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人気デフォルメフィギュア「ねんどろいど」から考察 なぜ2頭身キャラが日本人に愛されるのか

萌え系に振りすぎず、変なエロさもない、ユルさゆえの2頭身の安心感

 「ねんどろいど」が広く認知されるきっかけとなったのが、2008年にリリースされた初音ミクだ。当時すでに大人気を博していたキャラクターだったが、最初期にフィギュア化したのが「ねんどろいど」で、その可愛らしさから累計10万個を超えるヒット商品となった。

 「もともと初音ミクは音楽からイラストまで、ユーザーが自由に創作するということが行われていますよね。だから2.5頭身にデフォルメしても、違和感なく受け入れられたんだと思います。ただ初音ミクは16歳という設定なので、一般的にはスッとスタイルがいいイラストが多い。それが2.5頭身になったことで『まるでミクの子どもの頃みたい』という感想をおっしゃっていたユーザーさんもいました」(平瀬氏)

 平瀬氏の証言のように、一般に人間も含む哺乳類の赤ちゃんは、成人に比べて(2頭身ほどではないが)体が小さく頭が大きい。このバランスが「可愛い」「守ってあげたい」という大人の庇護欲を掻き立てるという説もある。頭身を縮めることによってキャラクターに幼さという新たな魅力を加えたのも、「ねんどろいど」のヒットの理由なのだろうか。

 「我々は特に幼さに寄せているつもりはないのですが、シリーズとして統一感を出すために、もともとは面長のキャラクターでも丸顔にしているものもあります。それによって幼く見えるところはあるかもしれないですね。それと『ねんどろいど』はご覧の通り頭が大きい(=重い)ので付属の台やアーム(支柱)で支えないと自立しないんです。また手足も短いので、ポーズがどこかたどたどしい感じになるのが、赤ちゃんに通じるお世話したくなる可愛さに繋がっているのかもしれません」(山田氏)

 さらに幼さやユルさが加わることで、セクシー系のキャラクターでもセクシャルな印象が和らぐという側面もある。
「幅広く手がけてきたなかでは、かなり露出度の高いキャラクターもいます。また肉感的なキャラクターであれば、それなりに胸の大きさなど特徴を損なわないようにこだわっています。ただ『ねんどろいど』のフォーマットは、体の比率が小さく、言ってしまえばずんぐりむっくりな体型なので、どうしても性的にはならないというか(笑)。それこそキューピーちゃんは裸ですが、いやらしくないのと近いのだと思います」(平瀬氏)

 あくまで好みの問題ではあるが、性的に誇張されたキャラクターには一部の女性や親世代からの拒否反応もあり、決して万人向けとは言えない。その意味でもデフォルメが果たす作用は大きい。「ねんどろいど」もまた、親も子どもに安心して買い与えることができるホビーとして「より幅広い層にフィギュアを親しんでいただくエントリーモデル」という当初の目的を成功させている。

 2頭身や2.5頭身にデフォルメという手法は、キャラクターの持ち味を生かしつつ、新たな魅力やストーリーを加えることでファン層を拡大することにひと役買ってきた。古代人が「埴輪」や「土偶」を「可愛い」と捉えていたかどうかは不明だが、少なくとも現代の感覚からもずんぐりむっくりなそのフォルムは愛嬌たっぷりだ。日本人が愛してやまない2頭身キャラクターから、今後も新たなヒット商品が生まれることに期待したい。
グッドスマイルカンパニーの山田香穂氏のTwitter(外部サイト)ブログ(外部サイト)
ねんどろいど オフィシャルサイト(外部サイト)

提供元: コンフィデンス

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