みに涙をこらえて。もう僕は、“壮絶”と言う言葉を軽々しく脚本に書くことはないでしょう。そして、芳雄さんの精神は、誰も引き継げないと、失って初めて気付きました。次なる原田芳雄はどこにもいません。この喪失感に、いま打ちのめされています。芳雄さん、安らかに。最期まで、カッコよかったです。　阪本順治拝」

　監督は、1989年の長編映画デビュー作『どついたるねん』以来、『KT』『座頭市 THE LAST』など計6作品で原田さんとタッグを組んできたが、主演俳優として向き合ったのは同作が初めて。ORICON STYLEのインタビューに、阪本監督は「肉食系でもなく、草食系でもない、原田芳雄系というかっこ良さがあることを感じてもらいたい。芳雄さんは日々の暮らしでも、芝居でも、どれだけ真剣に“遊ぶ”かということに一生懸命。この映画を成功させて、また芳雄さんに勝負を挑んでみたい」と話していたのだが、『大鹿村騒動記』が原田さんの最後の主演作となってしまった。



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