竜宮城を夢見る男と、無感情で刹那的に生きる男―――そして、海を見て涙する記憶喪失の美少女。沖縄を舞台に描くジャンルを越えた新世代の青春映画『イツカ波ノ彼方ニ』の初日舞台挨拶が10月29日（土）渋谷シネ・ラ・セットにて行われた。

　会場には、主演の平岡祐太、加藤ローサ、丹野雅仁監督が登壇。初主演の感想を聞かれると平岡は「僕が俳優として、“アキという役をどのように成長させていけるか”それだけを考えながらやっていました。それなので、初主演ということは特に意識していませんでした」とプロの俳優としての貫禄を感じさせる発言をしていた。一方、加藤は「演技をすることはとても大変でした」と語りながらも「監督と演技について話をしたときに『何も考えずにやったほうがいいよ』と言われたので、すごく自然にやることができました」と答えていた。

　撮影中は、まったく話がかみ合わなかったという2人について丹野監督は「とても対称的な2人です。監督としては、大変でしたが、映画に出てくるキャラクターたちも、あっち向いていたり、こっち向いていたりするので、そういう意味でこの2人は、とても合っていたと思います」と語った。また、映画については「映画を観終わった後に、映画のことについて考える15分を持ってほしかったので、そのように製作しています。多分、映画の感想は真っ二つに分かれると思いますが、いろんな意味で自分の生き方などを見つめ直して欲しいと思います」と作品に込めた思いを答えていた。

　この作品は、10月29日（土）より渋谷シネ・ラ・セットにてロードショーされている。

■『イツカ波ノ彼方ニ』オフィシャルサイト　http://www.itsunami.net/